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[壁際から離れて、玄関の方へと足を向ける。
その姿は、制服ではないものの、見慣れたもので]
フユっちじゃん。
どうしたんー。
[背後から声を投げかけた。]
[”すりガラス越しの人影”は消え
フユは、声の掛けられた方へ。]
[滲んだ汗で、額に張り付いた髪をかきあげる。]
ああ、ショウ。
アンタ今度は何してんの
当たりー。
何してんの、んなとこで?
[返答が来たことで自分の認識が間違いでなかったことを知る。相手からは見えないかもしれないが、へらっと笑みを浮かべた。]
あー、んーと。確かあの人だ。ミ…じゃなかった、フユさん。
どーしたんだろ、何か慌てて。
[そういうタイプには見えないのにと、また名前を間違えかけながらも首を捻った。]
[ヒサタカの言葉に一瞬─気付くか気付かないかというほんの一瞬─鋭い眼光を向けるものの、すぐに目線を外し軽く肩を竦めると]
はーい、ごめんなさい。悪気はなかったんですよ
[反省してるんだか反省してないんだかよくわからない答えを返す]
そういえば、詳しいみたいだけど弓道部でもアーチェリー部でも見たことない顔
もしかして、君が噂の天野先輩?
中暑いから、涼んでたー。
[隣からと上から、二つの問いに、纏めて答える。
大きな声は、頭上にもよく届いただろう。
それから、フユへと顔を向けて]
むしろ、そっちのが“何してんの”なんだケド。
フユっちが走んの、珍しー。
ああ、天候事情で遅れているという話の。
もういらっしゃっていたんですね。
[休み前に簡単な情報だけは聞いていて。
タイミングを見計らってもう一度挨拶しておくべきだろうと、ウミとヒサタカの方へ注意を戻した]
あ、お菓子ありませんかー?
[寮母さんにお伺いするも、当然もらえるわけもなく。]
ケチー
[言いながらそこは共用スペース。
なんだか美味しそうなにおいがした。]
うん、そうらしいね。
[ヨウコに相槌を打ちつつ、自分もウミとヒサタカの方に目をむけ。
それからふと、枝に刺さったままの矢を見やる]
……抜いてきた方が……いい、よね、やっぱり。
おや、消えた。
[電子レンジからパスタを取り出して。
再び視線を向けたときには、人影がふらりと消えていた。
フォークを口に咥えたまま、ぼんやりと視線を向けたまま
数秒、固まる。]
……うっわ、コエー。
学校の七不思議・消える白い人影!
[夏っぽいなー!とか、適当に七不思議の一つにカウントして
一人盛り上がり?ながら、再びテーブルへと陣取った。
いっただっきまーす、と手を合わせ、パスタへとフォークを突き刺し
た。]
……おぅ?
[入り口に立つ女子生徒に気付いて、思わず瞬き。]
そうですね。
あのままだと器物損壊の証拠になってしまいます。
[半分冗談半分本気。
直接小言を言わないということは見逃すつもりではあるらしいが]
……だよね。
それに、桜の樹も、痛いだろうし。
[こちらも、冗談とも本気ともつかない口調で言いつつ、再び幹を軽く叩いて手足をかけ]
……せっと!
[掛け声と共に、上の枝へ。登り方が慣れているように見えたのだとしたら、それはきっと、間違ってはいないだろう]
[ウミの鋭い視線には気付いたのかどうか、いずれにせよ表情を変えることはなく]
悪気の有る無しじゃない。
弓を扱う者なら、必ず守らなければいけないことだ。
[強い声音ではない。が、静かにきっぱりと言葉を重ねた]
マコトー?
…誰だっけ。
[珍しい苗字は覚えていても、名前までは記憶にない]
まー、いーや。
[さらりと流した。]
あるよなー、そーいうの。
お化け屋敷でも、白いシーツとかさぁ。
そんな走ったんなら、汗かいたんじゃね?
何か飲むといーぜ、夏の水分不足は大敵ー。
[そんな軽口を叩きつつ、
自分は壁際に置きっ放しの器を取りに、一旦フユから離れる]
おー…こんばん。
…、美味しそうだよ、ねー。
[まだ一口も食べないままフォークが突き刺さっているので
あくまで予測でしか、味の感想はいえない訳だが。
目の前の子の目が何か輝いてる。輝いてる。
すっごく笑顔だ。
何だろう、とかちょっと不安になりながら、
向けられる視線を辿るように、手元のパスタへと視線を落として
…何となく納得した。]
……おなかすいてる?
うん、とってもおいしそうです。
[にっこにこにこにこにこ。
問われた言葉に、少し考えて]
勉強したらおなかすいちゃったけど、ごはんたべたから我慢ですよ!
太ったら駄目だし!
[どこか自分に言い聞かせるようだ。
ぐっとこぶしを握る……
その姿ははっきり言って細すぎるくらいなわけだが。]
/*
一応まあ、常識を言ってるんですがね、この子は、ふつーの学生だから。
(つーか、冗談でも、人に向けて撃っちゃだめだよ、良い子のみんな!(誰))
でもきっとウミさんには事情があったりなかったりするんでしょうねえ。と、中的には理解しておりますよ、と。
とりあえず狼以外とのバトルも見据えないといけないし、みんな仲良しでもつまらないから、いいよね?
[返って来た大声に納得し、それから2人の会話を暫く眺めて。自分も下に降りるつもりで、一旦自室へと引っ込む。
階段を降りて行くと、共有スペースから声が聞こえて来た。]
―自室→共有スペース―
はい、可哀想ですよね。
[今度は少し本気が強いか。
手馴れた様子には軽く目を瞬いて]
…気をつけてくださいね。
これほどの大樹、折ったりしたら…
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