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…そう…ッス、か。
[他の実に手を伸ばすが、触れる直前、思い出したようにケイジを振り返る。]
リディアが封じられたのと。
ジョエルが消えた、事は…聞いた、スか?
さァな。
[くつり、哂って。]
何を知っているにしても、何を知らないにしても、
俺は何も口にはしないさ。
――そのほうが、愉しいからな
愉しい――か。
[人懐こい、何時もの笑みとは違う少しばかり歪んだ笑みを口元に貼り付けてもう一度ケイジを見た。]
あんたにとってはこの騒動すらも「愉しみ」…ってとこ、スかね?
…想像、スか。
[口元の歪な笑みを深くすると、右手を上げてカリと頭を掻いた。]
…「虚」の目的を知っても「愉しい」と…言えるといいスね。
[呟くように小さく言った]
[小さな声も聞き逃しはせずに]
さァ、どうだろうな。
知ってからでなければ、俺には何一つ言えるまい。
――退屈がこわれるのならば、何でも歓迎するがな。
[にわかにざわめきたつ院内。
精神的にはともかく、体力的には大分、回復していた。
皆の意識が他へと向いている間に、
そっと寝台から降り立って、素の足に靴を纏った。
なるべく音を立てぬようにしながら、外へと向かう]
…そ、スね…。
…ま、聞いた所では「世界のコトワリを壊す」とか…だった気が、するスけど?
[小さく小さく呟き、足元へ目線を揺らした後、顔を上げて明るく軽い声で。
その口元の笑みは深く深く、*歪んで*]
確かめないと、
……出来ることを。
[小さく呟いて、向かう先は結界樹。
空を翔ける者にとって、森を往く者は見つけがたい。
通い慣れた、と言えるようになって来た、路なき道を、なるべく繁みを選んで、進んだ]
世界のコトワリ、ねェ。
[その、見慣れぬ笑みを見て、狐はわらった。]
それが何を意味するのかはわからないが――
なんとも愉しそうなひびきじゃないか。
/*
ラスだけにラスボス、
………だったりするんだろうか。
被襲撃目指していたんだが縁故から残される気がしてきた。
ジョエル襲撃されて空飛べる男手もう他にいないじゃないか。orz
[ケイジは既に助けの数に入れてない。]
[森は奇妙に静まり返っている。
歩みは決して早いとは言えないが、
小さな足音ですら、大きく響きそうだった。
遥か上空の羽ばたきが、時折、耳に届く。
やがて、川の流れが行き着く先、風が運んできた微かな声に、足を止めた]
−施療院−
[エリカとカルロスを後にし、アヤメを探し院内を巡る。
途中でラスを見つけ、その案内で彼女が休んでいる筈の部屋へ向かった。
しかし、そこにあったベットは空。
側の椅子に疲れて眠るカレンの小さな姿だけがあった。]
……………あの馬鹿娘が。
[抑えた声は低く地を這う。
手に持つ籠の柄が、鈍い音を立てた。
明らかな渋面に責任を感じたのか、ラスが開け放された窓から飛び出して行った。]
[溜息と共に見送り、窓を閉じる。
眠るカレンの側、起こさぬ様にベットへと腰掛けた。]
………少しここで待つか。
[入れ違いを防ぐ為。カレンの疲労を癒す為。
そして、いざという時に動ける様に。
ベットに籠と届け物を置き、腰を据えたまま*目を閉じる*。]
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