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おや、じゃあ危なく行き違うとこだったか。
いいのいいの、気にしない。
旦那には、チビの頃から世話になってるしねぇ。
[礼の言葉に笑いながら、鞄を下ろして手渡す]
……お茶?
ん……まあ、アタシも一仕事して喉渇いてるし……せっかくだから、相伴しようかね。
[茶の誘いには一瞬戸惑うものの。
聞きたい事、との言葉に、頷きながら軽く、返した]
[人好きのしそうな青年の顔を見ながら話を聞いている。スティーヴの名が出れば一瞬眉を顰め、最後の一言を聞くと]
みんな、平等に、大事……?
[目をぱちくりと瞬き、しばらく考えた後]
……よく、わからないや。
知ってるひとも、知らない人も、みんな、一緒……?
いや、半分は私のせいだ。気にするな。
結界樹に巫女が封じられた話は、昨晩長老がしたはずだが。
そういえば、君は少し様子がおかしかったな。昨夜から具合が悪かったのか?
うん、そう。難しいかな。
んー…たとえばさ、俺が知らない人でも、その人を知っている人にとってはきっと大事。
だから、価値…ってのは、基本的に一緒なんじゃないかな。
[考える様子には、更に目を細くして微笑む。]
まぁ、「巫女」さんだの「守護天将」だの力があるって人はそれだけで他の人よりも価値がある、ていう考えもあるけど。
基本は、そうなんじゃないかな。
[ 2人の所を離れて羽根を大きく動かす。]
――――――…。
[ 視界がブレる。
左目が痛くて掌で覆う。]
…おや、あれはケイジ様でしょうか?
[ その姿を確認するも声をかけることは憚られて。
首を傾けながら暫く見た後、また移動する。
羽根を休みようと降り立った先に赤髪の少年を見つけた。]
こんにちは、ネロ殿。
今日もお元気そうですね。
[ 彼の足元には散る花弁がある。]
そう、
知っているのなら、いい。
[もう一度 手に力を入れて、
寝台の上に、正面を向いて座り直す]
……少し、“繋ぐ”時間が長かっただけ、
と言っても、わかりづらいだろうから……
力を使い過ぎた……と言えば妥当なのかな。
後は、精神的な衝撃、と思う。
[花をいくつも散らして、動きを止める。
理由など忘れた]
あは、どこいこうかな〜
[また常のように。としたところで、降りたつ人影]
こんにちは〜ロザリー
今日も元気だよ〜。ネロは元気だからロザリーも元気だよね。
どしたの?
[変わらぬ陽気な笑みを刻み、ちらちらと翼のほうを見ている]
[ラスの言葉を噛み砕き、飲み込むまで数瞬の時を経る]
うん。みんな、誰かにとっては……大切なのかも、しれない、ね。
……巫女、みんなのこと……大切に、思ってる。
だから、みんなも巫女のこと、大切、なんだと……思う。
巫女……の価値とか、じゃなくて。
[結界樹に閉じ込められてるというクローディアのことを想い、目を伏せた]
たいした事はしてなかったがな。
[鞄を受け取り、中へ促す。
香草を煮出したものを水で割り、机に二つ置いた。
小皿に乾燥した果実を入れ、ラウル用に幾つかを小さく割って机に乗せる。
椅子に座ると茶を一口のみ、前置きなく口を開いた。]
……お前、どうして翼を出さない?
使わないままだと飛べなくなるぞ。
――それとも、
[鋭い目を眇めて、問う。]
出せない色に、染まって…しまったのか。
―自宅―
力を、使いすぎた?
[水桶を持ち上げようとしていた手を止めて、エリカの顔を凝視する]
君は、やはり、力を持っているのか?
