情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[誰も居ない練習室。
蛍光灯は消してあり、自然光だけが照らしている。
壁一面の窓は全て開け放ってある。
湿った風が吹き抜けて、高音を運んでいくのを感じた。
閉じた、フユの瞼の上を汗がひとすじ伝う。]
[自分は麦茶を一杯、コップに注いで飲み干す。自室に戻ろうとして、ふと思い立った様子で、玄関から外に出た]
…………
[額の上に手を翳し、空を見上げる。遠くから微かに雷鳴が届いた]
[周囲の空気とフユの意識が同化していく。
風に乗って、窓から出て行く。]
[高く][高く][煌めく夏の日差しの中を]
[桜の樹を揺らし
陽に透ける青葉の間をすり抜けて][遠く]
[平らな校庭。砂の上を滑り
寮へ。
開け放たれた窓が並ぶ。
窓から吹き込む夏の風のイメージ。]
[低い雷鳴とは違う、澄んだ音色が校舎の方から風に乗って届く]
[それは、遠く離れたこの場所では、ほんの小さな、風の悪戯のような響きでしかなかったが、確かに美しい旋律をもって湿った空気を煌めかせた]
[汗の玉が睫毛のうえに留まる。
閉じた瞼は震えることすらしない。]
[音波の広がりを感じる意識と同時に、
その場に留まる意識がある。
こちらの世界は無音。静謐。
磨き込まれた鏡の如く
研ぎすまされ
ひたすらに凪いでいる、止水の境地。]
[雷鳴の隙間を縫うように、フユの奏でる音色は
開け放った窓から響いていく。
穏やかなる午後を過ごす者には聞き分ける事が出来るかも知れない程度の、微かな調べ。]
[壁に背を預け、耳をくすぐる微かな旋律を、感覚を研ぎすませて拾い上げようとするかのように、目を閉じる]
………………
[僅か、唇に笑みに似たものが浮かんだか]
[フユはゆっくりと目を開く。
睫毛のうえに留まっていた汗が
ひとしずく落ちた。]
[長く、静かに息をはいた。]
…………。
[雨音が全ての音を消し去り、静寂が支配する。]
[ガタン]
[フユが唐突に立ち上がった音だった。]
……洗濯物、干しっぱなし!
[もの凄い早さでフルートを片付け、ケースを抱えて
夕立の降りしきるなかへ走り出した。
雨に濡らさないよう、両腕で確りと抱えた。]
[夕立の雨音が、煌めく旋律を覆い隠し、稲光が閃く]
…………残念。
[目を開けて、白い水煙を上げながら大地を打つ雨を見つめながら呟いた声は、続いて轟く雷鳴に紛れて消えた]
[篠つく雨がフユの視界を隠す。
玄関のぬかるみに足を取られて転んだ。
その際、腕を伸ばして、フルートのケースだけは
器用に玄関の日除けの下に滑り込ませた。]
/*
そういえば先日、何も無い歩道で転びました。
かなり無様にノビてました。
駅前通りだったので、恥ずかしさのあまり
死のうかと思いました。
*/
…………どうも。
[ヒサタカの手を払い除け、雨で顔に落ちかかる髪の
隙間から不機嫌な目を向けた。
相当恥ずかしかったらしい。]
運動音痴なもので。
それ、取ってもらえますか。
[フルートのケースを指差し]
[泥だらけだろうフユの様子には僅かに息を呑んだか。腕を払いのけられたのは気にしない様子で]
………とにかく、早く、中へ……
[言いかけて、指差されたフルートのケースに気付いて、拾い上げた]
これだけ濡れてしまったら
もう手遅れというか。
どうでもよくなりました。
雨は嫌いではありませんし。
[立って、空を見上げた]
……聞こえてましたか。
―昼ごろ:食堂―
約束やぶるのは酷いです!
[マコトにはぷうとむくれたままに、やがて食べ終わるはショウとほぼ同時]
ショウちゃんせんぱい、はやーい…
[小食じゃないもんと口を尖らせ]
そんなにいっぱい食べられませんー!
おなかいっぱいです、ごちそうさまでした!
[元気100%]
あ、片付けるー
[食べおわった食器をもって洗い場に。
すこしお話しながらお手伝い。
一段落したら部屋に戻ったのだった]
―夕方:自室―
[ごろごろと、うなり声のような、遠い音が届いた瞬間、シャーペンの音が止まった]
………………!
[反射的に立ち上がり、ばぁん!と窓を閉じる。
すこし届いたフルートの音など気にすることもなかった]
……………………かみなり?
[顔は青い。空は暗い]
ああ、綺麗な音色だった。
……俺には音楽は、良く判らないが。
フルートも大事だろうが……あの曲を奏でられる自分も大事だと思うよ。
[だから、どうでも良くはないだろう、と言外に。それからタオルを貰いに寮の中へ*先に立って入るだろう*]
[音がなるたびにびくぅと身をすくめ、たどり着いた部屋の前。息をきらせながら扉をあけて]
わたる!!
[しかし部屋はもぬけの空。
空が悲鳴をあげた]
…………。
[濡れた服がぴたりとへばりついて気持ちが悪い。
身体のラインが浮き彫りになっていた。
上着を摘んで身体から剥がした。]
[ヒサタカが寮内へ入ると
騒々しいまでの雨音が聴覚を覆い尽くして
全ての音が聞こえなくなる。
フユは再び目を閉じて、ヒサタカが戻るまで
その静寂を楽しんだ。]
[ヒサタカが戻るとフユは、少し残念そうな顔をして
日除けの下に入ってタオルを受け取り、服の上から身体を拭いた。腕から先を念入りに拭い、水気を取ってからフルートを受け取る。]
……夏に
風邪ひく事も、無いでしょうに。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新