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そう、いつも。
動こうとすれば、何かに絡めとられる。
……逃げることも、できしやしないんだ。
[ふ、と息を吐く。口元には、僅か、自嘲の笑み]
[ベアトリーチェの論理的な言葉に、苦笑を浮かべ]
……いや、これでも俺としてはいい方なんだけど。
外……わからないが。
何かあったのは間違いないと思う……。
[見に行く体力はあるか否か。ある、と言えない身体が、微妙に恨めしく]
…あなたは恐れているのね…また、誰かがあなたを置いていくのでは無いか、と…
[だけどそれは自分にはどうすることも出来なくて。
また、窓の外に目を向けてそっと歌いだす。
少しでも、安らげるように、と]
Amazing Grace! How sweet the sound
That saved a wretch like me!
I once was lost, but now am found;
Was blind, but now I see.
'Twas grace that taught my heart to fear,
And Grace my fears relieved;
How precious did that grace appear,
The hour I first believed……
Through many dangers, toils and snares,
I have already come;
'Tis grace hath brought me safe thus far,
And grace will lead me home.
The Lord has promised good to me,
His Word my hope secures;
He will my Shield and Portion be,
As long as life endures.
Yea, when this flesh and heart shall fail,
And mortal life shall cease,
I shall possess, within the veil,
A life of joy and peace.
The earth shall soon dissolve like snow,
The sun forbear to shine;
But God, Who called me here below,
Shall be forever mine.
…システムに飲まれちまった…そういうことか。
[額を押さえて、数度頭を振った。
怖い。
己の感情が、何処まで本当に自分のモノなのか、全く自信がもてない。
コレすらも全て…望みのまま、に?]
When we've been there ten thousand years,
Bright shining as the sun,
We've no less days to sing God's praise,
Than when we'd first begun.
表の続き。
結構長い歌だった…(途中までしか知らなかった人)
そういう事……なんだろうな。
[エルザの言葉に小さく呟いて。
紡がれる、静かな歌に気を鎮めようと。
それでも、先ほど聞こえた声の招いたざわめきは、消えそうになくて]
……私を、嫌っても……いい、よ………
[慣れているから、と呟いて]
でも、……外は…、寒い…から………
………中に、入って?
…きっと、エーリッヒや………ベアトリーチェも、いる、から…
[その場から動かずに――動けずに]
[先程の狼のものなのか]
[遠吠えが一つ、二つ、三つと増えていく]
[寒さも夜が深まるにつれて強くなってきた]
[ブリジットはエルザの歌声がどこからか聞こえてきたので、目の前にイレーネがいる事も半分忘れて周りを見回した]
[物心付いたとき、すでに父はいなかった。
遠い村で事件に巻き込まれて死んだのだと母に聞いた]
[その母は8歳のときに死んだ。
女手ひとつで自分を育てた負担からだったのか。
村人が気付いたときにはすでに手遅れだった]
[母が息を引き取る間際、ひとつの木を渡された。
真っ赤に染まっている木には幾つもの花が彫り込まれ、継ぎ目があった]
『誰かを護る為にしか使えないわ』
[この木が父の形見だと言った後、母はそう付け足した]
『護りなさい。貴方の力の限りに』
[それが、最期の言葉だった]
[少女はまじまじとエーリッヒを見る]
それで「調子がいい」のか……。
まあ、あたしがどうこう言っても詮無きことだな。
貴方には他に心配してくれる人がいるのだから。
誰が外にいるの……
[質問しようとしていたが、少女はエルザの歌声に口を閉ざす。そして静かに目を閉じる]
[機械犬は白猫にじゃれついて嫌がられている]
―居間・暖炉前―
[思考の中から、いつの間にか眠りの内に落ちていた]
[引き戻したのはエルザの歌声。
聞き覚えのある――確かそれは11年前に聞いた――歌]
……んぁ?
[零れた声は随分間抜けだった]
[心配する人がいる、と言われれば、やはり浮かぶのは苦笑で]
……その、『心配をする』連中は、俺も心配なんだよな。
[だから、と呟き。
後で何を言われるのかは、覚悟の上で]
……いよっ、と!
[唐突に窓枠によじ登り、外へと飛び出した。
どこが病人なんだと突っ込まれれば、多分、笑顔になったはず]
/中/
あ、さっきの回想独り言文章不足発見。
木の説明…まぁいっか。
表で話せるときがあるだろ。
つって今日死んだらちょうせつない(笑)
[着地は無事、成功。
発作さえ起きなければ、身体能力は人並みにある。
外に出れば、感じるのは、獣の気配]
……御丁寧に……同じ、状況かよ。
[苛立ちを込めて吐き捨てつつ、声の聞こえた方へ、ゆっくりと歩いて行く]
─…→集会場・裏─
[ぱさり、と窓辺に雪の落ちる音。
伏せていた目をようやく上げ、席を立つ。]
…夜分遅くお邪魔しました。
こんな時間までつき合わせてしまってすいません。
[老人の目を見れぬまま、形式的な挨拶を述べ…部屋を出て行く。]
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