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イレーネ…そなたとは異なるや…?
嗚呼、私の痛みをやわらげし御方も……
[私の痛みを和らげし者と、今話している少年。
我ら獣の族が姿変えるよに、心が変わるのであろうかと瞳で問う]
…そなたも…そう思われるかの。
なればこそ、私に問うたであろうが。
[返りし言葉に頷いて。
なれど、続く言葉に――瞳は揺れようか]
………知っておられるであらば…どうかお教えいただけまいか?
私は…命が傷付けられるを止めとう思うが故に。
[知らねばならぬと、なれど知るは怖いと*怯えるかのよに*]
[屋根の上、視線を巡らせば中央の塔がはっきりと見えて。そう言えばあそこには近付いたことも無かったか、と思い立つ。しかし単独行動はあまり良く無いと理解しているが故に少し考え]
……少し近付いて戻って来るくらいなら良いよな。
[警戒はしつつ風を纏い、屋敷を取り巻く結界の外へ]
オレも”イレーネ”だけど、
メーア…、えっと、痛みを弱めたイレーネの事ね。
それも、イレーネなんだ。他にも、たくさんイレーネいるよ。
[少しだけ、見た目も変わる。
おねーさんの目が不思議そうに聞いてたから、簡単に説明して。]
うん。でもオレ一人じゃ
考えててもグルグルしそうだったから。聞いてみたの。
[突然ごめんね、と短く謝って。
でも続く言葉にきょとんと瞬いた。少しだけ悩む。
嘘を教えるわけじゃないし、間違っていないのは確かだけど。
でも、――教えても良いこと、なのかな。]
[でも、心配なのは一緒で。その「声」は痛いほど判ったから。
考えるのを、やめた。
さっきも一人で考えてたら判らなくなっちゃったし。
それにやっぱり、皆が連れていかれちゃうのがその所為なら、
オレも止めたいから。]
――うん、
[いいよ。と。 小さく応えを返す。
囁く様に、小さく告げた一人の少女の名は、
吹き抜けた草の香りを纏った風に*消えて*]
[近付いてようやく塔周辺にある外周区画に気付く。エリアと繋がる通路であることから、他のエリアにも繋がっているのだろうか]
なんでぇ、ここ通ってくればこの間結構楽に戻って来れたんじゃねぇの?
[疲労し損かよ、と自分に呆れるように一人ごち。屋敷と中央部の丁度中間点まで来た時だった]
<未確認飛行生命体を感知>
<強制排除開始>
[上空よりいやーな気配。聞こえた合成音に視線を上げると、急降下してくるドロイドの姿]
飛行型のドロイドまで居るなんざ聞いてねぇぞっ!!
[慌てて来た道を引き返す。直角急降下してきたドロイドは、ハインリヒの横を掠め下へと落ちる。しかしすぐに体勢を立て直し、その後を追って来た]
[ドロイドはみーみー言いながらレーザーを発射。後ろを確認しながらどうにかレーザーを回避していく。頬やら脇腹に掠めて行ってはいるが]
でーい、鬱陶しい!!
--Die Mauer des Windes--!
[風を繰り、ドロイドの前に風による壁を作り出す。突如現れたそれにドロイドはその速度を落とすか]
--Der Käfig des Windes--!
[速度を落としたドロイドに畳み掛けるように風を繰る。今度は風による檻を作り出し、ドロイドの周囲を囲った。ドロイドがそこから抜け出そうとしている隙に、屋敷の傍、結界の中へと滑り込む]
うひー、どうなるかと思ったぜ。
/*
退席し易いようにした描写が、うっかりハインリヒ、に!(笑)
完全に失念してた…!orz そうですよねー…
すみません、微妙に聞こえちゃったの確定させた感じで…orz
[屋敷へと戻って来ると、再び屋根の上へ。風を解放し、一息つく]
やれやれ、あのみょーな光が厄介だな。
防ぐ手立てはあるんかねぇ。
[風で止められるだろうか。魔法や物理攻撃の類ならばどうにかなるが、あのようなものには試したことが無い]
まぁ、試してみる価値はあるか。
効果があるならこれからも何とかなるだろうし。
[先程向かった方向へ視線をやれば、風の檻から抜け出たドロイドがこちらに来ようとして結界に阻まれていた。ここに居ればひとまず安全ではあるだろう。倒す方法を考えている時、草の香りを含んだ風がそよいだ]
………あ?
[風に告げられた言葉。呆気に取られたような声を出す]
教師 オトフリートが「時間を進める」を選択しました
教師 オトフリートが「時間を進める」を取り消しました
…んだよそれ、何でそんな話になってんだよ。
何で”アイツ”が機鋼竜に協力してるって話に…。
[風が運んだ言葉。鴉を連れていた少年の名と、彼が誰かに告げたらしい少女の名。それは自分も良く知る人物で]
………。
[彼が本当のことを言っているのかは分からない。しかし精神である彼が心を読み、それを知り得た可能性はある。彼が嘘の情報を流す人物なのか、また嘘をつく必要があるのかまでは分からないが、風が運んだ言葉は俄かには信じられないもので。屋根の上に佇んだまま、深く思考に耽った]
[時空竜の護法陣のおかげで、ハインリヒと交代した見張りは楽なものだった。空に浮かんで散った六芒の星に、相変わらず我が身を省みずに力を使うものだ、とため息を漏らしはしたが]
まあ、この状況じゃ、やめろってのが無理かな。
[永遠の反抗期らしいし、と、呟いて]
[夜が明けてから、またハインリヒと交代し、朝食をとると、少し眠りについた。疲れはしなかったが、力のバランスを取る為の安静は必要だったので]
[だから、小川でびりびりした三人の騒ぎや、精神の竜と天聖の獣の会話も、ハインリヒの動向も知らないまま]
─西部森林・広葉樹の森─
[影と命の親和する森。
『器』の両親、それぞれの属を帯びたその場所はこんな状況でも心地よく。
白梟にじゃれかかる碧の獣の長閑さは、平和そのもの。
……もっとも、それは光鎖の作る、陣の内に限られるのだが]
……あー。
大分、落ち着いたか。
[陣を巡らす当人は、寛げた襟元から胸元を覗き込みつつ、こんな呟きをもらしていたりする]
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