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/中/
……地震ではなかったっぽいが。
なんだったんだ、さっきの揺れは。
さてさて。
フリーなのはユーディだけですかと(汗)。
んー、どうしたもんか。
個人的には、まだ絡んでないとこと絡みたいんだけど。
別件落ち着くまで、様子見しとくか。
[部屋に戻りタイツを脱いで、傷口を洗う。
水音を聞きながら、ぼんやりと呟く。]
……真実に、約束、か。
[霞がかる思考。
違和感はあるのだけれど――何が、かまではわからぬままに。
手当てを済ませて、眠りについた。
それは、ブリジットにとっては、深く、深く。]
−過去→現在へ−
[畳んだハンカチを手に部屋を出る。
向かう先は、このハンカチの持ち主の部屋]
[階段を挟んですぐの場所にある部屋──Kの部屋の扉をノックする]
ブリジット様、いらっしゃいますか?
[相手が休んでいるとは知らない。
コンコン、と言う音と共に声をかけた]
ん――
[額に当てていた手をずらして、ゆっくりと目を開く。
着替えるのも億劫で、セーターとタイツを脱いだだけの格好だった。直す、という考えには至らなかったらしく、緩慢に身を起こす。]
はい……?
[寝ぼけ眼。警戒心はゼロに近い。
薄く扉を開いて、しぱしぱとまばたいた。]
…あれ、意外ですね。
俺は組織の人間が減ろうと、知ったこっちゃ無いんですが。
[義父さんの障害が減るなら、むしろ歓迎です。
けらりと笑いを零しながら、飄々と言ってのける。
続く言葉に一度翠を瞬いて、僅かに眉を寄せた]
貴女に如何見込まれていたのか知る心算もないですが。
…厭味も通じないんですか?
[解ってますよ、と聊か大げさに溜息を零して。
ゆるりと、半ば睨みつける様に相手へ視線を向ける。]
――与えられた命はきっちりこなしますよ。
本当なら、貴女と協力だなんて死んでも御免です…と言いたい所ですが。
…何か、聞かされてますか。
[少しだけ開いた扉。
そこからブリジットを覗き込むような形で]
あ…もしかしてお休み中でしたか…?
も、申し訳ありません、起こしてしまったよう……でっ!
[寝ぼけたような印象を受けると勢い良く頭を下げ……ようとして良い音が鳴った。
扉からブリジットが見えるような位置に移動していたために壁際に居たわけで。
そのまま頭を壁にぶつけた]
相変わらずだな。
エーリッヒ=ハイゼンベルク。
[眼を細めた。
椅子の前に回り、腰を下ろして足を組む。]
厭味か。それは互いだろう?
第一、いちいち通じてやっていては面倒だろうに。
[さらりと返した。頬杖を突いて、視線を受ける。
相変わらず、その顔に、感情らしきものは浮かんでいない。相手の事をどう捉えているのかは、不明瞭だ。]
単純な命令だけだ。
「『遊戯』を盛り上げよ」。
それから――連絡は、互いに取る事。
[ある意味では、後者は苦行にだろう。]
[思い出して、探して、逢えて。
とてもうれしくて、うれしくて、うれしくて…離れたくなくて。
もう一度実感したくて、ぎゅっと。]
[うれしいがみちると、忍び込むのはふあん。]
…………。
[思い出したこと、探したこと、逢えたことに夢中で、
すっかり置いてけぼりになっていた、朝聞いた言葉を思い出す。]
[難しい言葉、遠まわしな話しぶり。]
[招待…してもらった記憶はないの、気がついたら”ここ”にいたから。]
[権利、遊戯…参加。存在、発揮、機会。]
…………。
[思い出す言葉の意味を判ろうと、
少女は難しい顔で考え込む。]
[……理解したのは、自分が定められしことから言うと、
ユリアンを勝ち残らせないといけないのだと言うこと。]
…だ…だいじょうぶ、です…。
[ズキズキと痛む箇所を押さえながら、涙目で答えて]
ああ、そうでした。
これをお返しししにきたのです。
[そう言って持っていたハンカチをブリジットへ差し出す]
…それとお話があるのですが、少々よろしいでしょうか?
……。
[あんまり大丈夫に見えないんですけれども。
その台詞は、飲み込んだ。
差し出されたハンカチを受け取り、ああ、と視線を落とした。膝には絆創膏。]
お話、ですか?
