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―寮・自室―
[昼間にも目を覚ましはしたのだが。
どうにもだるさが先に立ってそのまま起きる気になれなかった]
『ちから、たりないよ』
[微かに残る違和感、そして疲労]
ああ、食事もしないと。
[呟いた時には既に、再び暗くなった後で]
皐月さんに怒ら…れない、のよね。
[溜息混じりに呟く]
……それは……そうだけど。
[既に、そういう問題じゃない、と。
言っていいものかどうかの逡巡。
……告げた方がよいというのは、現実を見せた方がよいというのは、『わかって』いて。
壊れた心。
それは無垢であるが故に、魔を呼び込みやすい、という側面もあると、『知って』いるから]
いや……俺は、どうもしない……よ。
/中/
ふみゅり(' ' )
完全融合型ではないのかな?
まあ、憑魔は異形種以上にあばうと存在だから、どーとでも解釈できるんだけどねー(人はそれをいい加減設定と言う/まて。
なんだか、へんな、かがみせんぱい
[おかしいのは彼女だというのに、本人にはわからない。]
あ、ごはん食べに行きませんか?
おにいちゃんに怒られちゃう
[後ろ手に扉を閉めて]
一緒に居るんだもの。
『ずっと一緒に』
寂しくなんか無い。
[身支度を整えながらポツリポツリと呟く。
机の上に置かれた携帯電話を手に取る。
もちろん表示は圏外のままで]
本当に隔離しているのね。
『逃がさないよ』
そう、ずっと一緒にいたいもの。
おかしい……か。
[そうだね、と。小さく呟いて]
……何もかも、おかしくなり始めてるのは、確かな事だから。
[静かな言葉は、正しく届かない可能性も高いけれど、それでも、こう言って]
ご飯……か。
でも、きっと自分で作らないとならないだろうね……。
[後ろ手に閉められた扉に、一瞬だけ視線を向ける。
中には、人の気配は感じられなかった]
/中/
(ぽむり/中のねこはなんか納得したっぽい。
……ええとー……ツバキに近いですね、かなり。
や、あれは単一への執着だが。
なにもかも?
[不思議そうに首を傾げる。
彼女がいると思っている部屋の中には、ベッドの上には、義兄の姿が本当はない。
告げられた言葉に、首をかしげて]
ええと、ごはんって自分で作ってましたっけ?
あれ、誰か……?
そういえば誰に怒られるんだろう?
[何かがわからなくて、だけれど 深く考える事はしたくなくて]
まあ、いっかぁ。
せんぱい、一緒にいきますかー?
………残っているのは、10人だけか。
[生き残っているのは、と…口にしなかったのは、その事実を正面から受け止めるには、まだ躊躇いがあるからか]
[落ちかけていた濡れタオルを外して、
肩の布で目元に残る滴を拭う。
腫れは多少、引いているようだった。
仔犬は置いていくかどうか一瞬迷って、
やはり、連れて行く事にした。]
あんまり、吼えたりするなよー?
[言葉はしっかり届いたらしく、
ショウを見上げる仔犬は口を動かすも声はなく、
代わりに頭を上下に揺らした。
扉を開いて、廊下に出る。]
そう、何もかも……ね。
[言いつつ、目を伏せる。
言葉を交わせば交わしただけ、壊れている事が感じられて。
……いっそ、自分もこんな風に壊れてしまえば楽なのだろう、と。
ふと、そんな風にも思えるけれど]
『……それじゃ、コトネが浮かばれないもんな……』
[そんな考えがそれを押し止めて。無意識の内に、ポケットの中の携帯と鈴を握り締める]
……作ってくれるひとは、多分、もう、いないから。
うん……俺も行く。食欲はほとんどないんだけど、ね。
[フユはゆっくりと数歩、校舎から離れ
重みで枝が落ち掛かるかと思わせる程見事に花を咲かせた巨大な桜の根元から頂上までが望めるあたりで立ち止まり、咲き誇る花を見つめた。]
[開いたフユの掌から、握り潰された花びらが
風に乗らずに地に落ちた。]
?
[不思議な顔をして、マコトを見る。]
たべないと、体がうごきませんよー?
そうしたら……
[どうなるのかなと、よくわからずに口をつぐんだ]
そうなんですかー
[自分のわからない色々なことは、決して追求せずに。
それはどこか防衛本能でもあるのだろうか。]
[視界の正面にある桜の木、その花弁が風に躍る様を、見るともなしに眺めていると、見覚えのある女生徒の姿を見つける]
………
[彼女が桜の木に近付いていくのを、知らず知らず目で追った]
[時刻は食事に適した頃だったが肉体的な空腹は感じない。
そもそも榎本芙由は大食らいでは無かったし、ここ最近は夏バテだろうか、食欲自体も落ちていた。]
[視線を上にあげ、枝の上を見上げている。]
動けなくなるのは、困るなあ。
[何にもできなくなるし、と。どうにか、冗談めかした響きは織り成せたか。
こちらの言葉を追求しない様子には、僅か、眉を寄せて]
それじゃ、行こうか、食堂。
[ここにいても仕方ない、とこう促して歩き出し]
……あ……そう言えば。
―寮内―
[そういえば皐月と響子の身体が消えたことは確認していない。
頭から浴びたはずの返り血が、いつの間にか消えていたから、おそらく同じように消えたのだろうと思っただけで]
見ておくべきよね。
[まずは浴室へ向かい、それから皐月の私室へと。
勿論どちらにもその身体は残されていなくて]
やっぱりない。
[そういうと、座り込んで窓の外をぼんやりと*見た*]
うん、こまりますよー
せんぱいは、ええと、剣道とかでしたっけー?
[首を傾げる。日常の会話]
うん、いきましょう!
……どうかしましたー?
[歩き出した彼についていって、何かを思い出したような言葉を聞く。
何かあったのかな?と、尋ねたのは、当然のことだろう]
死したるものの血を吸いその花を咲かせ、
躯を自然に帰す。
一方は憑魔のちからで
もう一方は司の。
本来、どちらも分たれるべきものではなく
ひとというものの、幾つかの側面が剥離してしまった
ものなのだろうな。
おれはそう思っている。
[桜花からそれに返る言葉は無い。]
だから、憑魔を滅さんとする
あいつらのやり方は間違っているのさ。
現におれたちは反目しあいながら
……それは、互いが対極に位置するものだから
仕方の無いこと
だがその一方で
こうして惹かれあいこの地に……
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