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─ →中央部・廃墟群─
[瓦礫の中、目的の場所へと歩み近付く。
進むにつれ目的地から旋律が聞こえてきて。
それは徐々に強くなっていく]
[歩み続けて、だんだんとその姿が見えてくる。
窓越しの建物の中。
目的の人物を見つけた]
…意外と、と言っては失礼でしょうが、素敵な音を奏でていらっしゃいますね。
[窓辺に近付き、拍手。
柔和な笑みで声をかけた]
…そう。
回復したら相談するのが良いかな。
[二人の答えに頷きながらそう言って]
『遊戯』の性質からもそうだろうね。
確かにあの男達はこちらの手の内もかなりまでを知っているだろう。そして甘く来るはずがない。
[軽く唇を噛む]
裏をかくための手段、か。
Schwarzes・Meteor側でも知らないような何かがあれば…。
[不意に思い出したのはあの時モニターに映っていた人物。
彼女も医療スペースにいるのか…表情が僅か険しくなった]
[聞こえた拍手に、ぴたり、手が止まる。
ぽろん、と。単体の音を一つ、鳴らして]
意外で悪うござんした。
別に、あんたに褒められてぇとは思ってないがな。
[横目で睨むように見つつ、返すのは素っ気ない言葉]
[呟き、何かを思い出したような、はっとした表情をしたように見えたティルを、]
何か、あった?
[期待に満ちた目。]
[自分が知らなかっただけだろうか。
だが蛇もあれは知らなかったのだと推測できる。
とはいえ]
あの人物がSchwarzes・Meteor側でないという確証も無い。
それに…摩り替わりは、どう成されたのか。
もしまだ蛇がいる段階で行われたのなら。
[一つの予測に目の色がきつくなる。
もしそうなら。自分は…]
[青く輝く拳銃から響くのは、たん、たん、というとても軽くて蟲の蠢きにまぎれて聞くのも難しいほど小さな六つの音。
けれど、その銃弾は距離を詰める前に失速することはなく]
───開始策略式。
[その言葉をきっかけに、銃弾は変化する。
青白い光を帯びた六の光の槍。
それは強大な衝撃を以って蟲を打ち落とす]
…いや、まだ分からない。
[どこか暗い色を瞳に宿しながらも]
ブリジット以外にもう一人、こちらに運ばれてきているはずだ。
そこも頼れるのかどうかという話。
確認をしてみなければね。
敵になるか味方になるかも分からない。
…誰もただ死ぬ気はないとは思うけれど。
[内心の燻りを押し隠しつつ、そう答えた]
/*
こんな感じで色々巻き込もうとしてみたり。
ちなみにナタ様に対しては色々ありますので、僕は(ぁ
あまり進めすぎると他の人がまた困るかな…?
*/
[どばぁ、と薄黄緑の体液を派手に撒き散らしながら空飛ぶ芋虫は後方へと文字通り吹っ飛び、そして動かなくなる]
…あー、気持ち悪かった。
[まずは赤く煌く拳銃をヒップバックへ仕舞い、次に青く輝く拳銃の中身を再充填してから戻す。
赤には実弾、青には戦術を施した魔弾が充填されている。
普段なら使うことはなかったけれど、この際芋虫相手にはどうもこうも言っていられなかったわけで。
かといって、戻る気分にもなれなかった青少年は中央廃墟へと足を踏み入れ、旧華街を少し回った後どうにか身を横たえることの出来そうな古い臥舖の上に転がる。
防寒具はお決まりのようにバンダナ毛布]
−そして、時は巡り現在へ−
酷い言われようですね。
[素っ気無い態度に漏れるのは苦笑]
このような状況の中で聞く音楽もなかなか良いものですね。
……押しつぶされそうな心を保たせるため、でしょうか?
[にこやかな笑みで言いながらアーベルを見て。
その直後にぱきり、と何かが割れる音がした]
そんなものに頼らなくても
[ぴき]
このアタシが
[ぱき]
アーベルちゃんを
[ぱら]
癒してあげるわよん?
[言葉を発するごとに足元からオトフリートに亀裂が入り。
最後の言葉と同時に”オトフリート”が剥がれ落ちた]
さぁ、アーベルちゃん。
デートの約束、守ってもらうわよ?
[”オトフリート”の中から現れた紅い存在。
月明かりに照らされたその顔の、唇の端が吊り上がった]
別に、単なる気晴らし……。
[言いかけた言葉は、唐突な音に遮られ。
割れて、剥離する、影。
現れた真紅に]
……野郎の癒しなんざいらねーし、デートの約束なんざ、した覚えはねぇぞっ!
[とんっ、と軽く跳んで距離を開けつつ、吐き捨てる。
真紅を見据える蒼は、それでも鋭さを失わず]
うん、そう。
死ぬ気、無いからねっ!
[ばさ、と被っていたシーツを剥がしながら立ち上がった。
右手で拳を作り、天へと突き上げる。]
…あいたたた。
[ずき、と左足が痛んで、しゃがみこんだ。]
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