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薬師 ゼルギウス に 1人が投票した。
療養中の少女 ベアトリーチェ に 1人が投票した。
大工 イヴァン に 9人が投票した。
大工 イヴァン は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、詩人 ライヒアルト が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、薬師 ゼルギウス、調理師 ゲルダ、療養中の少女 ベアトリーチェ、傭兵 マテウス、墓守 ナターリエ、物識り ヨハナ、神学生 ウェンデル、指物師 エーリッヒ、迷子 エーファ の 9 名。
[血を流し、倒れ伏した男の顔を一瞥して、子供は、ほう、と息をつく]
ひとつ、終わった。
[そして、視線は、もうひとつ………事の始まりとなった少女へと移る]
[殺意を撒き散らすような憎悪に満ちた顔のイヴァンに対し]
[ゼルギウスの表情は色を失ったかのよう]
[イヴァンの最期も、冷めた視線で見つめ続けた]
[振り下ろした刃をイヴァンから引き抜く]
[刺し傷からとつとつと紅が流れ出て行った]
…どうした、マテウス?
[声をかけて来た相手には、何でも無かったような雰囲気で返す]
[表情は、未だ色を失ったまま]
[マテウスの去り様の笑顔に咄嗟に手を伸ばしかけ、降ろす。
掴めぬものだと知っているかのように。
どこか諦めた素振りで]
…。
[ヨハナの声は、こんなときにも穏やかで。
だからこそ、心の内側を容易く揺らす]
ヨハナ様の言うとおりなら、良いのに。
本当に。…本当に、人狼は居なかったり、しないのかな。
[縋るものを求めるように、しっかりとした意思を持ち言葉を紡ぐナターリエの服をそっと掴んだ]
決め付けてなんていませんよ。
ただ、この中に人狼がいないという可能性のほうが高いのではないか?と聞いているだけですから。
それに、イヴァン坊主を信用していないわけじゃあありませんよ。
私は全員を信用しているのです。
だからこそ、全員の言葉を信じるのならば、この中に人狼なんてものはいないのじゃないかって思うのですよ。
……そういう貴方こそ、人狼がいるのだと決め付けておりませんか?
何故そこまでして、御伽噺と揶揄していたものの存在を強固に信じているのかが、私にはいまいち理解が出来ません。
[スッと何かが冷えた。
事切れた幼馴染の浮かべている憎悪は、過去のそれとも重なって。
齎した相手。その存在に嫌悪を覚える]
…ゼルギウス。
確証があったのか、お前には?
[温度の無い声が出た。
流れ出る紅は命の色。もう戻らないと誰が見ても分かるほど]
[イヴァンをちらりと見やる、致命傷、助からないのが見て取れた。
ゼルギウスに視線を戻し、短剣に注意を向けたまま]
とりあえず、短剣…しまってもらっていいか?
ゼルギウスと争いたくはない。
[自分は両手をあげ、敵意がないことを示す]
―厨房―
[ヨハナの返答を待つ間、ゲルダが服を掴んだので、そっと上から握った。
呟きには、ゆるく首を振る。
『分からない』とも、『ないだろう』とも取れる、曖昧で、だが否定的な反応だった。]
[両手を上げるマテウス]
[短剣と言われ、視線を手元に落とす]
……ん。
[短い返事と共に頷いて]
[懐から布を出して刃についた紅を拭い]
[再び鞘へと収めた]
[素直に従うのは、信頼するマテウスだからであろう]
そうか。
[淡々とした確認]
…なんでそんな馬鹿なことをしたんだ。
お前が本当に力を持っていたのなら、違う方法もあっただろう。
[返事は返らぬ相手に問う声]
信じてやれなかったのが、悪かったのか?
だからって、こんな。
[脱いだ上着をイヴァンの身体に掛ける。
その傷跡も、憎悪の表情も隠すように]
あの時は、そうあるといいなと思っていたさ。
…………………。
[ヨハナの言葉に、やや考えた後、何かを言おうと口を開きかけた所で。
ふぃと、突然視線を全く別な方へ向けた。]
…イヴァン?
[ぽつりと見上げる視線の先は入り口。
そこをじっと見た。半ば呆然と。]
…まさか。
[イヴァンにつけていた印が、消えた。
それがはっきりと自身に伝わった。
ゲルダの手に重ねていたそれを離し、喧騒の元へと向かう。]
[はた、と我に返ったように立ち上がると、ゼルギウスさんのところへ。]
[ひしと抱きつく。彼に向けられる敵意の視線を、少しでも遮れるように。]
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