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はい、こんにちは。
[深いお辞儀に、穏やかな挨拶でこたえて]
……もしかして、脅かしちまったかな?
[だったらごめんね、と笑いつつ。
ふと、視界の隅を掠めた影に、一つ、瞬き]
今の……。
[アーヴァインさんだったような、と。口の中で小さく、呟く]
そうですねえ。一度楽しんで頂ければ、サーカスの効用も判って頂けると思うのですが。
そうそう、今日は軽業と空中ブランコのショーがあるんですよ。
魔術の実演は明日からの予定です。
一番の売り物なので、週末にお披露目するってわけです。
はい、こんにちは。──、
[ふと、女性の後ろに薄ら影が見えた気がして、緩く瞬いた。
慌てて、再び──今度は女性の後ろへ向けて、軽く頭を下げる。
確かに、見える人には女性の周囲に「居る」とは耳にしていた。
それでもどれだけ目を凝らしたって、今までは見えていなかったのに。
近しい存在、だった事があるからだろうか。
それにしたって、もしサーカスが来た影響なのならば、
──考えて、少しだけ眉を寄せた。]
いえ、昨日、少し行っただけでも十分満足です。
私は、診療所のお手伝いは楽しいですし。
サーカスは、小さい頃に言った事がありますから。
[行かなくても、結構平気です。
女性の続く言葉に、へらりと笑みを浮かべながら答える。
…小さい頃に行ったのは、本当。
問題はそれからだけれども、それまで告げる必要もないだろうし。]
可愛い、ですか。
何とも――似合わない。
[くすりと笑う声。]
御期待に添うよう、尽力致しましょう。
尤も、働くのはワタシではなく“ラッセル”ですが――
[顔を上げて、ふるふると首を振る。
小さな呟きは聞こえなかったけれど、
どうかしたのかと思ってそちらを見て、]
……?
[少女の視線の高さでは、
影は見つからなかったらしい。
代わりに、足下で鳴く猫へと視線が落ちた。]
[エレノアの選んだ扇子を見て、さすがにいいモノを選びますわね、とつぶやきながら丁寧に包装し、ニーナとエレノアの会話に笑みを浮かべる。]
……笑うの、ひどいの。
[頬を膨らませないようにするのが大変で。
視線を下に向けていてよかったと思う]
えっと、
サーカスの広場の近く。
昨日のひとは、招待状、くれたひと。
久しぶりだったんだから、楽しんじゃえばいいと思いますよ。
まるで、遠足の前日みたいにわくわくしても仕方ないです。
[レベッカの頷きに、くすくすと笑みを零して。
続く問いに、少しだけ慌てたようにふるふると首を横に振った]
──え、…え?大丈夫、ですよ?元気です。
疲れてません。本当。誰も疲れてません。
[無駄に繰り返すのが微妙に怪しい。
が、確かに元気だし、疲れてはいない。…多分。]
[確かめる間もなく、人影は見えなくなった。
正確には、人だかりに紛れてしまった、と言うべきかもしれないが]
あの人が遊びに来るとは思えんし……見回り、かな?
[ご苦労なことで、と呟く。
一方、少女に視線を向けられた黒猫は挨拶するように尾を揺らしつつ。
じい、と少女と熊とを見つめて]
あ。
そうだ。
[暫く黒猫とにらめっこしていたけれど、
ようやっと思い出して、顔を上げ。]
えと、……お礼、昨日の。
[そう言って、
小さな掌に取り取りのビーンズを乗せて、
好きなのをどうぞと言わんばかりに差し出す。]
[ニーナに挨拶をされると、婦人のほうは嬉しそうに笑う。
少女はそれを見て取るとニーナの近くへ歩み寄り、
彼女の眉間をつん、とつついてほほ笑みかけた。]
こら、シャーロット、いたずらはだめよ。
――そう、子どものころに……。
サーカスがこの町に来たことって、あったかしら…?
[彼女の言葉に小さく首をひねり]
お仕事が大切な看護婦さん。とてもすてきね。
?
[一緒にいるのが駄目なのだろうか。
少年と青年の間に何があったかなんて知らなくて、
知っていても仲の好い行動としか思わないだろうけれど]
うん、
……だいじょうぶ、
きっと逢えるよ。
逢えたもの。
包まなくていいわ、すぐに使うの。
[気に入ったらしい扇子をレベッカに渡し、
さらさらと勘定書きにサインをしていれば、娘が彼女を呼んで]
なあに?
[白い扇子の隣にあった、黒い扇子。
紫檀に黒のレース。縁取りは紫紺。]
黒のものは、嫌い。
それは欲しくないわ、シャロ。
一度行ってみれば、案外――
いや、如何かな。
[何時ものしかめっ面しか思い浮かばなかったのか、小さく首を傾げる。]
空中ブランコ、ってあの高い・・・
サーカスの人達って凄いですよね。怖くないんでしょうか。
成程、週末なら人も集まりやすいかも知れませんね。
コーネリアスさんは、何かされるんですか?
あら、そうですか?
なら。
[いってはさみで丁寧に値札を切って手渡す。
娘とのやりとりには、わからないままにも笑みを崩さずに様子を見守った。]
え……お礼って……。
[言われた言葉に、ほんの一瞬、きょとり、とするものの、すぐに昨日の事に思い至り]
……ありがとう、じゃあ、一ついただくよ。
[言いつつ、色彩の中から青を選び取って、にこり、と笑う]
そういや昨日、大丈夫だったかな。
帰り遅くなって、心配されてなかった?
[それから、ふと気になった事を問いかけて]
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