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[カルロスの言葉には、苦笑をもらして。]
口説くとか、俺得意じゃないからなぁ。
[そんな気があったわけじゃないし、と後ろ頭を掻いた。]
……蜂は花を摘まずに吸えるから、私は違う。
蝶も同じ――けれど、蝶は夢見鳥と呼ばれるそう。
[いつもの口上も些か頼りなく、
後のことばに、こくりと、一度]
…………ごめんなさい。
[昨晩と似て、異なる謝罪を口にした]
/*
綴り間違えた!
hishouさんでした。
エリカ、そうだよね?
アヤメはたすくさんで間違いないし…
後はわかんない…!!
スティーヴがちぇしゃさん?
ろざりーだれーー!?
*/
[用事を済ませて、聖殿の外に出てくると、翼胞から羽を出す]
―――……
[闇の中、わずかな銀に光る翼を震わせると、*静かに広場を飛び立ち、施療所へ帰った*]
[結局、そのまま広場にごろりと横になった眠ってしまったため、広場を行きかった人々のこと等気づくはずもなく、それなりの時間が経過した後で、ようやく...は目を覚ました]
ん……くわぁぁぁ……。
[大きな欠伸を隠そうともせず、数秒もの間大口を開けてから、目の端に浮かんだ涙を手の甲で拭い変な場所で寝てしまったために痛くなった背筋を伸ばした]
アタタタタタ……。
[ごきごきと骨が軋む音を聞きながら、それでも調子を取り戻していく体が気持ちよくて、満足げな表情を浮かべた]
−一方−
[辿り着いた、島の護り木のもと。
ひかりの鳥は尚も追って来る紫紺に戸惑いながらも、
何かを探すように、くるりと大きく辺りを周る。
けれども何も見つけられなかったか、
湖上で羽ばたきは止め、ひかりは*水の中に沈んだ*]
[心配そうに問われ、2、3度瞬くも、ふと笑みを見せる。
強がりであろうと、心配させようと]
大丈夫、大丈夫…。すぐに治まるよ。
謝らなくても良いしね。
俺も、昨日見たし。
さって、そろそろ戻らないと……。オーフェンもお腹すかせてるんだろうなぁ。
[そう呟き、飛び立とうとした時、唐突に手に雫が落ちた。
何事かと思い雫に触れようとすると、続けて雫は手に、地面に黒い染みを作り上げていく。そこでようやく...は泣いていると気づいた]
あ〜、だめだなぁ……。折角オーフェンの前じゃ頑張って我慢していたのに。
[幼い頃、両親を失った時。
己が祖母に引き取られた後の姿が彼と重なっていた。本人がそこにいないからこそ、喪失した存在の大きさを間近に実感した。
どれだけ拭っても流れる事を止めない涙を落ち着かせるため、...は普段は人気のない場所――結界樹付近の森へと飛び立った]
[ふるる、
小さくかぶりを振る]
……私は、別に、いい。見られても。
[僅かに眉を寄せたままに、目を逸らす。
壁に背を預ける男へと辿り着いた眼差しは、縋るよう]
― 朝・自宅 ―
[けだるさの中、目を覚ます。翼胞にたたまれた翼がやや重く感じられる。昨日カレンに貰った林檎を齧ると、口の中に甘さが広がった。水桶からコップに水を入れ、もらった薬を一つ飲んだ後、ふらりと外へ出る]
ねえ、婆様……
半端者の僕にも、できること……あるの、かな?
[老女の墓標に祈りを捧げると、水を汲みに小川へと向かう。水面に映る自分の姿を見つめた後、ごろりと寝転ぶ]
……後で、野生の林檎……採りに、行こうかな
[手近な草を毟り口に当てると、草笛を吹きはじめる]
[さりげなくその位置をずらすラスに、視線で軽く礼をする。
こう言う気配りが出来て、口説く気が無いと、]
(いいひと、で、終わりそうだよな…)
[凄く失礼な発想をした]
−結界樹−
[上空からひかりが水中に沈むのを見届ける。]
………ただの鳥ではなかった様だな。
結界樹を害するものでなければいいが。
[低く呟き、結界樹の張り出した根に舞い降りる。
水の中に目を凝らすが、その目が光を見つける事はなかった。
紫紺の翼が起こす風で深紫の羽毛が水面に落ち、波紋を作る。
四翼を広げ均衡を取り、太い指を伸ばし小さな羽毛を摘んだ。]
……………アヤメか。
あれもまた不憫なヤツだ。親御さんも心配だろうがな。
[四翼を隠して生きる娘に溜息を吐く。
詳しい理由は知らない。だが紫星の術に長けた親御さんの命かもしれんと、今まで問う事はなかった。]
―聖殿―
[アヤメの言葉は聞こえていたが、結局昨夜も寝ずに過ごした。訪れたスティーヴにも、叱責をこめた忠告を受け、返す言葉もなく顔を伏せる]
…しばらく休む。異変があれば、すぐに知らせを。
[スティーヴが立ち去った後、居合わせた世話係にそう告げると「それが一番」と諸手を上げて送り出された]
[縋る様な目を向けられれば、思わず壁から背を離して少し前傾姿勢を取る。
首を傾けて、少し肩を竦めてその顔を覗き込むようにして]
どうした?
