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…勘違いって、何が。
[カーバンクルを抱えたまま3人へと歩み寄れば、
エーリッヒの言葉に、不思議そうに首を傾げ]
…え、でも、唄われてたん、だよな?
[にーさんから、と。カーバンクルを主の下へとそっと返しながら
何処かうろたえているユーディットへ視線を向けて問い]
・・・すごいね。
火傷の薬、とかも・・・あるのかな。
[薬は与えられる側なのでただただ感心したように返答を返す。火傷は火を扱う作業には付き物だからか、そんなことを尋ねてみた。]
お婆ちゃん、か。
良いな、楽しそう。
[少女に釣られてか口許が少し緩んだ。]
[やがてホールに着けば、人の多さにまた俯きながらも食事を取る*筈だ。*]
――→ホール――
[ホールに戻れば丁度食事が運ばれた所で、用意が済んだのを見届けると席に着き、他の二人にも食事を進めて。
暫し談笑と食事を楽しみ、それが済んだなら部屋へと*戻るのだろうが*]
ん?火傷?
…えーっと、確か…
[教えて貰ったと思うよ、とその材料を思い出そうとするが、思い出すより先にホールに着いてしまい]
うん、教えて貰ったよ。
[楽しそうと言われると、もう一つ頷いた]
…うん。
家出して、良かった、って思うもん。
[…祖母の家にいるのが家出と言えるのかどうかは分からないのだが。
イレーネの隣の席に座ると、料理が並べられるのを嬉しそうに*眺めていた*]
えっと、はい。歌っておられたのはエーリッヒ様ですが、歌われていたというわけではなく、歌っておられるところへ私がやってきただけで……ええと、その
[まだまだ*パニック続行中*]
[配膳を終え、客人達の夕餉も落ち着き始めた頃、
執事は軽く息を吐いて、ふっと窓の外に目を向ける。
樹々の合間、冴え冴えとした月が覗いていた]
――……少々外に出て来ますので、この場はお願いします。
[傍らの侍女に声をかけ、賑やかなホールを後にする。
軽い靴音でも、静かな廊下には十分に響くだろうか]
……あっれぇ?
[混乱の混じるユーディットの言葉に、首を傾げる。
でも、この女性が歌ってたと言ったのでは無かったか。
…この女性が。]
……あー。
[勘違いの言葉に漸く納得したように、声を上げる。
金髪の青年の頭痛の種は辛うじて一つ減ったようだ。……多分]
[歩みはゆっくりと、庭園の方角へと向けられて。
闇夜の中、黒の衣服はまるで溶け込んでしまいそうに。
けれど右目のモノクルは光を弾き、金の髪留めが煌めきを放つ。
長い黒橡の髪は風に揺られ、ますますその色を濃くして――]
……おや?
[辿り着いたその先に、存外と人が集っている事に、緩く瞬きを]
ヘルガ様、レーヴェ様、シード様。
好い夜ですね。
ホールにいらっしゃらないと思えば、お散歩中でしたか。
[淡い赤薔薇の髪に飾られた黒の薔薇を認めれば、目を細め。
お似合いですと、形式的な微笑と共に賛辞を送った]
[投げられた声に、其方へと視線を向けて。
その声の持ち主を認めれば、あぁ、と僅かに声を上げて]
まぁ…、そんな所かな?
にーさんが、歌ってたんだと。
[俺は聞き逃したけど。と肩を竦めつつもくつりと笑って。]
クリューガーさんも散歩、とか?
……どうしたんですか?
[そう侍女に声をかけるも、答えは要領を得ないだろうし、
その状況を楽しむ女性からも疲れた様子の青年からも、
正確な情報を知る事は出来ないだろう。
深く追及する事でもあるまいかと、すぐに諦めた]
なるほど、そうでしたか。
私は所要を済ませに参りました。
[散歩、との青の彼の言葉には、簡潔にそう答えを返す]
ともかく、夕餉の準備が出来ております故、
宜しければ、お楽しみ下さいませ。
お身体も冷えてしまっているでしょうから。
[執事の言葉に耳を傾けた客人達は邸内へと向かい、
侍女もまたそれに付き添う形になるだろうか]
…用事っすか。お疲れ様です。
[こんな時間まで仕事って、大変ねー。とか感嘆と共に呟いて、
僅か頭を下げる。執事の言葉に邸内へと向かおうとして。
思考を巡らせれば、はたと思いついたように群れから離れる。
侍女はどうしたのかと問うただろうが、ひらりと手を振って交わす]
…何なら、俺も手伝いましょっか。
[何が出来るかも知らんですけど、とけらり笑みを向けて]
[深く礼をして客人達を見送ろうとしていたが、
一人に声をかけられれば、上げた顔を緩く斜めに傾ける]
いいえ、お客様の手を煩わせる訳には参りませんから。
[言いつつ、失礼と踵を返して、黒と白に包まれた一角へと。
少し探れば、黒の手折られた場所は見つかり、目を眇めた]
別に、俺は煩わすとか思ってないのにー。
[返される言葉は想像していた物だったけれど、僅かに肩を竦め。
それでも邸内に戻ることはせずに、執事の後を足取り穏やかに着いていく。
探る様子に首を傾げ、覗き込む様にすればその手折られた場所に、
あ、と僅か声を上げて目を細め。]
いいえ、実を言うと。
[ゆっくりと茎から手を離して、口許に指を当てる。
浮かべる笑みは、いつもよりも些か悪戯っぽいか]
正確には、仕事ではありませんから。
[花の様子を見に来たんですよ、と軽く言う]
……なーる。
そりゃ、俺の出る幕じゃねーな?
[悪戯を含む様な笑みに、に、と口端を上げて。
先程まで、その手に触れられていた茎へと視線を向ける。]
……ちょっとばかし、痛々しーね。
[手折られ出来た断面に指を伸ばし、柔く撫ぜて]
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