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オーマーエーなーっ、何してんだよっ!
布巾で拾うな、ちりとりと箒あっち!!
[騒がしい乱入者にも、
物思いに耽るマコトは料理に意識を向けたまま。
ある意味では素晴らしい集中力かも知れず。]
それから、
怪我してないか九の字にでも見てもらえっ。
[自分の事はしっかりと棚に上げた。]
…ああ、うん。
そっちで呼ぶ人はあんまし多くないけどさ。
[注視されていることには少し戸惑ったような仕草を見せるも、未だ殆ど話したことのない洋亮では気付ける訳もなく。
続いた言葉に初めて少しだけ、瞳の光が陰ったように見えたかも知れない。それは相変わらず凍り付いたように動かないけれど。]
……ん。
でも、ってことは…そっちも、か。
…本当の本当の、本当だなー。
[言い分には一応は納得したようだが、
それでも半眼でヒサタカを暫し見て。]
わかった。
自分でやった事は、責任持てよ。
[…ふい、と視線を逸らすと、
念のためにと、わざわざ掃除用具を出して来て、
それから置かれっ放しだった仔犬用の器を手に取り]
冷めちゃったじゃんか。
[独り言ちるように言って、温め直すと、
食堂に戻ろうと踵を返す]
大丈夫でした?
[その剣幕に何となく付いてゆくこともできず。
仔犬と一緒にテーブルの傍で待っていた。
お行儀良く待っているリュウはパタパタと尻尾を動かしながら。
ショウをキラキラした目で見つめている]
ああ……本当だ。
[半眼で睨まれると、思い切り頷いて、拾った分の欠片を不燃ゴミの箱に捨てると、出された掃除道具を手に取った]
………ありがとう。すまない。
[食堂に戻ろうとするショウの背中に向けた言葉は、他の意味も含んでいたかもしれない]
[投げられた言葉は聞こえたか否か、定かではなく。
不機嫌そうな表情で戻って来る。]
大丈夫って言ってたから、大丈夫なんじゃねー。
[けれど、眼を輝かせる仔犬に気づくとそれは和らいで、
苦笑を滲ませて、ゴメンなと謝罪を述べつつ、
その目の前に器を置く]
リュウ、食っていいんだからなー?
さっきも待ってただろ。
オレも、手当て終わったら食べるから。
[きちんと治療を受ける気になったらしい。
そう声をかけると、椅子を引いて座った。]
[割れた皿を片付け終わると、残った皿と箸を運んで食堂に戻る]
俺も、食べていいか?
[ショウに尋ねる姿は、やっぱり犬と大差なかったかもしれない]
[サヤカの言葉に僅かに目を細めるものの]
……それは実際に目で見て耳で聞き手で触り鼻で嗅いだから
現実には非科学的なこと、不思議なことが起こりうる。ただその前提があるだけですよ
それに、そこから逃げることは、自分を信じないことと同義ですし
……何も出来ない、か。……そうかもしれませんね。でも、私は足掻きますよ。たとえ敵わない相手でも。最後の瞬間まで
だって、大人しく殺されるなんて……癪じゃないですか
[そう言うと、不敵な笑みを浮かべる]
それならいいんですけれど。
[機嫌悪そうな表情が仔犬に和らぐのを見て、ホッとしたようにそう言って]
本当に賢くて偉いね、リュウ。
[釣られたように小さく子犬に笑いかける。
消毒薬とコットンを取り出して、椅子に座ったショウに向かい]
はい、手を出してくださいね。
片手じゃやりにくいでしょうから。
はーぁーい。
[賢い仔犬と違って、少年は物分りが悪い。
間延びした返事をしながら、左手を差し出した。
食べていいと言われた仔犬は、褒められて、
尻尾を大きく一度揺らした。
遠慮がちに餌を齧ってから、2人の様子をじっと見る]
[コップを両手に握ったまま、それを見つめる。]
昔からずっと可愛くて仕方なかったし、兄貴だから守れって大人にも言われてたから。
それが俺の役目で。
構いすぎて逆に嫌がられるくらいで。
……けど。泣けないんだ。
[淡々と途切れ途切れに言葉を繋ぐ。
その目から涙どころか一切の感情が抜け落ちてしまったことには気付いていないのか。]
[再びその目を其方に向け、]
……ああ。
そういえば、……還ってったよ。
[何を、とは言わずとも分かるだろうか。
昨日渡された花片のこと。]
そんなに嫌そうにしなくても。
…出血は酷くないですけど、浅くも無いじゃないですか。
少し沁みるかもしれませんが我慢してください。
[傷口を見れば思わず動きを止めて。
小さく呟くとコットンで抑えながら消毒液で傷口を洗う。
軽く上からも押さえた後、大きめの絆創膏を貼って]
はい、これでよし。
気をつけてくださいね?
[リュウも心配になっちゃうよね、とこちらを見上げる仔犬に同意を求めてみたりして。
クゥン、という小さな鳴き声が返った]
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