[妹へと語る様に優しい声色を作って言いながら、洞窟の外へと目をやると、何かが陽をさえぎって影を作るのが見えただろうか?
カルロスの失礼な思惑には気がつかなかったが、一瞬ぺちと叩きたくなったのは何故だろう。]
[ばさりと羽ばたく音すら耳障りに感じながら、...は結界樹の近くの森に降りた。
そこに、彼女がいつも一人になりたい時に使っている木の虚があった。ちょうど人一人がすっぽりと中に入れる程度の大きさで、普段は能天気な彼女である事を維持するために、いつも何かあればそこで塞ぎこんでいる事があった]
んと、誰もいないよね?
[そういいながら周囲を見回した時、ふとナニカを感じて...は動きを止めた]
これは……人の気配、かな?
[そう言葉を口にすると、涙を流しながらも、好奇心が本能を上回った]
あっちには……何があったっけ?
[洞窟や湖があることなど、...は知る由もない]
[もう一度、今度は大きく、
ゆっくりと左右に首を振る]
……どうしたらいいのか、わからない。
[彼らの思考にも外の気配にも、
気づくことはなく、小さく呟く。
手にした紅花が、引き結んだ朱唇を隠す]
[親とは別に住む自宅は聖殿のある広場に近い。わざわざ飛ぶほどの距離ではなかったし、寝不足の身では急がぬが吉との自覚もあった。途中、巫女の様子を尋ねる人に出逢えば「心配ない」と答え、堕天尸の存在に懸念を示す声を聞くと「巫女の言葉を信じて待て」と告げる]
…あぁ、カルロスか?
何も…出来ないみたいだから…時間が痛みを癒すのを待つだけみたいだから。意識飛ばすような事あったらと思って俺はここに居る。
あぁ…あんたなら、膝でも貸してやれば喜ぶかもしれないけどな?
[悪戯ぽく笑いながら、彼女がカルロスの心配をしているのだと思って言葉を紡ぐ。
ふと外にまた気配を感じた気がして、首を伸ばして覗いてみた。]
― 自室 ―
[ ベッドの上で目を覚ます。
開いた目がいつもの天井を捉えたことにひどく安心した。]
……こんなことに不安になるなんて馬鹿らしいですね。
[ 左目を掌で包み、深い溜め息をつく。
何れ、左目は視力を失うと言われている。
こうして微かな光を取り込むことに安堵する。]
はて…虚は…。
何故、私に力を貸してくださるのでしょうね。
………それを聞くのもまた滑稽でしょうか。
[ 部屋の隅、闇が蠢いたように見えた。]
…見ても、良かったか…でも、まあ…おあいこ、かな。
[エリカの視線の先、ラスが居て、どうしたことか成り行きを見守る。
まさか口説く筈はないだろうなどと思いつつ]
何も出来ないとは、酷いな。
…おいこら、ちょうど良いからと膝枕頼んでどうする。
[憮然とした表情。実際はかなり期待する気持ちもあるのだが]
[小さな羽毛を指先で揺らしながら、その両親を思い出す。
紫星に生まれながら術とは相性が悪かったかつての少年に、術にこだわって生きずともいいと言ってくれた旅人の夫妻。
結果的に家を出る事になったが、今でも後悔はしていない。]
『………いや、一度だけあったがな。』
[―――親友を亡くした時だ。あの時ばかりは術を仕えない己を深く悔いた。使えても助けられたかは判らないが。
それでも恩に思う気持ちに変わりはなく。その遺児を気に掛けていた。引き取る事も口にしたが、男手ひとつで女児を育てるのは難しいと養老院の先生に止められたのはもう一昔以上前の事。]
[途中で、飛び立っていくリディアの姿を見かけた。昨夜、自分の戻る前に巫女を尋ねて来たのだという話は聞いていたので、一晩をそこで過ごしたのかと、目を見張る]
追い返された、と言っていたな…
[血は遠いとはいえ親族と判っていれば、とも思ったが当人がそれを知らぬのであれば是非もない。後を追って話すほどのことでもなかろうと、ただ見送った]
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