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彷徨・・・・?
[如何いう意味だろう。ただ単に歩いて回って居たのか、とかそういう響きとは違って。
端からシスターの声。『土に還してさしあげようと――』
何を還すのだろう。
無意識に手は胸の辺りを押さえていた。]
[ふと我に返る。
息をひとつ吐き、石をひとつポケットへ。
椅子から立ち上がり、廊下への扉を開けた]
き。
[目の前に人がいて、大きく目を見開く。同時に悲鳴になりそこなった、変な声が出る。
でもそこに立っていたのは、2つのカフェラテを持ったクレメンスで]
ど、う、したん・・・。?
[声には動揺が]
……なんだよ、ぼーっとして?
[どこか困惑したような様子に、やや、首を傾げ。
それから、ふと、ある事に思い至る]
……お前……さ。
わかってる……か?
[何を、とは、言わずに。
短く、問う]
分かってるって、何が――
[頭の中で警鐘が鳴る。それ以上訊いてはいけない、と。]
何、が?
[けれど言葉は紡がれて。]
[クレメンスへの動揺は、いきなりの鉢合わせのためだけではなく。
昨夜の出来事のためだけでなく。
アーベルの死が]
・・・・・・。
[それでも...はクレメンスに今朝の話をする。
沈痛な表情で彼はそれを聞いた。
その表情にこちらもつらくなって。昨夜アーベルを心配するそぶりのなかった事を責める気持ちがそがれる。
話を聞いたあと、彼は深く考えるようなそぶりをして、部屋から出て行った]
・・・・・・・
[酷く落ち着かない気持ちで青年の言葉を*待った。*]
/中/
了解です。此方も反応遅くて申し訳なく。
また後程。
[イレーネの部屋をノックしようと思った時だった。
急に扉が開かれて、クレメンスは大きく眸を見開く。
動揺をしている素振りに、何ごとかと思ったが、]
昨日約束したカフェラテを持ってきたよ。
[そう言うと、一つをイレーネに渡した。部屋の中で話される事は、自然アーベルの事…今朝の話になった。
あまりにも痛ましい遺体を発見した事、
イレーネの重々しい声で綴られる話を、だが、クレメンスはじっと耳を傾けて聞いていた。手の中でカフェオレがどんどんと冷めてゆく。]
…。
[聞き終えると、クレメンスは少し退席をすると立ち上がり部屋を出た。少しも歩かないうちに、扉が開く音がしてイレーネが追いかけてくる。]
まだ、何か伝えたりない事があるのかい?
[振り向いた顔には、翳りが見える。微笑んではいるが、口調には弱弱しさを感じられた]
ハンス…
[記憶を辿る。
そういえば、広間で一度出会った後、顔を会わせる事がなかったような…
丁度ハンスの部屋の目の前だった。プレートには名前が書かれているままだった。]
…命は危険に晒されていないようだね…。
[イレーネに目線を]
[クレメンスに向かって]
ええ、・・・命は、平気なんで、しょうけど。
たぶん、ずっと引きこもってる。それ、って、大丈夫なのかしら。
[最後に見た彼は、酷く怯えて。恐怖の疲労が現れていた]
ごはんも、食べてないんじゃ、ないかな。
食事も?
それは──…
[部屋の中で衰弱しているかもしれないハンスの姿が目に浮かんだ。
実際には、人狼の血脈のお蔭で体力はそこまで衰えてはいないのかもしれないが…]
心配…だね。
[イレーネに頷きかけると、クレメンスはハンスの部屋の扉をノックして呼びかけた]
ハンス!
中にいるのかい?ハンス!
大丈夫かい?
[バリケードを作っている事など露知らず。
やれ、と頭を振り、イレーネへ]
しかしどうして中に引きこもっているんだい?
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