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―綿毛草の畑―
[口の中で、小さく歌を紡ぎながら
去る兄弟の背に、大きく手を振った。
歌声は徐々に大きくなり、
布袋にいっぱいの綿毛を摘み終えた頃には
同じように綿毛を摘む子供達がちらほらと見え
一緒に歌ったりもしていたけれど、
終始笑顔の彼女は居るも居ぬも気にせず笑む。]
さぁ、終わったわぁ?
[くすと笑って立ち上がり、
綿毛草の詰まった軽い布袋を両手で持ち上げると、
仕事場である畑を出、ぺたりぺたりと道を歩き始めた。]
よし。
[家に帰り、部屋に籠ること幾時間。
書き上げた一枚をランプの灯に透かし、満足気に言葉を洩らす。
散らばった紙を順に纏め、積んだ本を並べ。
部屋は漸く元の様を取り戻した]
さ、て。
手入れしとくかな。
[次に手を伸ばすのは、机の横の楽器ケースの群。
一つを引き寄せる]
[長いケースの中に収められた金管楽器は、一見すれば本物にも見えるが]
…本物、欲しいなぁ。
[この地で希少な金属を娯楽にばかり使うわけにもいかず、そもそも環境を考えれば日持ちするかも怪しい。
故にあるのは石を溶かして金属に見立て、作られたものが殆どだった]
「天使の歌声」だったっけ。
大袈裟かも知れないけど…
[口を近付け、息を通す。
少し篭った音がした。
離して、少し首を傾げる]
[それも少しの間。
棒の先に布を括り付け、管に通し。
表面は固めの布で磨き。
一つが終われば、また別のものを。
ふと作業を止め。
手元を照らすランプを掴み、目線の高さまで上げ]
…そろそろ換え時かな。
[光の薄くなったランプの、中に詰められたヒカリコケを見た**]
[岩に囲まれた町。
畑から少しだけ離れた仕事場へと歩いていれば
どこか遠く、小さな小さな音楽が聞こえた気がして
目を細めて嬉しそうに、また、歌をうたった。]
「あぁ、袋はそこに置いておいておくれ」
[同じ年齢の少女達は、綿毛を糸へと紡ぐ。
彼女は子供と一緒に、綿毛を集めて運ぶ。
それは何時も変わらぬ光景で
彼女は相変わらず笑み歌い、嬉しそうに見えた。]
[どさり、重さは感じさせない音をさせて
布袋をいわれたところに置いた時、
噂話に余念のない女性達が話す声が、
俯いた耳に届いた。]
「――さんとこのが、今日絵を…
「海にまた入って…
「あんたのトコの旦那が…
[笑みを浮かべる彼女に対し、
何聞いているのと怒る人ももう、無い。
くすふふと笑いながら、
小さく歌を口ずさみつつ
軽い足取りで小さな綿毛紬ぎ場を出た。]
─林檎の樹─
……よしゃ、こんなとこかなぁ。
[小さな呟きと共に、ぱたむ、とスケッチブックを閉じる。
描いていたのは、やや遠くに見える綿毛草の畑の風景。
スケッチブックの中には、単色の風景画がいくつも閉じこまれていた]
さぁて。
行ってこんと、なぁ。
[小さく呟き。
綿毛草を集める子供らが挨拶してくるのに手をひらひらと振ってこたえつつ、一度アトリエへと戻る]
[アトリエに戻り、スケッチブックや画材を置いて。
差し入れの入っていたバスケットはテーブルの上に置き、また外に出る。
足を向けるのは、キノコの畑の奥、水晶の如き花の咲くくらき場所]
─ →水晶花の花畑─
─水晶花の花畑─
[その場所に近づくにつれ、大きくなるのは水の音。
岸壁から湧き出した水が零れ落ちるその音は、『滝』の如きと『知識』は語る]
……もっとも、現物なんて誰も知らんのよなぁ。
[知識を綴った書物は、今でも残されている。
都市の者であれば、自由に閲覧を許されたそれには、この地では見られぬもの、考えられぬものについて記されていた。
……とはいえその書物からして、誰が見聞きしたものを綴っているのか、定かではないのだけれど]
6人目、職人見習い ユリアン がやってきました。
職人見習い ユリアンは、守護者 を希望しました(他の人には見えません)。
[中空に浮かんでいた小さな熱気球。その球皮に引火した火が瞬く間に布を焼き尽くす。]
わわわっ!!
[慌てて、水を含ませた布で鎮火するも、残ったのは僅かな布切れとブスブスと燻る焔石。]
くっそー。やっぱこの縫合方法じゃ空気が漏れちまうか。
別の方法を考えないと。
[ガジガジと爪を噛みつつ、ひとりごちる。]
[楽器を片付け、小さなランプを抱えて階下へ]
…あ、もうないんだ。
[戸棚を開ければパン一つ。
兄には釘を刺したものの、1人でいると食事も等閑になりがちだった。
食べているだけマシかも知れないが]
ん、ついでに調達してこよう。
[用意したキノコ茶と共に、パンを頬張り。
簡素な食事を済ませて、外へ]
……っとと。
ぼーっとしてたら、だめだって、なぁ。
[しばしの物思いから立ち返り、透き通る花弁に手を伸ばす。
水晶を思わせる、透明な花。
それを数本摘み取り、ポケットから出した黒いリボンで束にする]
……あ。
墓の場所、ちゃんと聞いてねぇ。
[ここは彼の工房──とはいえ、乱雑に散らかった工作室という方が相応しい程度のものだが。
だが、机の上にうず高く積まれたのは、熱力学や物理の本など、この洞窟都市でも読もうとする人間の限られてくるような難解な書物。
まあ、彼にとってはその知識はすべてこの熱気球の研究に向けられているのだが。]
やっぱ骨製の針じゃ限界なのか?
……いや、それ以前に球皮の布目の方が……
[ぶつぶつと自分の世界に入ってしまっている彼の背後に歩み寄る影。
そして──]
まーいったなぁ。
……自宅に聞きにいくんは、やっぱし気ぃ引けるんだが……。
墓地で直接探すしか、ないかねぇ……。
[はあ、とため息を一つつく。
『絵』を描いた相手の墓に参るのは、自身の流儀、なのだが。
肝心の墓の場所がわからないのは、日常茶飯事なのである]
[足取りは軽く―尤も重い足取り等なったことは無いのだが―、路を行く。
変わった音がすれば、ひょいとその場を笑顔で覗き、怪訝な顔をされたりする。]
ふふふ。
[口からは歌を零しながら
路を、ふらりぺたりと歩く。]
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