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[…カーテンを開き、外の様子を見つめる。
見れば、雪がちらついていて…]
…寒い、かな。
でも、もうそろそろ…ランプも、移しておいた方が良いかな。
[出店が多くなっていたのを思い出し…
自分に割り当てられた場所…とは言っても、店のすぐ近くなのだが、すでに用意は出来ていた。
コートとマフラーを着込むと、ドアを開ける。
ガラスのベルが冷たい風と共に音を運ぶ。
マフラーを鼻の上までずらすと、店の中のランプを出店まで運び始めた]
祭りが終るまで…か
[それで、あの祭りを楽しみ倒そうと言わんばかりの姿だったのか
と、内心一人納得しつつ、手ぶらを問われれば
先ほどパフェの屋台の前で硬直していたのを見透かされたようで
慌てて、ベアトリーチェにもらった綿菓子を見せる。]
……先ほど”ベアトリーチェに貰った”綿菓子だ…
[””の内部を心なしか強調しつつ。
ユリアンの鼠にたこ焼きを上げるリディに答える。]
自分でここまで言っちゃうのが、あたしって事で!
…ユリアンにぃは、毎日参考書と睨めっこしてる様な
あたしって想像できる?
[に、と笑みを向ける。
…返ってくる答えなんて容易に想像出来るのだが]
はい、たこ焼きどうぞー。
落とさないように気をつけてね?
まー肩の上で零しても、汚れちゃうのはユリアンにぃの服だけど。
[たこ焼きの方へ寄ってきたのを見れば、
嬉しそうに、そっと山ネズミへとたこ焼きを持たせる。
後半、少々無責任な言葉が飛んできたが、本人に悪気は無い。多分。
食い意地、との言葉にふいに顔を上げると]
…飼い主とペットは似るって言うよ?
[人間だという少年の名乗りにも少女の夢見るような笑顔は変わらない。まるで、人間のフリをする妖精を見守るように]
そう、ミハエル。
このお祭りを楽しんでくれると嬉しいわ。
[少年の背に合わせるように、少し屈んで片手を差し出す]
どうぞ、よろしく。
[一体何に納得したのか判らず、笑みを浮かべたまま小さく首を傾げながらも
綿菓子を見せられれば、あぁなんだ、と小さく頷いて
ふと、心なしかに強調された言葉にはた、と気づく]
……ベアちゃんから貰った、綿菓子なの?
アーベルにぃが買ったんじゃ無しに?
[お金ないなら貸そうか? と何気に失礼な内容を真顔で問う]
[想像できるか、と言われれば答えは簡単明瞭で]
……できねえっ!
[きっぱり、笑顔で言い切った。
たこ焼きをもらって嬉しげな相棒も、一瞬頷いた……かもしれない]
……ていうか、それってどーゆー意味だ?
[それでも、最後の一言にはちょっと笑顔が引きつったか]
『きゅー』
なんだよ?
『ぺっとちがうー』
……こまけえ事、気にすんなよ。
俺はちゃんと、わーってっから。
[意識に響く相棒のグチには、ほんの少し苦笑めいて]
ほら、ユリアンにぃもそう思ってるじゃん!
[想像通りの答えに、気を悪くした様子も無くくすくすと笑って。
小さな頷きには気付いたのか、小さくその頭を撫でる]
えー?えっとー…判りやすく言うなら
『ユリアンにぃも、このたこ焼き欲しい?』
…かな?
[引きつった笑みに気付きながらも、
臆した様子も無くへらりと笑みを向ける。]
[飼い主とペットは似る…に、鼠とユリアンを見比べ1つ頷く。
が、自分に向けられた言葉に、ユリアンと鼠の相似性どころではなくなる。]
あ…いや……金は、多くはないがある。
[強調したことが、逆に墓穴を掘ったらしく
なんとも歯切れが悪い返答を返す。]
そりゃまー、そうとしか思えねーし。
[くすくすと笑う姿にさせっと返し。
それから、次の問いには何となくかくん、となって]
……ちゃうわいっ!
