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酒場のママ ヘルガ に 7人が投票した
教師 オトフリート に 1人が投票した
酒場のママ ヘルガ は村人の手により処刑された……
次の日の朝、小説家 ブリジット が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、研究生 エーリッヒ、ランプ屋 イレーネ、青年 アーベル、召使い ユーディット、教師 オトフリート、職人見習い ユリアンの6名。
─2階・客室─
……ああ……朝、か。
[光を感じて、本に向けていた顔を上げる。
──昨夜は、結局ほとんど眠れなかった。
昼間、眠りすぎたせいもあるのかも知れないが、それ以上にホールでの出来事が鮮烈に意識に残っていて]
…………。
[ぱたん、と音を立てて本を閉じ、胸元に──傷痕のある辺りに、手を当てる]
『 』。
『お前』……何を考えている?
[問いに、答えはない]
……あの時……彼女が取り込まれた時。
『お前』なら、オルゴールの行方を追えたはず。
何故……それを、しなかった?
『歌姫』を取り戻すのが、『お前』の目的じゃなかったのか?
[やはり、答えはなくて。募るのは、苛立ち]
……ったく……。
[ため息をつけば、みゃう、と不安げな声が上がる。
声の主──真白の妖精の頭を、ぽふりと撫でて、立ち上がり、窓辺へ向かい──]
……あれは?
[日差しの中、庭園に昨日まではなかった真紅を認めて、眉を寄せる。
庭に、他に人影はないらしい──と見て取ると、そのまま窓枠に足をかけて]
よっ、と!
[直接、庭へと飛び降りた]
─庭園─
[静けさに包まれた庭園。
薔薇の咲く一角は、白と黒に彩られていたはずだったが。
何故かそこには、昨日まではなかった大輪の紅。
紅の上にぽつりと落とされた黒は、容易に昨夜消えた女性を思い起こさせる。
その薔薇の周囲には、不自然に掘り返された跡が残っているだろうか]
……これが、彼女の……本性、なのか?
[そんな呟きをもらしつつ、ふと空を見上げて]
しかし、魔の力を取り込んだって事は……。
[続く呟きは、深い、*ふかい嘆息に飲み込まれ*]
[戸惑うように揺れる深紅の瞳が、細く白い指を映す]
………ぁ…
[蝶々の翅のように睫毛を瞬かせ、少女は小首を傾げる]
…私…どうしてぇ……?
華はもぅ…散ったのにぃ……
――回想――
[幾らかのやり取りの後
執事の手に触れた魔は赤き花となりてはらはらと崩れ落ち
残るは静寂
それを見遣り小さく溜息を漏らし]
……これで、終わるのかの……
[些かばかりの不安の色を残し目を閉じて
意識を深く沈める
眠るように]
――そして現在――
[ゆるりと意識は浮上する
しかし映る物は変わらずに]
まだ戻らぬ、か?
何故だ?魔は一人ではなかったか?
……それとも、オルゴール自身が望んだか?
やはりいずれにせよ早くあれを見つけねば……
[向こうに残る者達に一縷の望みを託し、天を仰いで]
[消えた筈の魔もまたオルゴールに囚われ
そしてまた新たな犠牲者がいることは*今は知らずに*]
[少女は辺りを見回して、咲き誇る深紅の薔薇に目を見開く]
これは…私ぃ……?
ぅぅん、違うわぁ…これは私の力を吸い上げた…白…
[その花弁に触れようと指を伸ばし――]
―書庫―
…よ、っと。
[書物四冊を抱え直し。狭しと並ぶ棚の合間をゆっくりと抜ける。
結局、いつの間にやら昨夜は返しそびれたらしい。
―――客室に戻る前には、寄ろうと考えていた筈だったのだが。
折角返しに行くのだったら…と、先程読み終えた書籍も一緒に抱え
決して狭くは無い書庫の間を巡り巡っていた]
確か、此処らへん……、と。
―――有った。
[生憎、此処の書庫の書籍がどの様な並んでいるのか知る由も無い。
思い当たる棚へ記憶を頼りに歩を進めれば、抜き取った形跡も難なく見付かって。
形跡がさほど離れていない所に数点残っている辺り、
どうやら、ジャンル毎にアルファベット順にでも並んでいるのだろうか。
左右の書籍を見比べ、法則的に此れだろうと予想したものを当てはめていく。
……これで間違っていたら申し訳無いが、
周囲に誰も居ない以上、聞くにも聞けないし]
[流石に最上段へは、少々腕を伸ばすだけでは事足りない。
近くの踏み台を(作法悪くも)足で蹴り運べば、最後の一冊を棚へと収め。
よ、っと蹴り出す様に踏み台を降りる。
軽く手を叩き払えば、空いた腕を軽く組んで。
…微かに零れるのは、溜息]
覚えた事を片っ端から忘れてくって訳じゃないっぽいけど
まるまる記憶に残ってないって、やっぱ異常だよなぁ…。
[少し前はもっと短時間だったし。
むしろうっかり寝たりしたのかと、思ったけれど。
…自らの掌を見詰め、ぎゅうと握る。]
まぁ…今はそれどころじゃないっつーか
生死に関わるほど切羽詰ってない事だしなー…
[記憶が切れる間に交通事故やらに有ったら別問題だが。
この事件が終結するまでに、交通事故に会う事は…無いと思うし。
…多分]
[小さく溜息を吐けば、ふるりと頭を振って。
再び立ち並ぶ棚の合間へと、歩を進めていく。
面白そうな表題でも目につけば、それを幾度かぱらりと捲って。
ゆっくり歩いては、止まる。
そんな小さな足音は暫くの間、書庫へと*響き渡り*]
−三階・主の私室−
[主は今だ深い睡りの中。傍らの花が微かに揺れる。
その容態は一見変わらぬように思えども、
その生命の鼓動は日に日に弱まりゆく。
執事は暫し主の傍らに跪いていたが、立ち上がると、
卓上に置かれた一冊の本……主の記した日記に視線を移した。
伸ばした手は表紙に触れて、指先は頁を捲る。普段ならばしない事。
そこに綴られている思い出は、執事にとっても懐かしき事も多く。
奥方の事が書かれた頁に辿り着けば、その表情はやや翳りを帯びる。
執事が邸に来た――“拾われた”のは彼女が没くなる少し前が故、
深く知っている訳ではないが、仲睦まじい様子はよく憶えている]
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