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っつぅ……さすがに、効くねっ!
[顔を顰めながらも、手にした針はオクタヴィアへと投げつける。
鴉自身は後退し、動きを止めたロミの背後へ舞い降りて]
……とまってると、危ないよっ!
[冗談めかした言葉と共に、首筋へ向けて手刀の一撃を繰り出した]
ひどいザマだな。あんたもやられたのか。
[キュルキュルキュル、とナイフを繋いだワイヤーを巻き取って回収しながら、声をかける]
[しかし、こちらもこちらでひどい有様だ。胴着の隙間からは白い包帯が除き、顔色は青白い]
/*
むう。
ある程度予測はしてたが、物理主体の三つ巴は中々難しいな……!
ぜるるんの時は、固定砲台でもOKな魔法系だったからなあ……。
色々と、考える余地はありそうにゃ。
―隔離エリア―
[もう少しでという辺りまで来た時だった。
胸部に走った鋭い痛みに気を取られ、反応が遅れた。
飛び出してきたワニに身構えた次の瞬間、ナイフが突き立っていた。壁を背に振り返る。横目で捉えたままのワニは暴れ出してすぐ痙攣を起こし動かなくなった]
…あ…。
[脇を抑えるような格好で、一度瞼を瞑る。
息を吸って吐き、目を開くとアーベルをまっすぐに見て頷いた]
少し前にも別のクリーチャーと遭遇しましたから。
そうでなくても凶暴性のあるものが放たれているようだったのに、加えて先ほどの刺激。
生き残りは全力でやれということらしいですね。
[ちらちらと見える包帯が気になる。
それまでよりも痛そうな顔になった]
―北エリア・林―
うわっ!!
[轟音と共に射出された弾丸。
土壁を更に展開させるも、衝撃に後から後から崩されて行く。
回避は間に合わぬと判断し、障壁の維持に集中し続けるが、それが仇となったか。
背後に迫る鴉の影に気付かず、槌の間合いより内側まで接近を許してしまう]
ぐ……
[手刀を咄嗟に右腕で受けるが、衝撃に鈍い痛みが走った。
途端、集中が途切れ障壁は塵芥と化す。
ライヒアルトの手を弾きつつ横へ飛び退こうとするが、一瞬遅れ、脇腹を熱い痛みが走った]
圧されてる、だな……!
[もはや手の内を隠している余裕はない。
ライヒアルトの針がオクタヴィアへと飛ぶ。
彼女の意識がそちらを向いているなら――不意を討つ隙はあるか]
いけぇっ!
[左手を槌から離し横薙ぎに振る。
それは単に、『力』を送るための予備動作。
少女の意識は、オクタヴィアの背後――樹が根を張る土にあった。
『力』を受け、土が持ち上がり、そして樹はオクタヴィアの頭上へ倒れ掛かる]
─北エリア・林─
[精度に劣る射撃だったが、それなりに被弾させることは出来たようで。ライヒアルトから投げつけられた針は、射撃を止めたガトリングガンの銃身を翳して防ぐ。キィン、と金属がかち合うような音がした]
威力が高い分、精度に欠けますけれどね。
[ライヒアルトの声に返しながら、ガトリングガンを持ち直す。銃を変え、射撃準備に入ろうとした───その時。ふっと上空に影が差すのを感じた。僅か振り仰げば、背後より倒れ来る一本の木]
離れて居ても力は及びますのね!
[地面へも視線を流せば、持ち上がった跡が残っている。ロミが繰り出したものであるのは明らかだった。咄嗟にガトリングガンを持ち上げ、倒れ来る木に翳し。受け流すようにして横へとステップを踏んだ。左足にも力がかかり、痛みが走る]
くっ……。
[左足に突き刺さったままだった針を払う。紅が流れ出すが、構ってはいられない]
[手にしているガトリングガンを持ち直すと、それらを二丁のライフルへと変え。ライヒアルトとロミの周囲にある木の影目掛け、銃弾を撃ち出す。二人を囲むような位置に、六発の弾丸が着弾した。先を見越しての仕込み。その所作は射撃ミスに見えなくもない]
もう一つ行きますわよ!
[次いで二丁のライフルは一丁のバズーカ砲へと変化。銃口を地面へと向け、右足で引き金を踏んだ。地下潜行型の爆破砲撃が、固まって立つ二人の足元へ。轟音が二人に迫る]
[ユーディットの、こちらの傷を見てするその表情を、懐かしいものを見るように目を細めて見つめる]
……ああ、全く仕事どころじゃない。
…こっちもこのザマなんでな。悪いが、もう用心棒の依頼は受けられない。
だが、お互い依頼じゃなくて、生き残りのために協力しないか?
─北エリア・林─
[打ち込んだ一撃は払いのけられ、少女は距離を取るべく、動く。
障壁が消滅した事で飛来する弾丸は、とっさに開いた右の翼──漆黒の龍翼と右の腕を翳す事でどうにか凌いだ]
……っとに、威力だけはあるよねぇ……。
[伝わったのは衝撃だけだが、ダメージは決して低くはない。
『獣神』によって埋め込まれた部位以外は鍛えた人間レベルなのだから、無理もないが。
ぼそりと呟きながら、ロミがオクタヴィアに仕掛ける様子を見やる。
倒れる樹に、蜂蝶がどう動くか。
それを確かめてから次の手を、と考えていたのは、まずかったか]
……って……。
[一見すると、見当違いの行動。
しかし、それと同じ動きは、先の戦いの記録の中でも見ていたな、と。
思い当たるのと、轟音が響くのは、ほぼ同時]
……ちっ!
