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…ま、もっともですね。
[蒼の青年が告げる言葉に、溜息混じりに言葉を返して。
ふと、友人の零す言葉に緩く瞬いた。]
――ああ、それは勿体無いなぁ…。
フェイの作る天津飯、美味しいし。
[是非ともご相伴に預かりたい所なんだけど、と眉を寄せる。
しかし、――即刻に此処を後にする以外に、
流石に卵の傷みをどうにか出来る気はしない。]
……っつか、そこで俺が見えない、と言うとでも。
[ぼそ、と突っ込み一つ]
まー、取りあえずはのんびりするしかねーわな……。
そういう気分になれるなれない、はさておいて、な。
[はあ、と大げさなため息をつきつつ。
まだ眠っているらしい少女を改めて、見る。
記憶に残る妹分の一人と、その姿は容易に重なって]
……なわきゃねぇと思うんだけど、な……。
[無意識の内に、小さく、呟く]
[拳で、軽くノックのように叩く。
予想よりも柔らかい――というより、弾力があった。
しゃがみ込み、膝の上に腕を預けた姿勢で、今度は、指先で触れる。やはりというべきか、通常の卵とは異なる触感。
するりと、滑り落ちる手。]
……?
[造り物には思えず、かと言って、生き物というにも不可思議な存在。
答えは見つからなかったらしく、そして、どうにかしようにも自分一人では手に余る――途中、軽く押してはみたが、如何程の意味があったことやら――と考えたようで、立ち上がった。
スカートを叩く。]
へっへーん、俺の十八番だからな!
[天津飯、大好きだし作るのも楽しいし、と満面の笑み。
しかし作りたくてもここに厨房があるかどうかなど知りもしないし、愛用の厨具だってない。
そもそも、重要なのは自分のフラットの冷蔵庫の中身だ]
…いや、あんま期待してないかなー。
[ため息つく様子を横目にさらっと一言。
猫はといえば、もそもそと相変わらず隙間でぬくぬく猫たんぽ状態]
――この前の蛇はどうなのさ。…蛇は。
[満面の笑みに、小さく苦笑しながら、ぽつりと零す。
あれが十八番だったら、願い下げだ…とまでは言葉にしないけれど。
得意料理にするには少々好き好みが分かれる部分ではありそうだ。]
――、…?
もしかしてそっちの子も、知り合いですか?
[青年の呟きに、ゆるりと瞬く。
随分顔広いんですね、と冗談交じりに言葉を零しながら
ゆると首を傾ぐ。頬へ零れた金が、さらりと揺れて。]
それで正解。
[さらりと返された言葉に、更にさらりと返しつつ立ち上がり]
……て、え?
[金髪の青年の問いに、きょとん、とする。
どうやら、呟きを聞かれた事には気づいていなかったらしく]
……知り合いだったら、出来の悪い冗談……ってとこなんだがね。
[軽く肩を竦めて言いつつ。
悩んでいても始まらない、と見に行くのはここに来た時に個人データを見せられた端末。
登録されているデータから、目当ての物を見つけ出し。
数瞬、沈黙してから、また元のように椅子に座る]
……、?
まぁ…んじゃ、お知り合いじゃないことを祈っときます。
僕のお祈りじゃ、どれ程効力あるか知りませんけど。
[小さな吐息混じりに、ぽつりと言葉を返して。
黙ったまま、再び席へと戻ってきた青年に、
ゆると傾げながらも、深く追求することは*せずに*]
蛇?ああ、あれか。
十八番とは言わないけど得意ではあるかなー。
美味くない?ちょっと骨硬いけど。
[首を捻り、ご近所さんをじっと見る。
蛇だというまでは普通に食べていたくせに今更何を、と聞きたそうな顔になっている。
それから、アーベルの一連の様子を見ていたが、その間も少女の髪をなでる手は優しく、やさしく]
―殻の中―
[ふと、外に気配を感じた。
誰かの手が触れる感触に、浅い眠りから意識が浮上する]
――だ、れ?
[ぼんやりと寝ぼけた声が殻の内部に反響する]
[周囲は、暗い。
今出て来たばかりの建物とは異なり、立ち並ぶビルは崩れ落ちて、辺りを包む闇と相俟って、廃墟というに相応しい様相を示していた。
*恐れる素振りもなく、歩みだす。*]
……祈りとかってモンは、基本的に信じねー主義なんだけどね、俺は。
[呟きに、こちらも呟きで返して]
……考えすぎと偶然の一致……なら、いいんだが。
[軽く目を閉じて小さく呟き。
もう一度、眠る少女の方を見やってから、立ち上がる]
……さって、と。
ここにたむろしてても状況動きそうにねーし。
上に、個室用意されてるらしいから、そっち見に行ってみるか。
[身体を軽く伸ばしつつ言う口調は、常の飄々たるもの。
んじゃ、と言いつつひらり、と手を振ると、広間を出て、*二階へ向かった*]
……いっそ知りたくなかった、かな。
――そしたら、まだ平和に食べていられた気がする。
[例え、あの脊髄と堅い骨が、緩やかにうねる構造をしているな…と
食している途中に気付いたとしても、見えない降りして現実から目を逸らせたのに。
物言いたげに向けられる視線から、翠をゆるりと逸しながら
あの時の食卓を思い出して、小さく溜め息を*零した*]
―中央部建物玄関ホール―
[ブリジットが歩き去って幾らもせず、白色の物体が揺れた。
滑らかだった外見は羽毛にも似た複雑な起伏を生じ、
やがて形状そのものが外側へと膨張する。
開かれた白の中に覗く色彩は白に映える蒼。
たっぷりとしたフレアスカートが床に零れた]
――――。
[すっかり翼の形に変化した白い外殻は
はたりとフレアスカートの波に浮かぶように床に降ろされ、
そこには小首を傾げて周囲を見渡す少女の姿]
…いいじゃん、美味いのにー…。
[食べ終わってから伝えるよりは、騙まし討ちにならないからいいと思っているわけで。
八角を使ったそれは、なんとなく豚の角煮にも似た味でなかなかのものなのだが、あまり気に召さなかった様子に首をこてんと傾げてみれば猫がその状況を楽しむように*みゃー、と鳴いて笑った*]
■名前:イレーネ=ライアー Irene=Reiher
■年齢:17歳
■通り名:鷺
■武装:短刀(護身用程度)
■スタイル:特殊能力による近接戦闘、中距離も可能。特定条件下で特殊能力は無効。
■特殊能力:第三肢。背から突出したそれを自在に変形させ操る事ができる。基本形態は翼。
■その他情報:突然変異により生まれた奇病を先天的に持っている。しかし、その奇病を特殊な力により克服した事から、同病者や医学関係者には名を知られている。幼い頃から研究機関に閉じ込められていたため、常識がない。
生来持っていた能力は極々狭い範囲でしか通じない念動力と、これまた僅かな熱を操る力。その能力で奇病を克服した副産物として生じたものが、特殊能力の【第三肢】であるとされる。
肩甲骨付近から生えている白色のそれは有機物。硬度は変化させる事ができる。柔らかい時は仄かに温かく、堅い時は冷たい。気温が高いと発汗のような現象が起きる事も確認されている。
護身用に短刀が一本、上着の内側に隠されている。ただし、お守りのようなもので使われた形跡はない。
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