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[意識を、目の前に戻す。
先ほどのイレーネの言葉には、多少、驚いたけれど]
……そういう事も……あるんじゃねぇの?
[オトフリートの言葉に、小さく呟く]
……何に……脅えてんだ、あんたは。
[目の前の二人が互いを心配する姿を見て]
[彼らも自分達と変わらないのだと思った]
[哀しい運命に囚われてしまっただけなのだと]
[震えながら、怯えながら、其れでも動かなくなった小さな身体を見つめる。
裏庭の首と同じ顔の少女。
裏庭の首と、同じになった少女。]
彼女は如何なる?
終わる?・・・繰り返す?
[呟きは誰に向けたのか。誰にも向けられていないのか。]
侯爵家の遠い日の嘆きは世に広まっている。
君はその中で辛い目にあったという事もね──意外と教会は俗世に通じているんだよ。
[その中には幾分かの想像と心無い中傷の言葉も含まれてはいるのだろう]
君は、この箱庭で愛を見たか。
社交界という氷の檻の中へ入る為に、自らの心を氷漬けにした君の心を溶かすものはいたか。───それが、エルザだったのかい。
[深い溜息をつき、]
君は、神を残酷だと思うか───?
[更に問うた]
残酷でないのなら、何故。
何故わざわざここへ私たちを集めたのですか。
このまま消え行くことが出来たかもしれない、人狼の末裔を。
[ずっと堪えていた涙が一筋だけ零れた]
[不意に聞こえた、紗を通さない呟き]
終わるのか、繰り返すのか……。
それは、わからねぇけど。
[それでも、と思う]
……今は……目の前の事。
この瞬間を、見届けるだけだ……。
[それ以外には、術はないのだから]
[聖職者の姿をした獣が2匹。
力尽きそうになっても尚、強い光を宿す少年。]
[視線を其方に向けて。]
/中/
今更ながら諸々了解。
――あ。
[神父の言葉が耳に届く]
[そう、ここに来なければ知ることの出来なかった事もある]
[なればどちらが正しいのか]
わから、ない……
[これが自分にとって幸運だったのか不幸だったのか]
[判ずることは出来なかった]
[獣の哂いが耳につく]
……同じ血を引いてて、全然違う方向に進んだんだから……。
……面白ぇんだか、違うんだか。
[もしかしたら、自分が。
ああなっていたのかも知れなかったのだと思いつつ。
小さな呟きがこぼれて]
[一度頭を垂れ]
[再び持ち上げる]
……運命は自ら勝ち取るもの。
たとえ負けたとしても、私は自分の道を最後まで歩く。
[真っ直ぐに神父を見つめて]
…。
賢い貴女と問答をしている時間は、残念ながらもう無いようです。
[彼女の右腕を見て]
せめて、これ以上貴女が苦しまずに済むように。
痛い思いをしないで済むうちに、私の中に送って差し上げます。
ですから、お願いです。
怯えてそんな物を振り回すのは止めてくださいね――
[彼女の元へと身を沈め駆け寄る。
右拳を時計回りに捻りつつ、彼女の左胸へ突き出す。]
神は、戯れが好きなのかもしれない。
決して、神は越えられない試練は与えられない。
だが、越えられなければ───君は死ぬだけだ。
そうか。
私もだよ。
[最終的に、このタペストリー(物語)はどのような模様をつくるのか、それはクレメンスにも分からなかった。]
シスター ナターリエは、ランプ屋 イレーネ を投票先に選びました。
シスター ナターリエは、貴族 ミハエル を能力(襲う)の対象に選びました。
……見届けるんだ。
どんな結末でも、な。
[短い返答に、呟くように。
待ち受ける結末は、決して穏やかではないと。
そう、思ってはいるけれど]
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