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いえ、お構いなく。
[酔いが回ってきたのか、ややとろんとした目で青い髪の旅人を見返す。]
…義兄さんの個人的な問題ですからね。
…死んだ元妻の弟がとやかく言うようなことじゃないでしょうよ、えぇ…。
メイのおばあさんが知ってる、か?
村に戻ったら訊いてみるのも良いかもなー。
[しかしどことなく他人事ではあるのでさらりと笑って言う]
[思考に混ざるように響く声に、
ふと懐かしいものと違和感を同時に覚える。
姉とかつてそうしたように届き、触れ合う心は、
姉とは違う…どうも男性のように思えた。]
…あなたは?
[本能に染み付いていたそれは、すぐに勘を取り戻す。
かつて、そうであったように。]
[ふわり。
肩にかけられたショールの温もりと、彼女の移り香なのか石鹸とは違う甘い香りに、湯冷めしかけた頬が一気に火照る。]
ぇ、あ…ありがとう…ございます。
えっと、もう大丈夫です…!
[なんだか逆に熱くなった気もするくらいだったけど、せっかくの温もりをすぐに返すのはなんだがらと自分に言い訳して、元気に返事する。
結果的に邪魔してしまったのか、去り行くハーヴェイの背におやすみなさいと言いかけて。投げられた言葉に、むぅと唸る。]
えーっ、ちゃんとしっかり洗いましたよ、ほらっ!
濡れてるでしょ?
[…だからくしゃみする羽目になったのだが。]
[ナサニエルの言葉にこく、と頷いて]
うん、案外ぽろっと話してたりね?
……戻ったら……うん、戻ったら聞ける、けど……。
[ほんの少し、陰った瞳を窓の方へ向けて、途切れがちに呟き]
[和やかな雰囲気に少しだけ身じろぎして、挨拶の言葉を口にする]
……こんばんは。
[三人の前を通り過ぎて広間へ入ろうとして、少しだけ迷った。
ここに戻って、何をするというのか。
けれど、ノブにかけた手は止まらなかった。]
……酔ってんな、かなり。
[コーネリアスの様子にちょっと焦ってみたり]
そうかも知れないけどさ、もしかしたら相談する為に呼んだのかもしれないし?
[ “あなたは?”
そう、返って来る聲。今、目の前に居る三人の声とは明らかに異なる其れ。答えるべきか否か――逡巡の後、先程と同じ様に思念を零す。]
……俺は、俺。
ハーヴェイ=ローウェル……其れ以外の、何者でもない。
[ 然し、此の表現も妥当ではないように思えた。]
何だ、此れは?
……精神感応にでも目覚めたか。其れとも、気でも触れたか。
[ 疑問の聲は自嘲の色を含む。何時もの口調すら、其処には無かった。]
まあ、アーヴァインさんもこの年で男やもめというのは辛い。
そういう事なんでしょうな。
……二度も最愛の人を失ったわけですから、ね。
[残りのブランデーをグラスに開け、飲み干す。
顔色一つ変わらない。]
[広間に入るとすぐに、扉の側にいた使用人の少女に気づいた。
彼女がアーヴァインに取次いでくれたのだと思い出す。]
さっきはありがとう。
貴方、名前は?
本当に大丈夫?
……あら、お風呂に入ってたの?
湯冷めしては大変よ。
[ハーヴェイとのやり取りを聞きながら、そう言った。
風邪を引いたら、大変だから。
赤髪の少女が扉に手をかけるのを見て、広間の中に、顔出ししたほうがいいのかしら? と思った。]
[ふと、懐かしい――忌まわしい臭いが鼻先を掠めたのは気のせいだろうか]
[彼女の双眸に僅か鋭い光が宿り、…すぐに消え失せた]
[不機嫌そうなコーネリアスにどう言えば良いか悩みながら]
そうじゃなきゃこの時期にわざわざ呼ばないんじゃ?
[真相はさっぱり分からないのだけど。
そしてルーサーの言葉にふと引っかかり]
二度も?
[とだけ訊き返す]
……っと、お喋りが過ぎました。
私が喋った事は内密に。
バレたら締め上げられてしまいます。
[にこにこと笑いつつナサニエルの質問を流す。
そして。使用人を呼び出してワインを持ってくるよう頼んだ。]
……と、其れでは失礼します。
[ 今度こそそう告げてニ階ではなく外へ向かおうとすれば、不機嫌そうな声に立ち止まって少年を見遣り、口角を上げクスと小さく笑う。]
濡れていれば、洗ってあるって訳じゃないだろうに。
[ 云いながら擦れ違いさまに其の頭を撫でるというよりは軽く叩いて、]
広間に入って温まっておいたほうが、好いんじゃないか。
其れじゃ。
[片手を振って其の場を立ち去り、通り掛った女の召使にタオルを預ければ、赤い絨毯の上を緩やかに歩んでいく。]
…僕と"話せる"のは、姉だけだとおもっていました。
まさか、あなたが同族とは、ね。
[ハーヴェイの名に、書生の姿を思い出し。]
/中/
とりあえず、今回の目標。
初 回 襲 撃 回 避
……ちょっと回文みたいですね。
死にフラグは立てない! できれば生存でエピにいきたい……。
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