[ 聞こえた声にトーンが落ちる。
掌で左目を覆いながら、声を返す。]
病ねぇ…。
成程、それで……。
私が自由に見えるんですね、貴方には。
[ 虚に捕まった理由はなんだったろうか。]
そちらもお気をつけて。
[ そう言って身体を降ろした。]
旦那くらいだったし、父上の事話してくれたのは。
[軽く言いつつ、促されるまま中へと入り。
椅子に座って、出された果実を嬉しげにつつくラウルを見やりつつ茶碗を手にする]
……出せない色彩……つまり、黒に、って事かい?
[投げられた問いに、表情はやや、険しさを帯びる]
……そういうんじゃないよ……それはない。
ただ……四翼であると知られるな、ってのは、父上の言いつけでね。
母上にも、最期にそう言われたから……。
普段から出さないとまずいのは、一応、わかってるんだけど、ねぇ。
[ 足元に下ろした視線を少年の顔へと合わせる。
それと同時に首を傾ける。]
はい、私も元気ですよ。
ネロ殿の姿が見えたから遊びに来ました。
[ そう言って笑いかける。]
ネロ殿はこんなところで何をされていたのですか?
[ 聞いて答えは返ってくるだろうか?
その視線が背中の羽根にちらちら移る様子も、
また自身には興味深く見える。]
…………最悪だ。
[繰り返し呟いた。
この際、昨夜の記憶の全てを消せるなら、消してしまいたいなどと思いつつ、感覚の失せている真白の指を逆の手で1本ずつ剥がしていく。
はさりと落ちたシャツを振り返りすらせずに、大股で部屋を出た。
――…翼を仕舞う事すら忘れて]
―――……、
貴方の言う、力、が何を意味するかは知らないけれど。
[まだ少し揺らぐ眼差しを返す]
ただ、私は……繋ぐことが出来るだけ。
それは、動物や植物、そして、精霊、妖精、幻獣……
私達と存在を異にするものと、会話をするのと、似ている。
……求める答えに、なる?
オーフェンは、巫女さんが大事なんだな。
[目を伏せるオーフェンを目を細めてみ、その頭を撫でようと手を伸ばしたが、その上でやはりその手を握り、自分の首の後ろへと戻す。]
あは。そうなんだ〜
僕はこの蔦を切ってたんだよ〜。丈夫だから岩に擦り付けて切ったんだ
それでどこかいこうとしたらロザリーが来たの〜
[腰の部位に結んだまま途中でちぎれている蔦を手に持って嬉しそうに掲げながらも、やはり視線はちらちらと翼を見ている]
[思いもかけない言葉にきょとんとして、しばし沈黙]
あ、そう……なのかも。
……うん、多分……そう。大事。
[ぎゅっと両手を合わせると、わずかに微笑む。ラスの手の動きには不思議そうに]
……それ、癖なの?
[エリカの言葉を聞くと、椅子を引き寄せ、寝台の脇、向き合う位置に腰掛けた]
繋ぐ…か、私には君の感覚は確かに判らない。
だが、それは…そうして繋ぐことで、堕天尸を…虚の影響を受けた者を見分けることができるのじゃないか?
…………そうか、それならいい。
虚に飲まれるほどの負の感情を抱えていないのなら。
[詰めていた息を吐き、目を伏せる。]
……親御さんには世話になったからな。
その娘が堕ちるほど辛いのを見過ごすわけにはいかん。
おそらく親御さんの言いつけだろうとは思ったが、それでも聞いておきたかった。
[アヤメが四翼と知ったのは偶然。
言わないで欲しいと女親に乞われた事を思い出す。
その時は真摯な瞳に、理由など聞く事はなかったけれど。]
………隠すのは、親御さんの事情か?
蔦を…ですか。
[ そう言って彼の手にある蔦へと視線をやる。
何故、腰の部位にそれが結ばれているかは聞かないほうがいいか。]
…そうでしたか、お引止めして申し訳ありません。
ネロ殿、羽根が気になるのですか?
[ そう言って羽根を大きく広げてみせる。]
[謝られると理由がわからず戸惑い、ただ首を横に振る]
……えっと、妹……いるんだ。どんな人?
頭なでられるの、好きなの?
[好奇に満ちた瞳でラスを見つめる]
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