[テレポートは、すぐには使えない。ならば出来うる回避は一つ。
アンバランスな両翼を広げると、上へ向けての離脱を試みた]
―隔離区画―
…仕事は諦められますか?
[アーベルの表情の意味は分からない。
提案には少し考えるような素振りでそう問い返し]
いえ、余計な質問でした。
死にたくはありませんから、何がどうなるにしても今は手を組んだ方が得策です。こちらからもお願いします。
この先に地底湖があるのですよ。
そこから外にでる手段を捜してみようかと思っていました。
[分かれ道の片方を指差して言った]
―隔離エリア―
[逃げなければ、とか言っていた癖に。
キノコを興味深気につついて胞子を飛ばしたり。あちこち動き回りながら周囲をけっこう暢気に観察していた。
どれくらいか動き回った後、どこからか現れた>>*0>>*1オクタヴィアと遭遇し、残っているメンバーの事を聞いた。]
へぇ。鴉の兄さん残ったのかー。流石というか何というか。
んでロミ嬢ちゃんも生き残りかぁ。
[交わす言葉に、向こうは違和感を覚えただろうか。
お構いなしに、こちらは軽快に口を開く。まるで腰の剣が喋るように。]
最後はどうなんのかな?勝ち残りって勿論一人だよね?
ああ、生きてたらのお楽しみってヤツ?
だったら頑張って生き残らないとなー。
あはは、姉さんも頑張ってネ。
[そう言い笑み―普段の主であれば到底見れないようなもの―を向けながら、こちらも何処かへと向かった。]
[その先からは特に大きな咆哮と破壊音が聞こえてきている。
誰かが既に戦っているのか。それとも動けないクリーチャーでもいて暴れているのか]
/*
次で3ターン目。
広域破壊が可能すぎですかしらね。
近付かない=動けない のイメージでは居るのですけれど。
足の怪我もありますし。
大きいのを連続で出しましたし、この後は小技で繋ぐのが良いですかしらね。
―北エリア・林―
[直撃は回避されたものの、ライヒアルトの攻撃も相まって、オクタヴィアに多少のダメージは与えられたか。
しかし、未だ己の不利は変わらず。
脇腹から滲む血を止める暇もなかった]
[ライフルを構える動作に回避を意識するも、弾丸は二人から大きくそれて着弾する。
その布石は少女には理解出来なかったし、思考する暇すら与えられなかった。
こちらへ向けて迫る爆音]
って……それはオラの専売特許だっ!
[爆発と同時、少女の体は宙を舞う。
しかしそれは爆風に飛ばされたのではない、足元の土を『力』で持ち上げ自ら『跳んだ』のだ。
槌頭を先に地面へつけ、柄の倒れる動きとともに着地する。
再び槌を持ち上げ構え直す動作で、脇腹の染みが一層大きくなったのを感じた]
(まだだ……ここで止まっちゃなんねえ!)
[大技を使ったオクタヴィアと、それを回避したライヒアルト。
二人の攻撃に僅かな間隙を感じて、着地の衝撃も抜けきらぬ体で更に動く。
オクタヴィアの元まで駆けるには、やや遠いか]
んなら……
[視線はライヒアルトの方向へ]
『塞げ』!
[叫び、力を送る。上方へ飛んだライヒアルトの進路を塞ぐべく。
周囲の樹がライヒアルトという中心に向かって傾いで行く。
『殺到させる』とまでは流石にいかなかったが]
どれか一つにでも当たりゃあめっけもんだ……!
[了承の返事を得ると、先に立って示された方角へ歩きはじめる]
[うっかりいつかの日の様に手を差し出しかけ、やや慌てて引っ込めた]
仕事、標的のことか。
…俺にとっては、この状況と次元の同じ問題だ。
諦めるわけにはいかない。
─北エリア・林─
[バズーカを発射させた時の、地響きの如き震動は自分の身体にも伝わって。地へ付けていた左足に更に負担がかかる]
(この足では近付く前に仕掛けられるのがオチですわね)
[先程から移動の気配を見せない理由。左足はほぼ使い物にならない。最初から大きなものも使いすぎているのもあって、僅かばかり肩で息をした]
[地下潜行型の爆破砲弾は爆音と共に土煙を立ち上らせるも、それぞれ回避されてしまい。手元のバズーカは一回り小さくされ、肩へと担がれた]
貴女のものと一緒にしないで頂きたいですわ。
[専売特許と騒ぐロミへの返答。その直後に再びの轟音。後方で射撃に伴う排気が起こり、射出された砲弾はライヒアルトへと傾いで行く木──ロミ側に在る一つへ。先の爆破砲弾よりは威力の低いそれが、着弾した木を破壊する。そのうちのいくつかが鋭さを伴い、ロミへと降り注いだ]
―隔離エリア―
[先に立って歩くアーベルの後ろからついてゆく。
振り返るように手が伸び引っ込められたのを見て瞬いた。薄い蒼が走り、鈍色に変わって消えて行く]
そうですか。
あたら命を散らすような事はお奨めしたくないのですけれど。
場合によっては阻まなくてはいけないかもしれませんし。
[後半は言葉にしているつもりはなかった。
が、低く小さくだが声になってしまっていた]
まあ。でも。
仕事なんてそういうものかもしれませんね。
[手の中に新しいピンを取る。
押さえ切れなくなった髪が一房、肩より下まで流れた]
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