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─ユリアンの家─
[ゼルギウスの頷きもみとめて>>4:128、知っていると知るも口を直ぐに引き結びそれについては何を言うでもなく]
外す?
[二人が理解している主語が見つからず]
……っ! ユリアン?!
[不意に机に手をついた、辛そうな様子に驚いて服からは手を離して、目を見開き眉を寄せる。]
[その時初めて花に痛みを感じた]
[咄嗟に上から押さえる]
[痛み止めを飲んでいなかったなと頭に浮かぶ]
[それでどうこうなるものではないと分かってもいた]
[ユーディットへの見立ては正しかったらしい]
[後ろめたさの伝わってくる答え方に微笑が浮かんだ]
[むくれ睨み上げてくる姿にごめんと言う]
[その笑みが消えるよりも早くに]
……え?
[ついさっきまで、そこにいたはずの姿は、なくて]
……どして?
[口をつく言葉に答える人は、いなくて]
なんで……いない、の?
[一瞬だけ──花のようなものが見えたのは、幻か否か]
……なんで?
[もう一度、繰り返して。
ぺた、とその場に座り込んだ]
―自宅―
ああ、なんとか。
[すぐに呼吸が整えば、普段の通りに親友に声を返して]
ミハエルも心配かけてすまない。
[手をひらひらと振って、問題ないというようにそちらにも]
糸紡ぎ ユーディットが時計を進めました。
[エーリを過ぎた影は、そのまま何かに触れ、感じたのはレナーテの気配。
少女の声が、聞こえたような気がした]
ああ、伝えるべきか?
─ →道具屋─
[移動中、『憑く』者が何かをしたかもしれないが、今回はそれに気付くこと無く。道具屋を目指し通りを進む]
ついでだから新しい器と布袋も───あれ?
[道具屋に近付いて見えてくる一つの影。見知ったそれが座り込むのを見て慌てて駆け寄った]
ユーディット、どうした!?
[>>0 ユリアンから答えが返るも、矢張り全容が見とれず]
…、…わからない。
二人はわかっているようだがボクにはさっぱりだ。
二人は二人共に説明が足りないのだよ。
[むっ、と引き結んだ口をへの字に曲げた。]
エーリ兄が、大丈夫というのは、
それは、いったい、ど──…
[どういうことだ。と、言い切る前に、ふわ。と、金色の髪が揺れる。]
─道具屋─
[放心したように、先ほどまで人がいたはずの場所を見つめていた所にかけられた、声。
びく、と肩が震えたのは、傍目にわかるほど]
リィ、にい。
[ゆっくりと、顔を上げて、駆け寄ってきたひとを、見て]
……消えちゃった、の。
レテ、にい、が。
[紡いだ言葉は、端的なもの]
―道具屋前―
[瞬く程の間が過ぎる]
[見えたのはユーディットが座り込む姿だった]
……ああ。
[何が起きたかは理解できた]
[少女の視線は自分の上にない]
これは失敗したというか。
本当に突然なのだね。
[届かないと分かっていてもその頭に手を伸ばす]
[触れられないのを確認すると寂しそうに目を伏せた]
[同時に空気の流れのようなものを頬に感じた。
知る事が出来るという事は、死神の力の混ざったものなのか。
それから周囲を見回すと。
気配が増えた気がした。]
………だれか、また、死んだみたい…。
[ウェンデルがまだ近くにいるようだったら、伝えるようにそう悲しげに告げた。]
ああ、良かった。
[エーリッヒの声が聞こえて顔を上げた]
[支えられる者がすぐに来てくれたことに安堵の息を吐く]
…さて。
死後のことなど生きている間は誰も知らないものだけれど。
[状況を確かめようとぐるり周囲を見渡した]
―ユリアン宅―
毎回、それなのか。
[ユリアンの返答に、眉を寄せつつ返す。
ミハエルの問いにはこちらから答えて良いものか、迷うようにユリアンを見。
けれど]
……どうした?
[不意に途切れた言葉に、ミハエルに視線を戻した]
[言葉の追求はそれ以上続かずに、指の力が抜ける。持たせてもらった、水いりのコップが、]
また。……… とぎ…、れた。
[手をすり抜けて落下した。]
─道具屋─
[かけた声に対する反応を見て軽く眉を顰める]
──レナーテが?
また、か……。
[端的に告げる様が痛々しく、傍にしゃがみ込んでいつものようにユーディットの頭に手を伸ばした]
……大丈夫か、ユーディット。
[ショックを受けているだろう様子に、ひとまずそう声をかける。顔には心配げな表情が浮かんでいた]
―自宅―
起きてるときは。
[親友にはそう答えた後に、
レナーテの消える気配、夢にウェンデルのことを見たときと同じように感じたそれ]
ああ、ゼル、ミハエル。
探しにいくぞ。
レナーテを。
[はっきりと、告げる言葉、ミハエルの様子に気付けば]
大丈夫か?
[コップが地面に落ちて、割れ、水が広がる]
―回想―
人生、ほどほどっていうのが一番難しいと思うんだ。
[まじめくさった顔で言い切るのだった。]
っていうか死んだひとがこうやって話しているのが不思議だよね。
僕もだけど。
死んだらこうなるのが普通なのかな。
[そんなことを言いつつも。
ヒカリゴケが普通に食べられるというのに、やっぱり及び腰のままなだ。]
いやその。
あれってひかるものじゃん。
体の中で光りそうっていうか、怖い。
─白雪亭─
[ごそごそと救急箱を探していたが]
あ、あったあった。
[それを持ってイレーネの元に戻る。
そうして、てきぱきとイレーネの怪我の手当をしていたが、]
!? そ、れは…………
[手のことに触れられると、ビクッと手が止まる。
わずか逡巡するが、立ち上がると左手の袖を捲くる。
長めの袖に隠されていた雪割草のしるしを見せると、]
あの時、これが浮かび上がってきたんだ。
痛かった以上に……怖くてね。それで座り込んじゃってたんだ。
[はは、と自嘲気味に笑いながら、自分も手近な椅子に座った。]
―ユリアン宅―
[滑り落ちていくコップ。
青年の立ち位置からでは、それに反応できずに]
……途切れた?
[ただ聞こえた声に、訝しげに眉を顰める]
[あまりにリアルな想像は笑いを誘いすぎる。
実際今も近くにいるのを知ったら、大喜びで撫でろと思ったことだろう。]
笑い死ぬかと思った。
[しばらくして発作をおさめて、真剣に言った。
それからきのこの名を聞き、ゲルダを見て。]
ああ、なるほど!
ゲルダ美人だもんね。
緑色だからかぁ…。
―ユリアン宅―
[そうして次に親友が挙げたのは]
……レナーテ?
[この場にはいない人の名前。
間が空いて、……息を飲む]
まさか。
どれくらい。
見ていられるものなのかな。
[完全に切り離されてしまうのはまだ悲しい]
[残してきた者に未練がないなどとは言えなかった]
…見ていなければいけないものになるのかな。
[自嘲が浮かぶ]
[それからゲルダの言葉に、首を傾げて。]
エーリッヒ?
[刈られないとは何が何なのか。
さっぱりわからないという顔をしていた。
それからゲルダの言葉に、きょとんとして。]
そうなの?
じゃあどこかに行けば会えるのかな。
ええと?
[きょろきょろとあたりを見回してみる。]
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