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ああもぅ、面倒ねぇ。
見られてる可能性あるんだからあんまり手は見せたくないのにぃ。
かと言ってここでやられるのも間抜けよね。
それもこんな各下相手に。
仕方ないわぁ。
[大仰に溜息をつくと、ぐっと意識を集中した]
……っ!!
[やられる。
そう感じたオトフリートが目を瞑った瞬間。
彼の周囲から何かがせり上がり、モンスターとの間に割って入る。
驚いたモンスターが怯むと同時に、せり上がったモノから礫のような何かが飛んだ。
飛び出したそれは四方八方へと、周囲に居たモノ達へと無作為に襲い掛かる。
木にぶつかれば打撃痕が残り、モンスターに当たれば悲鳴があがる。
辛うじて死を免れたモンスターたちは、散り散りに逃げて行った]
[その様子を誰かが見ていたのであれば、せり上がったモノの影から紅い絹糸のような長い髪が見えたかもしれない。
尤も、せり上がった何かが霧散する頃には、その場に居るのは腰を抜かしたオトフリートだけだったが]
―現在・東部→中央部屋敷前―
[ユーディットと競争するように、
最初は走っていたが素足で外を駆けるのが痛かったのか
すぐにその移動手段は翼となり]
ユーディット、足速い速い。
[などときゃっきゃとはしゃいだ様子で。
濡れた状態で風にあたるのは寒かったが、
翼の熱を体内に戻す事で体温を保ちつつ]
とう、ちゃく。
あははははは。
はは…ぜぃ、ぜぃっ……っ。
流石に、息、あがっちゃったなぁ。
ボクもまっだまだ、だね。
[イレーネににっこり笑いつつ、膝に両手をつきながらぜいぜいと息をつく。]
…でも、困ったねぇ。
ボク、着替えって下着しか無いんだよねぇ。
[ずぶぬれのまま、玄関の扉を開けて中に入った。]
[カップが空になった所で、ふらりと部屋を出る。
寝ている間に何か状況が変わったか、と思い、下へと]
……っと……外は、賑やかなんかね。
[階段を下りた所で、玄関の方から感じる気配に口をつくのはこんな言葉]
着替え――。
[顎に人差し指を当て、考える]
私も、ない。
乾かそう、乾かそう。
[地に降り立つと荒い息を吐く彼女に『大丈夫?』と声をかけ。
同じくずぶぬれのまま、後に続く]
ただいま?
大丈夫大丈夫、あはは。
乾かそう乾かそう、広間に何かあったっけ?
[イレーネに笑顔で答えつつ、広間へ向かって歩くと階段を降りたアーベルが目に入れば、手をひら、と振って]
やや、こんにちわっ。
[ぼたぼたと水を落としながら、挨拶。]
11人目、シスター ナターリエ がやってきました。
シスター ナターリエは、共有者 を希望しました(他の人には見えません)。
─朽ち果てた工場跡─
[薄暗い部屋。ここは朽ちて久しい古い工場。]
[役目を失った機械たちが所狭しと並ぶ、その奥。]
[瓦礫の堆く積まれた丘の上。そこに彼女はいた。]
お。よ。
[やって来た二人に、いつものようにひら、と右手を振って挨拶し]
……っていうか、なんてー格好してんだよ、揃いもそろって?
こんな時期に、水泳大会かあ?
[滴る水に、口をつくのは呆れきった一言]
[髪に小さな雫をまだくっつけたまま、
アーベルの姿を見れば無邪気に笑い]
アーベル、アーベル。
おっきな烏賊がいたんだよ。
ユーディットがやっつけたら黒いのを吐いてね、
真っ黒々になっちゃった。
[と、要領を得ない説明をする事だろう]
あはははははは、ちょっと水泳には寒かったよぉ。
暖炉とか無かっけ?
[明るく笑いながら、イレーネの要領を得ない説明にうんうん頷く。]
[ピピピと、静寂を切り裂いて彼女の懐から電子音が鳴り響く。]
[懐から携帯を取り出すと、ぼぅと液晶の明かりが辺りを照らす。]
[着信ボタンを押し、スピーカーに耳を近づける。]
[液晶が照らすのは、絹のような金糸の髪。]
……ご用件は?
[スピーカーからの声に耳を傾けていたが、口元を歪ませると]
……任務了解。お金はいつものところに。
いや、おっきな烏賊ってな。
[無邪気に笑うイレーネの言葉に、やれやれ、とため息一つ]
それはいいから、その服。なんとかするのが先だろ?
風邪引いたら、どーする。
[口調は呆れているものの、表情は穏やかで]
……いや、だから何で烏賊?
って……広間になんか、暖房関係あったっけ?
[ユーディットには突っ込みつつ、問いには首を傾げる。
その辺り、良くは覚えていないらしい]
―西部・木立―
[必要以上に精神が昂ぶっているのは昨夜から自覚していた。このままでは良くない。そう思えばこそ人の集まる場所から離れた。
特に目標も決めず歩いた先には緑の広がるエリアがあった。物珍しそうに奥へと進み、目に付いた木の上で休んでいたのだが]
何…?
[突然の気配の乱入。走る足音。上がった悲鳴。
軽く眉を顰めると、気配を隠しながら様子を窺う為に近付いた]
[ピッと電話を切ると、顔に嘲りの色を浮かべ]
……御馬鹿なお人どもや。そないに地位なんてもんが大事かいな。
まあかまへん。すべては『終わり』のために。
[そう呟くと、彼女は廃工場をあとにした。]
あ――。
[と、不意に何かを思い出したように声をあげる]
烏賊、持って帰ってくれば良かった。
そしたら、食べれたのに――。
[服の事を言われ、こくこく頷く。
元より、暖房があっても翼の問題でそれに近寄る事は嫌いで。
今回も乾かす対象は服のみであって]
無くても、広間はあったかいよねっ。
[パターン、と広間の扉を開く。
腰の後ろ、黒い銃はワンピースのポケットに落としてリボンを解くと、白いエプロンをふわりと腕から剥ぎ取り、上に持ちあげてくるくると回った。]
早く乾いてくれないかなーぁ。
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