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分からないというのならば、
こうして、確かめるしかない。
[睨みつける金の瞳には、アーベルの姿は映っていない。
ただ。己が絶対と信じるものが在るのみ]
違うかもしれないって。
ナターリエは、本当にそんな風に思える?
[普段と異なる響きに、問いを返す。
酷な質問だと理解してなお、口は動いた]
うん。あたしも、確かめたい。
だから、行く。
[ナターリエに庇われながらも、更に歩みを進めて階段を降りていく]
[脇をすり抜けていく子供。
疑っている相手。だが]
危ない。
[エーファの方へ更に一歩。
告げられた宣告に、再び疑惑の元である青年を見た]
……家主殿。
[やって来た気配に、視線は刹那、そちらへ。
そこに響く、花を宿すものたちの言葉。
ぎ、と唇をかんだ後、暗き翠は、そちらを見据える。
迷いは、ない。
己が力で見定める事に]
[ゲルダの返答にはくしゃりと頭を撫でて]
だからって汚く染まる必要はない。
[そう応えた。
廊下の先では、
ウェンデルの朱花を宿した手がアーベルを捕まえていて、
逆手にもたれた万年筆]
おいっ!ウェンデルっ!
[その名を呼び駆け寄る、
その声は相手に届いたであろうか?
騒ぎを聞きつけ団員がこちらに向かってくる気配が感じられた]
[無意識に、反対の手に握ったままだった毛玉は、ポケットの中に入れた。]
ああ。分かった。
[マテウスにこくと、そこだけは強く、頷くのは守る者故か。
ゲルダの問いに、緩く首を振る。声にせずとも、思いは伝わっただろう。否と。
同じような思いを抱いたまま。
ゲルダを庇いながら、足元に注意し階段を降りる。]
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