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旅の商人 エーリッヒは、酒場の娘 ローザ を投票先に選びました。
―勝手口から外―
なんとか確かめる方法は―。
[あ、と思い出したのは、力を持つ男のこと。
そうだ、と顔を上げたとき、じゃぱ、と桶から水が溢れる音がした。
見れば、桶は並なみと水を湛えていた]
あちゃぁ…俺ってば人知れぬ努力とか嫌いなんだけどねぇ
[あらあらまあまあと呆れ顔をしながら、桶に手を伸ばす。
少し傾けて水を減らしてから、よいしょ、と持ちあげ、
なんとか、勝手口から台所へ]
[一度、部屋に戻る。
階段あたりで少し躊躇ったが、既に片付いていてほっとしたりした。
服を着るのはすこし遅い。
シャツのボタンに手こずって、指先をあたためるように両手に息をふきかけたり。
着替え終わると、広間に向かう。
エルザの部屋の前と、階段で、十字をきって]
……あ。あの言葉、なんだったんですかね。
[呟いたあと、広間に顔を覗かせる。こっそりと]
天才的でしょう
[冗談のようにいう。無意味な天才だ]
ぁー。だからかそりゃ災難だねエリ兄。ってことは寒い仲間にウェンデルも加わる感じかな
[ヘルミーナのほうをちらっとみながら言った]
村長の息子 フォルカーは、自衛団員 ダーヴィッド を投票先に選びました。
─ 一階・廊下─
─────ぇ。
[こちらを見ぬままの問いのよな言葉。小さく声が漏れる]
違う、って……。
[何を言わんとするかは理解出来た。僅かに走る動揺。隠すように息を吸った]
───……違うって言ったら、信じてくれる?
[問いを以って返す。それは幼馴染の覚悟を確かめるかのよう]
[ユリアンの間延びした返事には、ちらと振り返って一瞥しておいた。
エーリッヒの礼には軽く手を振る。
猫を膝に乗せたまま、幾分暖まってきた手で傍のカップを取り、一口飲んだ。
微かに息を洩らす]
ああ、そろって暖炉で暖まる必要あるな。
ウェンもきっとな。
[ユリアンの言葉に頷いて、手をこすり合わせたり。
まだ体は冷えているのか震えはとまらなかった]
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