[思わず大声で主張し、ついでに、頷いてるアーベルにジト目を向けて]
そこも納得してんなっつーの。
[憮然として言う。
話の発端となった相棒はそ知らぬ顔でたこ焼きかじかじ]
[少女の視線に、また、違和感めいたもの。
とは言えども、ユーディットと彼女では“見守る”の意味は異なるのだろうが、どちらにせよ、彼がそれに気付く事はない]
……ああ。
参加する以上は、楽しませて貰う。
[屈まれれば、怪訝そうな表情は、一瞬、むっとしたものに。
差し出された少女の手と、革の手袋の嵌めた自らの手と見比べて。僅かに躊躇いはしたものの、礼儀に欠けると思ったのか]
手袋のまま、失礼。
……宜しく。
[言って、同じように手を差し出す]
[少女は手袋をした少年の手を取って、笑みを深める]
ミハエルは、寒がりさんなのね。それに紳士だわ。
王子様のようね。
[そしてその手を離さぬままに、ゆっくりと広場の中央に向かって歩き出す]
そうよ、せっかくのお祭りですもの、楽しまなければいけないわ。
ミハエルは何が好き?私は、綺麗なものがとても好き。
このランプの灯りは、とても綺麗。妖精の粉の光に似ていると思わない?
[歌うように、さえずるように、少女は言葉を奏でる]
えー?…お金持ってるなら、買えば良いのにー。
…お腹すいてないとか?
[アーベルの返事に、腑に落ちない様子で言葉を返し。
自分はまだ食べ足りないのかきょろりと視線を巡らせる。
そして、きの一番に、目の前のパフェの屋台で視線が止まった]
……おいしそー…。
[ぽつりと呟きながら、ポケットに入れた小銭を確認する。
どうやら買う気の様だ。
…と、力尽きた様子のユリアンに首を傾げる]
え?ユリアンにぃ違うの?
てっきり、「俺も食べたいなー」って事なのかと…。
ほら、飼い主とペットは似るって言うし。
[先ほども言った言葉を再び繰り返して
たこ焼きを頬張る様子には、へらりと笑みを向ける]
[子供は頭を撫でられて、しばらく悩んでいた。
不審……もといアーベルと、
その視線のむく方を見て。
やがてタタタと、意を決して駆け出した。]
えと、パフェください。
イチゴのと、チョコのと、キャラメルのと、バナナの。
[四人分を頼んだ子供だった。]
[憮然とするユリアンに首を傾げ]
いつも肩に乗せている鼠は美味しそうにものを食べる
…俺は、そう言うのはみていて好きだが…
ユリアンはそう言う相棒に似ているのはいやか?
[と、素直にたこ焼きを追いしそうに食べる鼠と見比べる。
明らかにリディとユリアン間の認識とずれがあるが
そんなことに青年は気づくわけもなく]
[ある程度のランプを運び終えた時、ふと、見かけたことのある姿が視界に入った]
…?
[一人で居るようだけど…
一つ瞬きをして、彼女の方を見つめる]
腹は…………
[一仕事終えた後で減っていないわけではなく]
[リディもパフェの屋台に気づき「おいしそう」と呟く言葉に
思わず青年も同意するように頷き、慌てて我にかえると
先ほどまで大人しくしていたベアトリーチェが、
パフェの屋台に向って駆けだしていったところで]
[もしかして、主の姿を見かけていないかな、と淡い期待を抱いて、イレーナへと近づいていく。]
あの…。
[ふと。お仕事の邪魔かもしれないと言いよどんで。
…けれど、少しでも手がかりが欲しくて、口を開く。]
……あの。
ご主人様を…ミハエル様を、見かけてはいないでしょうか…?
それなら自分で買ってくるってーの。
っとに……あと、ヴィントはペットじゃなくて、相棒だって言ってんだろー?
[っとにもう、と呟きつつ。
屋台のパフェに自分もちら、と視線を向ける]
……まあ、確かにあれはうまそーではある。
俺も買うかなー。
[さらり、平然と言ってのける。
相棒はたこ焼き完食して満足げに顔を擦り]
[アーベルの問いに頭を掻いて]
いやま、うーん。
ヴィントは大事な相棒だから、似てる言われるのはいいんだけど。
食い意地が似てると言われるのはさすがにアレな訳で。
[まあ、実際には大食漢ではあるのだが。
なんて言ってるところで、屋台に向かったベアトリーチェに遅れて気づいてやれやれ、と]
……冬は、寒いからな。防寒具を纏うのは当然だ。
それから、僕は王子ではない。
[握手だけだと思っていたが為に、手を取られたまま歩みを進められ、緑眼が見開かれる。しかし少女は意に介した様子もなく、寧ろ楽しそうに広場へと向かって]
好きな、もの?
特に……まあ、綺麗なものは、嫌いではないが。
[彼女が妖精の粉の光と喩えるそれを見遣るも、美しいという以上は思えず]
……そう、言われても、解らない。
[奏でられる言葉とは違い、淡々とした、戸惑いの篭った声]
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