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…どうし
[カルロスの悄然とした様子に、どうしたと言いかけて。
その傍らの女がくすくすと笑いながら言った言葉に、眉を上げカルロスの胸倉をつかんで引き寄せた。]
……どうしてお前が罪悪感を抱く必要がある。
こんな騒ぎになったことも、お前が子を置いて先に死んだことも、お前のせいではなくてPMCのせいだろうが。
それとも何か、自分からPMCに身体を明け渡しでもしたのか。
─ 第二階層・通路 ─
分からないか。
[胸を押えていた右手は緋色に染まっている。
左手には銃を握ったまま、けれど銃口はまだ向けていない]
オーフェン。
銃はむやみに使うなって言われていたよね?
使う時には迷うなって。
[それは少年の父親が、銃を持たせる時に言っていたはずの言葉]
怖いのなら、撃った振りだけしていればいいんだ。
それでシステムは誤魔化せる。
[内緒話のように小声で。
冷たい目の下で口元は笑って言った]
後は私が、なんとかするよ。
─ 第二階層 集会室 ─
…そうだが?
怒る道理がどこにある。
誰もが皆、生きるために、PMCを見つけるために他者へと銃を向けた。
自分が他者へと銃を向けるのに、自分に銃を向けられて怒るのは筋違いだ。
[常の無表情で、アンドロイド>>+40にはきと返す。
裏切りについてを言われると、ふん、と鼻を鳴らした]
そんな理由であんなことを言ったのか。
つくづく馬鹿だな、お前は。
殺させたくないと思うなら、自分が死ぬんじゃなく生きて護りゃ良かったろうに。
尤も、誰がPMCに寄生されていたか分からんことには護りようが無かっただろうが。
[どこか呆れの載る声で言葉を紡ぐ。
あの時彼の脳がオーバーヒートしていたとは気付けなかった自分も自分かも知れないが。
気付いて冷却出来たところで、アンドロイドがその通りに動いたかも定かではない]
どうぞ俺の身体を使って好き勝手してくださいとでもPMCに頼んだのか。
それならば罪悪感を抱いても仕方ないが、そうでないのならお前が罪を感じることなど何も無い。
[そう言ってから、近くなった顔をきっと睨みつけ。]
しっかりしろ、お前はオーフェンの父親だろう!
お前がしなければならないことは此処で後悔することじゃない、オーフェンをしっかり見守ることじゃないのか。
[眼下で、自分に銃を撃った相手が血に染まってる。
少年に何かを言っている]
[相手のことをよく知るわけではないが、その姿は自分を気遣ってくれた姿と随分違う。信じるわけではないが]
[ハミングの音が小さくなった]
――ノブ、さん
[名前を呼んで、でも、ぎゅっと目をつぶった。
さらに小さくなる]
[先ほどよりも大きな声で音を紡ぎだした]
─ 第二階層・通路 ─
まったくだね。
誰を信じればいいのか。何を信じればいいのか。
[追いついてきた航宙士に視線を投げる]
殲滅プログラムなんてものまで用意されたから、ゆっくりと検討する時間もなくなった。
PMC排除のための必要性を認めないとは言わないけれど。
用意周到すぎたと思わない?
まるで、こうなることを分かっていたようにさ。
─ 第二階層・通路 ─
[一番信じていて、大好きだった人が嘘だった。
いつから嘘だったのか、どこまで嘘だったのか、もう解らない。
優しいノブが好きで。
尻尾のあるエリカも嫌いじゃない。
怖いと思うのは、
偽者だったと、失望するのが怖いから――。
何を信じていいのかわからない。縋りたい人はもういない。]
………
[「とーちゃん」と、いない人の事は呼べなかった。
ずる、ずると、ゆっくりさがって、起き上がろうと身体を捩る。]
―第二階層・集会室―
[やがてカルロスが現れた時も、スティーヴが現れた時も、大きな反応はなく。
座ったままただ寂しげに尾を振るだけだった。
ただ少女のような姿のそれ>>+48に向けては、おもむろに立ち上がり]
ぅおん!
