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―商店街―
…これ、PSI…。
[足を止めて、呟くと同時に、頭の中にメールが届く。
そこには今最優先でPSI法に従う事が命じられていた。]
局から…。Jawohl――。
[難しい顔で、了解の意を呟くと、とぼとぼと人の波に紛れるように集会場の方へと歩きだした。]
早く帰りたかったのに…ぼっちゃまとジョエルさん、大丈夫かしら。
もう、誰が引っかかったの?ドジ。
[喋るのは楽しげな声。]
まいっか。ちょっと刺激があれば、いい加減『いい子の私』も目が覚めるかしら。
このまま処分されるのなんてゴメンだもの。
そろそろ逃げるなり何なりしてくれないと、私としても困るんだけど。
[声は独り言を呟くように囁いた。]
─区画内・公園→集会場─
…やっぱりダメ、か。
お母さんたち、心配してるだろうなぁ…
[移動途中、ダメもとで端末を操作しようとするが、外部と連絡を取るための端末はすべてロックされており。
溜息とともに両親の住む区画の方角へと視線を向け。]
…お母さん達、こっちにきてたりしないわよね。
―公園→集会場―
なあ、マイルズ、あれ。
あんたの家の人じゃね?
[ふと目に入った執事の姿に声を出した。
全市民への通達だから人の流れも大きくて、その中を逆へ歩いてこようとすれば目立ちもするだろう]
あー。通信もロックされるのか。
参ったな。無事くらい伝えときたいのに。
[司書の声に無駄と教えられた操作をする。
星間連絡は元より、隣の区画へさえも連絡出来ない]
ラッシュの方でどうにかならんかね…。
―集会場―
[人が多すぎて、容易に主や同僚を見つける事は出来ず。
そのまま列に並び従い、認証を受けた。]
すみません、ちょっと待っててください。
[襟元を結ぶ紐を鎖骨のあたりまではずし喉を晒し、そこにある特殊なバーコードを読み取らせた。]
『―――認証完了。
PSI法により、ズューネの一部制限が解除されます。』
[自分たちを作り出した、局から届くメールにいくつかの指示が出されていた。
押し付けられるように袋を貰うと、一応ここでやる事は終わったらしく。
中身を確認しないまま、とりあえず周囲を見回した。]
─公園→集会場─
……やれやれ。
父上の戻り予定が遅れたのは、良かったのか、悪かったのか。
[次の演奏会は聴きに来る、と言っていた父。
体調が思わしくない事もあり、こちらに来る予定を遅らせていたのだが。
巻き込まれず済んだ、という意味では、良かったのだろう]
……え?
[そんな事を考えていた所に、レッグに声をかけられ]
……あらら。
[視線を向けた先、見知った執事の姿に、やっぱり惚けた声を上げていた]
―公園→集会場―
[レッグの声に、歩みを止めないまま頷いて]
うん、外部との連絡は全てアウトみたい。
此処にいることは家族に通知されるらしいんだけど…
パトラッシュさん…は多分、集会場、よね。
[家族と直接連絡が取れないのは初めてで、溜息をつき]
…心配してないと良いけど…
─公園へ向かう通り─
[人の波に逆らい公園へと向かう道すがら、集会場へ向かおうとしていたらしい主達を見つける]
マイルズ様、ご無事ですか。
[同僚は運悪く鉢合わせなかったようで、その場には居らず。
主と共に居る者達にも軽く視線を流してから、再び主を見据えた]
エリカは一緒では無いのですね。
[認証を終えてその場で周囲を見回す姿を見つけて]
エリカさんか。
[近寄り話しかける]
状況は大体わかっていると思う。
マイルズさんとジョエルは一緒じゃないのか?
まだこっちにはきてないだようだが。
[列の並びは落ち着きを見せ始めたのであとは流れに任せるようにした]
─公園→集会場─
ええ、無事ですよ、見ての通り。
[やって来たジョエルに、いつものように笑って頷くものの、さすがにどこか引きつったようになるのは否めない]
エリカ?
ええ、会ってはいませんが……そう言えば、買い物に出ていたのでしたっけ。
先に、集会場に行っているのかもしれませんね。
─公園→集会場─
[人波に逆らって歩いている男性を見止めると、レッグとマイルズがその人を知っていたようで。
その男性がこちらへ歩いてきたのをみれば頭をさげる]
マイルズさんのおうちの方ですか?