ん……と…… どうしようかな。
[異性を部屋に入れるのは抵抗があるのか、返答は鈍い。]
それはどうも。褒め言葉として受け取っておきますよ。
其方もお変わり無いようで。
[相手が眼を細めるのに、如何思ったか僅かに眉を寄せて。
身体を壁へと預けたまま、視線をゆるりと背けて言葉を返す。
命令の内容を聞けば、再び大きく溜息を零した。]
――前者の命令だけで良かったのに。何で。
…まさかとは思いますけど、通信の類は使えるんでしょうね。
わざわざ毎回、貴女と顔を合わせて定期報告だなんて御免ですよ。
[ポケットへと手を突っ込むと、携帯端末を取り出した。
シンプルなストラップと並んだ白金が、チリン、と小さな音を立てる。]
[患部を摩る手を止めて]
出来れば他の方がいらっしゃらない場所でお話したいのですが…。
漆黒なる流星が『遊戯』のために放った二つの流星の欠片の話を。
それと、貴女の決心はついたのか、を。
[含みのある笑みを浮かべる。
先程までの情けなさは影を潜めた]
漆黒なる、流星?
[ぴたりと動きが止まる。
まるで、理解していない――と言ったように。]
……ええと。
何か、勘違い、されていません?
[首を傾げる。
けれど、ともかく部屋先でする話ではないと思ったのか。
躊躇いの後に、中へと促した。]
[洋梨をかじりながら、窓から飛び出した。
そのままゆっくっり、南部へと散歩気分で歩き出す。]
行ってないのは、こっちだよね。
[砂漠へと、向かう。]
―北部―
[幾つか並ぶ硬質な岩の一つへと腰を落ち着けて。
後ろに軽く手を付いて空を仰ぎ見る。下弦の月に、薄く翠を細めて。]
…本当、面倒ですね。
[昨夜には見当たらなかった渋い表情を浮かべ。
ぽつりと零した言葉は、冷えた寒空に白く溶けて、消えた。
ポケットから零れる携帯端末のストラップが
地に転げて、小さくチリンと音を立てる。]
さぁて、ね。
[上の意向は解らない、と言いたげに肩を竦めた。
後の問いを含んだ台詞には、パネルの上に置いていた携帯端末を持ち上げて見せる。じゃらりと鳴る飾りは、煩かったが。]
さてね。
私とて、御免だが。
いちいち「設定」するのは面倒だ。
[五色の玉を、指先で弾いた。
他のマスコットや鈴にぶつかり、また音が立つ。]
それにしても。貴様がこの「遊戯」に呼ばれるとは。
─中央部・廃墟群─
[あの後結局、建物には戻らなかったのか、それとも戻ってまた出てきたのかは、定かではないものの。
廃ビルの一つの屋上付近、鉄骨に両足を引っ掛けた姿勢でぶら下がり。
一人。ぼんやりと逆さまの世界を見つめて]
……ま、取りあえず、ここでやりあうなら、それなりに、と。
しっかし……。
[はふ、と。
零れるのは、欠伸一つ]
さてさて、どっからどーやって先へ行きますか、ねぃ、と。
勘違いなどしておりませんよ。
[中へ促すように扉が開かれると、「失礼致します」と声をかけてから中へ。
扉が閉まるのを確認してから、再びブリジットへと向き直った]
ご存じないはずはないのですけれどね。
貴女はSchwarzes・Meteorに名を連ねていらっしゃるはずですから。
違いますか?
──ブリギッテ=エメト。
[笑みを浮かべたまま、他のものならば知るはずのない組織の登録名を呼ぶ]
…まぁ、連絡を取り合えと言うからには、取れるんでしょう。
通信で取れないのなら、組織の落ち度ですから。
[そこまで律儀に守る筋合いはありませんよ、とけらり笑って。
引っ掛けていた紐を緩めて、端末に繋がった赤の根付鈴を取り外す。
一度掌へ握りこむと、チリ、と小さな音を立てて、
手の中のそれを相手へと放り投げた。]
――嗚呼、呼ばれたのは、義父さんですよ。
俺はその代理なんで。
[紡がれる名がスイッチとなったように、ゆるりと瞬く。
その後に開かれた眼は、冬の如き冷たさを宿していた。]
……さて。
上もまた、面倒な趣向を凝らしてくれたらしい。
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