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『ん、まだ見つかってはいないみたいだけど。
飛び回るのは、控えた方がいいかなあ……どんな道具かわかんないけど、力を引き寄せちゃうかも知れないし』
[ツィンカの鞄に淡い淡い木の葉色の瞳を向けて、ミステルは小さく呟く]
『でも、入り込むのも楽しそうだよね。
……抜けられそうなら、ちょっとくらいはいいんじゃないの?』
本当にマリオンは行かなくていいの?
ふふ…ふふっ。
お気遣い、ありがとう。
でも、ちょっとくらいなら…平気だよ?
ふふふふ…
[マリオンに向けて意味深に笑う。]
……な、なんだよー、その笑い方。
[意味深な笑い方に、少年は少したじろいで]
べ……別に、いいけど。
[ここまで来ると、半ば、意地かも知れない]
(……可愛いなぁ)
[その様子に、ミステルが浮かべた言葉は。
ギースにだけ、こっそりと伝わった]
[本当に行かなくていいのか、と。
周囲から、そんな風に聞かれたなら]
……別に、いいって言ってんじゃんかっ。
[少しばかりムキになったよにこう返す。
その反応は、どこか唐突に見えるやも]
仕立て屋 イゾルデが時計を進めました。
うーん。ま、バレたらバレたでなんとかなるさっ。
僕もいちお、出る時は控えめにでよっと。
力引き寄せられたら困っちゃうよぉ。
どんな道具なんだろ?きになるな〜。
『ま、そーだねぇ。
その時はその時。
……それもそれで、面白そうだし?』
[楽しげな笑みと共に、ぱたり、翅が動く]
『でも、本当に。
どんな道具、なんだろうね?』
少年 マリオンが時計を進めました。
少年 マリオンが時計を進めるのをやめました。
[ドロテアに顔を見つめられると、にこりと笑みを向けて]
無いとは言えないでしょ?
妖精の輪は妖精が居る証拠。
妖精の宴が催されてるのだとしたら、気紛れな妖精達のことだ、招待したとも考えられるよ。
どこで宴が催されてるのかまでは分からないけどね。
……べ、別にー。
なんも、ムキになんか、なって、ない、よ?
[イゾルデに声をかけられ、むう、とむくれて見せる]
大体、オレがムキになる必要なんて、ないし、さっ。
『おー、正解、正解。
鋭いなあ、このおにーさんも』
[ドロテアに説明するイゾルデの様子に、ミステルは楽しげに翅を動かす]
『しかし、ぼくらを見た事あるのかぁ。
それはそれで、びっくりだなぁ……』
その剝れっ面でムキになってないと言われてもね?
何に対してムキになってたかは知らないけど。
[態度がそう見えたために突っ込んだらしい]
[知らないけど、という一言に、うー、と低く唸る。
言わねば気づかれなかった、とは、さすがに気づいたようで]
……。
…………。
[しばらく、沈黙して言葉を探した後]
………………なんでもねーもん。
[拗ねた]
居なくなっちゃったの?
無事だと、良いんだけど。
[ホラントの事を聞けば、心配そうに辺りを見回して。
アナとルイを連れてくる、というゲルハルトに小さく頷く。
ばらばらになってはいけないと感じたのか、その場に留まるつもりらしい]
妖精に、連れて…かれた…
[イゾルデの言葉をなぞれば、軽く俯いて。
視線を向けるは闇の中]
ものは楽しみようだよ、ミステル。
・・・なーんちって、ばば様がいってたんだっ。
[ようは、受け売り。]
見てみたい、ね?
[ツィンカに強く意識を向けた。]
くるり、くるり。
光の尾っぽをたなびかせ、光は闇の中を滑る。
そんな光に無言の抗議。
「――。」
光は困ったように。
くるり、くるり。
『あっは、確かにそうかも!
ばば様、イイコト言うなあ』
[くすくすと、上がる声は楽しげに]
『……んー、ぼくらのどっちかを見つけたら、見せてくれるかなぁ……?』
何でも無いようには見えないけどねぇ。
[拗ねるマリオンの頭に手を伸ばす。
逃げないなら、髪をくしゃくしゃに混ぜるだろう]
ん?
どうかしたかい、マルガレーテ。
[自分の言葉をなぞる様子に視線を向け、首を傾げた]
なーでーるーなー!
でかいにのなでられると、押し込まれて背が延びなーいー!
[拗ねて視線をそらしていたためか、イゾルデの手は見事に避け損なって。
髪をくしゃくしゃにされ、先ほどまでとは違う理由でむう、となるも]
……マリーねーちゃん?
[俯く様子に気づいて、不思議そうにそちらを見た]
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