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どうやって、って…こうやって、さ。
[カルロスの腰を掴んで引き寄せると、肩へと担ぎ上げた。
そのまま、膝をかがめて力いっぱい飛び上がり、薄金の羽根を力強く叩いて空へと飛び上がった。]
力には自信、あるんでね…が、ちょっと重いな。
[悪戯っぽく、カルロスに笑いかけた。]
[ロザリンドに一瞬視線を投げ、直に立ち上がった。
ジョエルの強く握られた拳と端的に告げられた内容に、苦虫を噛み潰した顔になる。]
……余計なところだけアイツに似やがって。
[巫女への冒涜とも言える言葉を吐き捨て、一瞬だけ歪んだ顔を見下ろす。]
――手分けして探せ。俺も行く。
いや、お前は長老に指示を仰げ。
[遠くにちらりと見えた、萌黄の翼。方角は、聖殿]
化かさずにきてくれて、どうもありがとう。
知っている。すぐに痛むから、中々食べられない。
私は、食べ物をうらむ事はしないさ。安心してくれ。
[ケイジに言った後、わずかに間をおいて]
来たところ、悪いけれど。ちょっと、外に出てくる。もし、ゆっくりしていきたいのなら、階下の先生に言ってくれればいい。
そうか。
[ロザリーの答えには、そっけない返事を返して、スティーヴを見遣る]
長老への使いは出しました。私もこれから巫女を探しに行きます。
お前にも俺にも言わずとも、長老には何か言ってるかも知れん。
…………人の心を知る、優しい子だからな。
[低く落ち着かせる声で呟き、高台へと駆け上がり空へ向かう。]
……なにやってんだか、この坊やは……。
[水の中でも相変わらず、なネロの様子にため息をつきつつ。
どこか、いつもと違って見えるエリカに歩み寄る]
……エリィ? あんたもどうしたんだい、しっかりおしよ。
エリィ……さん
[様子のおかしいエリカの近くへと駆け寄ろうとし、湖の中にいる見知った赤毛の少年の姿を目が捉えて]
……ネロ?
[少年の名を、きょとんとした顔でつぶやく]
いや、急ごうにも、リディちゃん俺飛べな…って聞いてないんかい、あの暴走娘!
[勢い良く飛び出すリディアに、聞かれないツッコミをいれ。
続いてラスが身を屈めるのに眼を丸く]
って、のうわぁっ!
おおお、おい!重いとかそう言う問題か!?
これすっごいカッコ悪い気がするんだけど!
[暴れて落ちるのは流石に怖いので、口のみで慌てる。
笑いかけられても、ただ戸惑うだけで]
[四枚の羽を使って最高速度で飛ぶ空はただ只管冷たい。だけれど、クローディアの身に何かあったのではないか? と思うだけで、背筋がぞわりと震えた。
そしてわずか1分にも満たない時間の後、広場にいるジョエルとスティーヴ、そしてロザリーの姿を見つけた]
ロザリん! ジョエルん! スティおじさん!
うん、大丈夫大丈夫〜?なにがなにが?
湖はいつも通り冷たいから大丈夫〜♪
[だが視線はエリカよりも、あたりを巡る、ひかる鳥へと注いでいて
そのことを聞けば]
当たらなかった〜。
柔らかいと思ったのに
暖かいと思ったのに
…でも綺麗だし。いっか〜あは
[手をすり抜けていく様子を眺め、今度こそエリカを見て、
やっぱり翼を見て]
金と銀と、紫と白だ〜あはは〜
[エリカ以外の翼の色だけを言って陽気に笑う]
巫女姫殿は結界樹に閉じ込めておきました。
虚の力のお陰ですわね。
まぁ、私が死んだりしない限りは解けることはないでしょう。
[ 飛び立つスティーヴたちを見送りながら答える。]
[スティーヴの残した言葉には目を伏せて、続いて飛び立とうとする寸前に、上空からのリディアの声を聞いた。その後方、ラスとカルロスの姿も遠く目に入る]
[オーフェンの呟きが聞こえて、やっぱり手を振るって、水を散らせながら]
うん。ネロネロ。今日はオーフェンとは初めてじゃないね〜
二回目二回目。でも二回目が初めてだから初めてなのかな〜?
[う〜んと悩むように首をかしげて、動くのをやめると自然に体は沈んでいく]
かっこ悪いより重さのほうが問題だろ。
[飄々と言いながら、リディアの後を追う。
広場に着けば、見た顔をずらりと見て。
抱えていたカルロスを、やや乱暴めにぽいと放りつつそこにいた顔に目を向ける。]
何か、あったのか?
[ またも溜め息を深くつく。]
まぁ、私なんてどうでもいいから早く探された方が。
私はここで待たせていただきます。
長老から何か連絡がありましたら、伝言のお手伝いぐらいは。
[ そう言った時に、上空からまた人が。]
本当に慌しいですわね…。
ロザりんではないと、何回も言っているでしょうリディア。
[ やってきたのは、リディアと。
担いでいる男と、担がれている男。
暫く考えた後――――――、
何も言わないほうがいいと判断して目を逸らした。]
[背後からかけられる、世帯主の声に。
ゆるりと顔を上げ、振り返る。
金糸雀色の瞳が、ゆらり、揺らいだ]
落ちる、のは…… 駄目、だから。
だから、飛ばなければ、飛べなければ、いい……。
[ぽつ、ぽつ、
短く言葉を零していく]
島を束ねる長老は、静かに読んでいた書から顔を上げた。
表情にあるのは、苦悩の色彩。
「……だから、危険だと言ったろうに……」
姿を消す直前に現れた、巫女の姿を思い返しつつ、呟く。
聖殿からの伝令がたどり着いたのは、その直後だったろうか。
それに、すぐに出向く、と伝えて支度を整えるものの。
その足取りは──やはり、軽くはないようで。
たどり着いたなら、皆を集めるようにと指示を出し。
そして、主だった者が集まったなら、苦悩の面持ちのままに語るだろう。
巫女が何をなそうとしたか、そして、その結果がどうなったかを。
……即ち、巫女が結界樹の内に捕らわれたこと。
巫女を解放するためにも、『堕天尸』を捕え──そして、清めなくてはならない事を。
[肉の礼に応える余裕はなかった。]
悪いが話は後だ。
[大きく羽ばたき、二対四翼全ての力で強引に上がる。
ジョエルの答えに萌黄の翼を見、頷いた。]
――わかった。
既に人を割いているなら、自らの思うとおりに動け。
ああ。そうさせてもらう。
[階下に一瞬顔を出す。ケイジのことを話し、茘枝の袋を渡し外に出てくると告げれば、誰に似たのか、ふらふらしてばかり、とぼやくように言う声]
………………。
[肩をすくめて、行って来ると言えばそれ以上の追及はなく。露台に戻る。ケイジがいたなら軽く会釈をした後だろうか、翼を広げ、飛び立った]
……綺麗……
[一時、エリカの近くを舞う淡い金の光に目を奪われ]
うん、初めて、じゃないね。
ネロ、冷たいの……好きなの?……風邪……引いちゃうよ?
っと……
[湖の中へと沈みかけるネロに慌てて手を差し出す]
[会釈をし、カレンが去って行く。
見送った狐は、面の下で笑みを作った。
向かう先は、彼女の行く場所とは違った。]
―→結界樹の方向へ―
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