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始まったら、止まらない。
……そんな無茶苦茶な話って、あんのかよ……?
[小さな呟きが零れた]
大体、作られたとか。
わっけ、わかんねぇ……。
[余りにも唐突過ぎる話に理解が追いつかないのか、それともしたくないのか。
口をつくのは、悪態めいた言葉で]
…旦那、あの兄さんみたいだネ。件の見分けられる、っていう奴。
[エーリッヒの言葉に、へぇ、と感心した様子で。][グリズに危機感はあまり無い。][それは彼の本質が、どちらかといえば人に近い為か。][力でなく。][小賢しい知恵に頼る人に。]
ま、ネタかも知らんけど。
[最後にはへらと、笑み。]
…わたくしも?
確かに…そうなのですけど…
でも、何故あなたがそれを?
[自分が人間であると告げられた言葉。
人狼ではない、といい切るその根拠はどこから来るのだろう、と]
師匠?
おいおい、俺はお前さんを弟子にした覚えはねえぞ。
[様子のおかしいエーリッヒに、男は戸惑う様子で、けれど何か不吉なものを感じたか]
シスター、ちょっと待て、近付くな。
[エーリッヒの方を気にするナターリエを制止しようとする]
……って。
ユリアン?
[すぐ近くにいたから、その呟きは届いていて]
お前……何、言ってんの?
[戸惑いながら、視線を辿る。
その先にある姿に、一つ、瞬いて]
エーリさん。
継いでいたんですね。
[震える声で。
その力は。条件を崩す為の大きな力。
それで見つけられたのは]
…っぁ。
[小さく呻く。フラリと体が傾ぐ。
近付いてきた影の方へと]
[エーリッヒの声は届いている]
[なるほどと思った]
[人狼の血はわかれど、そちらの血には鈍い]
リディ君も、大丈夫ですか?
[肩を抑える二人の少女]
[わかっている]
[彼女らが、聖なるしるしを持つもの]
…始まっている。止められない。
条件?
…であるならば。
[しばし何とはなしにノーラを探し、それでも見つからずに頭には奏でられていた筈のピアノの音が離れない。
...は頭を掻きながら、広間に戻った。
そこにはさっき目覚めた際にいなかったメンバーも顔をそろえていたが、やはりノーラの姿は見つからなかった
そう考えると、やはり先のピアノはノーラだったのかと思うが……]
すいません。今、誰かピアノ弾いていませんでしたか?
[何か重要な話をしている最中に悪いと思ったが、やはり何かあってからでは遅いと、あえて話を中断させるようにみんなに問いかけた]
人間、人狼じゃない…。
エーリッヒさんには、それが、分かる?
作られた、人狼、スティグマ、教会…。
…あたま、痛い…。
[うぅと、こめかみを押さえる。][知恵熱のようなものだろうか。]
かわいそうな、ブリジット君。
かわいそうな、アーベル君。
君たちは、ギュンターさんの手により、この場での覚醒を余儀なくされたんですよ?
[何かの呪縛が働いているかのようだった。少なくとも男にはそう感じられた]
イレーネ、神父さんも、どうしちまったんだ?
[口にされない言葉は、届いている。けれどそれは、男にはあまりにも唐突に思えた]
[陽のひかりに似た髪の、男を見ていた。
彼の持つ手帳に、何が書かれて――描かれて――いたかは見えないが]
[呟きに、はたと、瞬く。傍らには、青]
……ん? なんでもないよ。
[言葉通り、なんでもないという口調で、言った]
…継いだんじゃなく、俺の力が大きすぎたから。
同じ力を使えるものは、同時に二人居るはずが無い。
師匠の力が消えたのは、俺と共に居たからなんだし。
もちろん、貴女にそれが出来るはずが無い。
[真似して何かをはじめようとした女に、右手で銃を抜いて向ける。
殺せと脳裏で囁く声。偽者は人狼に組するものだと。]
[ハインリヒの言葉にはっとした(ように)]
あ。いえ。
疲れてるんでしょうかね。俺も。
…困ったものです。
そんなことしないでも良い方法を探さなければいけないというのに。
[首を振る]
見つけなきゃ。
見つけて、――殺さなきゃ。
[小さかったけれど、それは音となる。
誰かには届いただろうか。
痺れる頭に、労りの言葉は届かなかった。]
ちょ、待て嬢ちゃん…!
[「殺さなきゃ」と今度ははっきり口にされた言葉に、およそ似つかわしくない少女の口からそれが漏れた事実に気を取られて、男がエーリッヒの動きに気付くのは遅れた]
エーリッヒさん、何を…!
[銃を抜いて、向ける先にはアマンダ。
同じように、手帳を広げて]
[だけど、足は動かずに]
[だから止める事も出来ずに]
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