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そうですね、女王があの幻に騙されてくれただけでも僥倖と言うものでしょう。
[小さく同意を返す。
あのような幸運は一回限り。
手持ちの道具にはもう幻を見せるものはなく。
もしも誰かが秘宝の力を探れるのだとしても、それを邪魔することなどできない]
ふぇ?
榛名お姉さん、いないよ?
[ゲルダの声に辺りをきょろきょろするもやっぱり榛名の姿はみえず。
気配がすると聞けば、ここにいなくても近くにいるのかな、と納得した。
喉が渇いたと聞くと、立ち上がって。]
それじゃ、お水、もらってくるね。
[そういって誰かいないかと辺りをきょろきょろ。
黒江からここにいた方がいいといわれると、きょと、として。]
お外、でれないの?
でも私、おうちかえらないと、お姉ちゃんたちが心配、するから。
[黙って出てきたこともあり、早く帰らなきゃという気持ちは強く。
いつまで出れないのかな、と不安そうに黒江を見つめた。]
やはり女王に気配は掴まれていたと見ていいだろうな、これは。
[自分がこの地に着いてから顔を合わせ言葉を交わした数少ない妖精達だけがここに残されたという事実が、それを物語っているとしか思えず]
―夢の中―
[ハイエルフの住む里、自分の母親ももちろんハイエルフであり、
その中で自分は忌み嫌われる存在、ダークエルフに近い容姿をしていた。
自分の父親がダークエルフだったらしく、それを聞いたのは他の誰かからで、母親は自分に何も教えてくれることはなかった]
違う、私はなにも悪いことしようとしてないよ。
私は違うよ。
[里で何か問題がおきれば、まず疑われたのは自分で、
たとえ何も起きていない時でも、自分を見る皆の目は疎むものだった。
そうして自分が泣いている時に、母親はただ何も言わずぎゅっと抱きしめて頭を撫でてくれていた]
―南西・お花畑―
[夢を見ながらそっと目から涙が零れ落ちていく]
違う……私は……何も……
[小さな声で呟き、自分を抱くようにして小さく震えていた]
――となると、私のこともやはり気づかれてるでしょうねえ。
[なにせ幻は水の気配をまとっていたのだから。
名を交わしたものばかりが残っている様子を見れば、この場に居ないイヴァンたちもまた、残っているのだろうと察してため息をついた]
当たらんかったからいいじゃん
それに、その分は逆さ吊りでとんとんということで
あとベッティお馬鹿だから、痛い目見ても忘れるんだもの
まあ、そこに弄り甲斐げふんげふん……ほっとけないんだけどね
[イヴァンの言葉にそう返す
自分の周りを回る焔に僅かに首を傾げるが]
そうだね、とりあえず宴会会場に戻るがいいかな
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