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―広場から大通―
[店の親父と暫く話して
少女は人ごみの中、まったりと歩きだす。
知る人知らない人
沢山の顔が通り過ぎ、並んでいる。]
っちぇ。
しあわせそーにしやがって。
[少女は口元まで引き上げたマフラーの下
むすっと少しばかり頬を膨らませた。]
[しかし再び大通りを歩き始めて、ものの数分もしないうちに立ち止まることになる]
…何事?
[どうやら広場から聞こえて来るらしい大声。
最初はうまく聞き取れず、何かの呼び込みかとも思ったのだが]
ベアトリーチェ…
まさか。
[聞こえた名前に目を見張り、急ぎ広場に向かう]
― 噴水前 ―
[人目を惹く大きな声に一瞬身を怯ませた]
凄いなー。
と。負けてられないわ。客寄せなら本職なんだから。
[レナーテから少し離れ、すぅーと大きく息を吸って、反対方向に向かって]
はーい、どなたかベアトリーチェちゃんを知ってる人、いませんかー!
─詰所付近─
んなもんは関係ねぇ。
俺が欲しいの”仕事”のための情報だ。
[向けられた言葉にどんな風に見られているのかが分かる]
[けれどそれすらも気にする様子もなく口元には薄い笑み]
[続けられる二人のやり取りを静かに耳にし]
[青年の団長へと向けられる問いに]
……そいつも、巻き込まれたってことなんじゃねぇか?
連絡もなく姿を消す。
自ら姿を消した様子もないなら、尚更。
今日だって一人消えたらしいしな。
[何でも無いことのようにさらりと口にする]
―詰め所付近―
[広場への最短距離を通る]
[そこにあったのは知り合いの微妙な組み合わせ]
[引き返すのもおかしいしその理由も無い]
どうも、団長さん。
朝から何かありましたか。
アーベルが誰かを驚かせてしまったとか。
[冗談交じりの挨拶を]
[ヴィリーについては言及のしようがない]
[それこそ薮蛇は御免こうむる]
―広場から大通―
[ぶすっとした侭歩いて居れば、
背後から突如大声が響いた。
驚いて、そちらへと向かって歩いて様子を見る。]
―ベア?
[きょとんとしたまま、呟いた。]
―広場―
[何だか昨日何かと目立っていた女性が、今日も今日とて目立っている。
と彼が思ったかは定かではないが、近くにいる金髪の少女を見つけて我に返った]
ベス!
[噴水の方向へ歩きながら掛けた声は、しかしあまりに目立ちすぎる為に少し控え目だった]
……パワフルねえ。
[口元に手を当て、目をしばたかせる]
ああ、ごめんなさい。
そうよね。この子なら、きっと可愛いわ。
でも、あなたも可愛いと思うわ?
もう15だったかしら、それなら『春の乙女』の選考対象にも入るのよねえ。
[状況に合わない世間話を始めた。]
おらおらー!
ちっちゃな女の子一人覚えてるような人はおらんのかー!
そんな記憶力、犬に食われて死んじまえー!
アタイ?
アタイの記憶力は、遠い昔に食われちまってっからいーんだよ!
[段々とかしこまった言葉遣いがはがれて、普段どおりの言葉遣いに戻っていく。
それでも、笑顔で楽しそうに啖呵をきる姿は、何故か悪口には聞こえないようで、周りの連中も苦笑したような顔をしている]
[集団の中でも、黒を纏った姿は目を引く。
そして、こちらへ向けられたとなれば、声を拾うのは比較的容易だった]
あ、ホフマイスターさん――
知っている子?
─詰め所近辺─
[うわー、やっぱなんかやなおっさん、とか。
そんな事を考えたのも束の間。
ヴィリーがさらりと言った言葉に、きょとり、と瞬いて]
……他、にも? それって……。
[視線は再び自衛団長へ]
ねぇ……爺様?
やっぱり、これ、『同じ』?