[一度きり、威嚇のように吼えた。
“生きていた”時には、緊急時以外は禁じられていた行為。
リディアがカルロスに掴みかかる傍ら、低くうなり声を上げてから、視線は外れる]
…リディア…
ありがとう
[自己を認められる。
誰かの複製にしか成りえなかった自分にとっては、それこそ奇跡に近いのかもしれない。
嬉しく思うのは、ジョエルの本心。この言葉に満足できれば、自分はどれだけ幸せだったろう。
けれども、作られたアンドロイドは、望みどおりに出来なかった自分を、悔しく思う。
無理だといわれても、不可能だといわれても。
スティーヴの表情を見たからだろうか。]
/*
今日に至っても絡めません!
どうしよう!
多角だから、とか避けるのがよくないんですよフランさん。
こう、ジョエルやリディアと会話したかったら、死体のところに具現化するしか道はなかったようです。みょーん。みょみょーん。
くっそ、失敗したー
[人に憧れることのない機械は、PMCに憧れることもない。
故に、それは何処までも敵でしかなかった]
[機械犬はちらとカルロスを伺うように見てから、
生きている者の後を追って、部屋の外へ飛び出した]
―→通路―
[少年>>21の謝罪にはゆっくりと頷いた。
許すかのように。あるいは大丈夫だと言うように]
宇宙船という閉鎖空間で、わざとPMCを逃がす。
それこそ小説のような話だけれど。
実験としてはありなんじゃないか、なんて思ってさ。
[銃を握る左手はまだ下げられたまま。銃口は床に。
右手は胸に当てたまま、航宙士>>20に答える。
「ノブ」らしい口調を保ったまま]
だとしたら、最後は殲滅プログラムで終わる、とは思えない。
実験に使ったPMCのことも、回収できるような何かがある。
そんな可能性を考えていたんだ。
[ありえない話をもっともらしく。
それは「ノブ」もよく使っていた話術]
[胸倉を掴む彼女に自嘲めいた笑みを浮かべ]
その存在に気付けずまんまとPMCの思うとおりに動かされていた。
挙句、気付いたときには遅い、自分で死ぬことも許されず捕りこまれていた。
今ならはっきりわかる、ここにいる全員俺のせいで死んでるようなものだ。
オーフのことは悲しませたりもした。
[拳を強く握り、体が震えている]
問題は理由じゃない…オーフが悲しんだことだ。
皆が死んでしまったことだ!
[理屈だけではない軍人として、父親としての道理。仕方が無いで済ませられるほど器用な正確はしていなかった]
―― 通路 ――
[生者と死者と、エイリアンと。
混沌とした通路に犬が来た]
[気配に気がつけば、自分の膝を抱えたまま微かに瞳を開けた]
…ならば聞くが。
お前が悔やんで、自分を責めて。
それで死んだ者が、私達が生き返るのか。
オーフェンの悲しみは消えるのか。
お前がPMCに寄生されるより前の時間に戻るのか。
今のお前の姿が、オーフェンの自慢の父の姿だと言えるのか。
[カルロスの震えが、こちらにも伝わってきた。
いや、胸倉を掴んだままの自分の手も、もしかしたら震えていたのかもしれない。
怒りや憤りや悲しみや、色んな感情が溢れてくる。]
このまま、オーフェンも殺されるかもしれないんだぞ!
死んだ身では何も出来ないんだ、せめて見守るぐらいしてやらないか!
子供を守ることが親の義務だろう、最後まで責任を持て!
……連中、んなこと言ってやがったのか?
俺が専門外だからって報告怠りやがったな…。
[そう言って軽く表情を歪め、小さくない舌打ちをしたのだった]
/*
何故か性格は違うと頭の中にインプットされていた。
何故だ、どうしてこうなった。
村中も多分その心算で動いてる。
……まぁ、確かにねぇ。
ここまで非現実が続くと、そんな可能性もありかなあ、なぁんて。
そんな考えも浮かぶけど、ね。
[淡々とした口調を崩さず言って、目を細める。
向ける視線は、真意を探るようなもの。
黒の猫尻尾が、思案するようにゆらり、揺れる]
……けど。
ウチ、そういうご都合主義は信用しないタチなんよねぇ。
それに……。
[ふと、思い返すのは、先に通路で交わしたスティーヴとのやり取り]
そんな都合のいい裏があるんだとしたら。
……あのセンセがあそこまで必死になる必要って、ない気もするし。
それこそ、てきとーに死んだ振りでもして、やり過ごせばいいんじゃないの?
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