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[それに誘われるように足をふみだす。
靴など履こうという気すらおきず。
土を踏む足は痛みを覚えたのだろうか。
よくわからなかった。
ただ、赤が伝っていたはずの地を踏んで]
……おにいちゃん、どこいったか、知ってる?
[問いに問いを返す]
あかも、ないの。
……ゆりちゃんも?
[ビクリとなる。
おぼろげに聞きとっていたものでなく、ハッキリしたコエが響いて]
このコエ、音色の?
聞こえる、うん、聞こえる。
[コクコクと頷く。
怯えと期待を半々に滲ませて]
かりそめの
馴れ合いを
うわべの
触れ合いを
続けようじゃないか。
そののちに待つ絶望、悲哀、苦悩、激情、慟哭こそが
お前らの肉を華々しく彩り、血を香しく染め、
心室に甘露を満たすのだから。
[ふらり、立ち上がる。
血濡れのボールを抱いて、
未開封のストラップを手にして、
目的を失った、
咲くことのない、
火の花は置き去りに。
誰もいない体育館は、明るい。
人工的な光を、宿したまま。
そこから、立ち去る。]
[背後の部屋に退く。
窓から下がるカーテンが
夜闇の向こうとこちらを隔てる。
そこに在った死体は桜の根元へ運ばれ、もう無い。
跪き、床に口づけた。]
[ふる、と頭を振る。
唐突な出来事に対する衝撃は、だいぶ和らいでいて。
ただ、今は、自分がやるべき事をやらなくては、と。
そんな思いから、ケンの横に膝をつく]
……還さなきゃ……。
器は大地に、魂は天空に。
再び輪廻の内へと還しゆかん。
世を巡り流れを兆すもの、風の流れ司りし者の名において。
……魔によりて生命奪われしもの、その存在を……。
還さん。
[その言葉は、無意識の内に零れ落ちたもの。
風が、ゆるり、揺れて。
ケンの身体を包み込む]
日月君?
…さあ、俺は知らないなぁ。
[首を振る動作も、浮かべる表情も、言葉もしっかりしていて、何時もと変わらず、]
うん。全く、あいつ何処に行ったんだろ。
怪我してたから、手当てに連れて行かなきゃなのに。
[ただ、目だけが虚ろに、]
[あの、屋内に充満していた鉄臭い臭いも消え。]
[プールへと這い、水を掬い上げても、いつもの様に透明が零れ落ちるのみ。]
……夢、なの……?
あは……そうよね、こんなの……現実な訳ないじゃない。
消えた――?
…ああ、うん。さっきまで此処にいたのにさ。
何処に行ったか、九条さんは知らない?
[背後の桜には気付かず、ただ聞こえた声に反応して、]
[マイコの呟きを聞いて]
桜の下には死体が眠る。
その紅を吸い上げて、桜は鮮やかな華を咲かせる。
…そしてその身を自然に還す。
[改めて口にする]
[声は届いているだろうにヨウコの方を見ることはなく。
ただただ桜に向かって足を踏み出す。
土が、砂が、こまかい石が。
柔らかな足を傷つけていたのか、かすかに、あかが残った。]
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