あいつの時と。
[いつになく、低い声で問う。
ハンスの冗談めかした挨拶が聞こえたのは、それと同時か。
団長は短く息を吐き。
可能性は高い、と返してくる]
─詰所付近─
[増えた気配は知った顔で]
[声は出さずに右手だけ上げて挨拶の代わりとする]
[ぷかりと紫煙が宙へと浮いた]
…その様子じゃお前も噂を聞いたみてぇだな。
その消えた奴に関して何か聞いてねぇか?
[行商人が閉口したことなど気にも留めず]
[情報を集めるために訊ねかける]
……あ。
[耳に入る酷い叫び声に苦笑いが漏れる。そのうち、不意に呼ばれたベアトリーチェの愛称。振り返ると、そこには意外な人の姿]
あれ?修道士さんだ。
[ベアトリーチェの様子を見た]
ああ、これは。
[声を掛けられて初めて手前にいた楽師の女性に向き直った。
あまりにインパクトが強かった為、近くに来るまで気付かなかった様子]
ええ。
先程親御さんが探されていたので。
[その親も、大声を聞き付けてそろそろ来るかも知れないが]
─詰所付近─
……おい小僧。
今回のこと以外に何か知ってんのか?
[同じ] [あいつの時]
[そして青年に返される団長の言葉]
[隻眸が鋭く二人を見つめる]
え、アタシですか?
あはは、そんなこと言われたことないですよー。春の乙女だなんてそんなの。
[ぱたぱたと手を振って、否定の姿勢]
エルさんみたいな人にこそ相応しいと思いますよー。
恋人への贈り物にー、香水はいかがー♪
友達の誕生日なんかにも最適ー、香水はいかがー♪
たとえ真冬でもこの街の、
ステキな香りを楽しめるよー♪
[声かけしながら歩いて行くが、いまいち人が寄ってこない。それは、この街のこの時期、当然なのかもしれない。わざわざお金をかけて香水なんて買わなくても、街中が花の香りに包まれているのだから。]
…むー。そうかぁ。
[興味があるような顔もいまいち見えず、失敗したかも、と頬を掻いた所で、大声が聞こえて興味を惹かれる。]
お祭りの中のお祭りなの?
[声のした方へ向かう…前に、わざと一滴香水を落として、周りの様子を見てみた。]
…けっこ悪くなさそう!
[おや?という顔をした人が数名居るのを嬉しそうに見て、自信をつけてから声のする方向へ]
ー広場へー
/*
そういや中身占いで阿倍を調べても良いものか。
あの人なら妖魔やらなそうな…?
いや、今の話の流れだとちと妖しい?
―――およ。
[色々と叫び続けている―――なんか放送禁止用語まで飛び出たような気もする―――と、ライヒアルトが近づいてくるのに気付くのに少し遅れた。
しゅたっと飛び降りると、ニッと笑いながら]
よ。兄さん。
アンタこの子の知り合い?
良かった。探してたんだぜ。
―広場 大通近く―
[聞こえた声の方を見れば、修道士の服。
ひょいと肩を竦めて後ろを向いて歩こうとして]
…う、わ!
[急に振りかえった為、香水売りの少女が目の前に。
果たして、ぶつかったかどうか。]
―詰め所付近―
[アーベルの発言にその顔をじっと見て]
[ヴィリーの挨拶に手を上げ返し煙を避けられる場所へ]
新しい被害者でも出たんですか。
ああ、どうせすぐ届くと思いますが。
事件性を認めるとのことです。
自衛団の働きに期待する、だそうですよ。
[上で聞いてきたばかりの話を伝える]
[自衛団長の顔がいっそう渋くなった]
─詰め所近辺─
[鋭い視線と共に、向けられた問い。
一度、自衛団長を見て。
それから、蒼の瞳をそちらに向けて]
……一年前にも、同じような事、あって。
その時、いなくなったのが、俺のダチだった。
……そんだけ。
[短く言って、肩にとまる隼の翼をそう、と撫でる。
ハンスが団長に告げた言葉には、どこか不思議そうに瞬いた]
―広場/噴水そば―
あら、本当?
[手を合わせて、ぱっと表情を明るくする]
それはよかった。
[未だ騒いで――もとい、呼んでいる女性を見上げ止めようとすると、その前に飛び降りてきた為に、一歩離れて距離を開ける]
こちらの方が、尽力してくださったんです。
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