初めまして、私はナターシャ=ロングと言います。
よかったわね、マイルズさん。
ご家族の方と行き違いにならなくて。
[こんな状況でよかったもないかしら、と言い苦笑しながらもそう言って。]
―公園→集会場―
ども。
[向けられた視線に軽く頭を下げた。
この執事はなんというか固いイメージがあって得意でない]
んー。それはいいのか悪いのか。
閉じ込められたってのが伝わるってことでもあるしな。
ああ、多分いると思う。
仕事延長みたいなもんだろし…。
[主従の遣り取りは横目に司書と話す。
言葉の後半は目線が落ちてゆく。何となく気まずい]
―集会場―
ああ、パトラッシュさん…。
[探し人ではないものの、知った人にほっとした顔を向ける。]
ジョエルさんとは、少し前に別れたんです。
ぼっちゃまを探しにいこうとしてた所で…。
二人とも、まだ来てないんですね。
[姿が見えない事には、少し不安そうな顔をして。]
あの、緊急事態ってどのくらい続くものなんですかね?
すぐ解除されるようならいいんですけど。
[袋を二つ抱えるようにしながら呟いた。]
―公園→集会場―
[目線を落とす様子に、大丈夫よ、と肩を叩いて]
私たちが悪いことしてる訳じゃなし。
パトラッシュさんたちに任せてればすぐに終わって開放されるわよ、きっと。
…心配は、かけちゃうけど。
事が終わったらすぐに連絡すれば大丈夫。ね?
[通知されているということは、そういうことだからと、少し眉を寄せるも、不安にさせないよう朗らかに笑って。]
─公園→集会場─
[引き攣る笑みに(…無理も無いか)と心で思う]
先程遭遇したので、マイルズ様を迎えに上がるよう頼んだのですが…。
お会いになる前にアラートが鳴ってしまったようですね。
では集会場に向かいましょう。
あちらで我々の姿が無ければ、待っているかもしれません。
[そう主に言葉を向けた後、視線は周囲のものへと向く]
御機嫌よう、グレッグさん。
そちらは……ナターシャさん、ですか。
私はジョエル=ハルドニッツと申します。
マイルズ様の執事を勤めております。
以後お見知り置きを。
[このような事態であっても挨拶は欠かさずに述べ。
軽く腰を折り頭を下げる]
―区画内・集会場前―
[ほっとした様子と続いた言葉にやさしい声で]
ああ、まだ来てないがここの近くで待っていればそのうちくるんじゃないか?
[不安そうな顔とともにかけられた疑問の言葉には]
解決するまでとしか今はいえないな。
俺もはっきりとしたことはわからない、すまないな。
なに、すぐにサイキッカーのやつを見つければいいことだ。
PSI反応がなくなれば区画が開放されるらしいしな。
―公園→集会場―
…そだな。
[肩を叩かれると視線を上げて司書に小さく笑い返す]
巻き込まれちまったもんはどうしよもないし。
ラッシュの小言だっていつものことだと思えばいいし。
[そんなに言われてるのかという話はさておき]
集まりが遅いとか役人に怒られんのも馬鹿らしい。
行こ行こ。
─公園→集会場─
ええ、さすがにこの状況で行き違いになっては、後が大変ですから。
[主に、小言的な意味で、というのは言わずにナターシャに頷く]
そうでしたか……って、そう言えば、ジョエルは何故外に?
[ふと、疑問を感じて問いを一つ、投げる。
集会場に、という言葉にはそうですね、と頷いた。
いずれにせよ、そこには行かねばならないのだから]
―公園→集会場―
ああ。
マイルズ…さんは、ジョエルさんと会えて良かったな。
一人でいると特に心配掛けちまう。
[僅かに緊張しながら、いつもは呼び捨てにしているのを言い直したりもして頭を下げた執事に言う。後半の物言いが台無しにしてるような気もするが]
お、並んでるけど、混乱はしてないみたいだな。
[やがて見えてきた集会所の列にそんな感想も述べた]
―公園→集会場―
[ジョエルから丁寧に挨拶されれば、思わず足が止まってしまい。]
マイルズさんのおうち、執事さんなんて居たのね。
[公園でよくのんびりしているから、時間に余裕があるのだろうとは思っていたのだが。
なるほど、お坊ちゃんだったのね、と内心で納得し。
事実は少しずれているのだが。
とは言っても別段何が変わるわけでもなく。]
合流できて良かったですね。
きっと同僚の方も心配なさってます、早く集会場へ行きましょう?
[変わらぬ笑みで首をかしげ、歩みを進める。]
─公園→集会場─
少々所用がございまして。
私事だったのですが、至急取りに来て欲しいと頼まれたために応じておりました。
[小脇に抱える包装された本を目にしたなら、容易に納得出来ることだろう。
主の問いに答えながら、その後ろにつき移動を開始した]
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