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―一階・広間―
[待ち時間を潰すつもりで広間に入ったところで、台所の方向から音が聞こえる。
そちらに足を向けた]
如何した?
[広間と台所を繋ぐ入口に立ち、中を覗き込んだ。
少年の前、割れた破片が視界に入り、眉を顰める]
…怪我は?
─二階・廊下─
他に、する事もないですしね。
料理って、やってると気が紛れますし。
[呑気な口調で呑気な事を言いながら、階段へ。
そこで向けられた、問い。
翠の瞳が、ほんの少し険しさを帯びて細められる]
……一般的な認識として……ですか。
その前提であれば……信じていない、とはいえないかな。
むしろ、『いる』と。
そう、認識しています。
―一階:台所―
[片付けるには身をかがめなければならない。
一日、椅子で寝た少年はいやーな顔をしたけれど、仕方ないかと頭を下げた。
足音が聞こえる。手を大きな破片に伸ばす。怪我をしない自信は、あったが]
あ、はい。大丈夫です。
ちょっと手が滑っちゃって――
――……あああああ!!!
[心配かけてすみませんとか言おうとした言葉がすべてぶっ飛んだ。
まさかこんな風に初対面とかとか何かいろいろ考えているようで、テンパってしまう様子。拾おうとしかけた破片でちょっと手を切ったが、深くもないし血はにじむ程度。確かに運は良い。が、ある意味悪い。
落ち着くことなんて出来るわけもなく、高揚した頬で(しかもそうすると余計に本の痕がくっきり見える)叫ぶように言った]
愛してます!!!
―外:井戸付近―
俺?んーそんな寒く感じないんだけどなぁ。
ストール着てても寒いくらいなら、コートでも着て……
あー水か。なら俺が運ぼう。桶をそこに置いてくれるか?
[フォルカーの持っていた桶を見てそう返すと、井戸の中に釣瓶を落として水を入れ引き上げた。]
…そういやフォルカーも容疑者、なんだよな。いやまぁ俺もなわけだけど。
人狼……フォルカーは居ると思うか?あの中に。
[それは世間話のひとつのように口にのぼった。]
─二階・自室─
────っくしゅん!
[目覚めはくしゃみと共に。ベッドに寝転がったまま、眠ってしまったらしい。鼻を啜りながら起き上ると、両手で二の腕を擦った]
……さむ。
あのまま寝ちゃったんだ。
[昨日とは別の意味でぶるりと震える。部屋に備え付けてある小さな暖炉。それに近付くと、火を熾し薪を入れた]
……火より食べ物の方が良いかな。
[温かいものが食べたいと思った。しっかりお腹も空いている。けれど、やっぱり寒くて暖炉の前からしばらくは動けなかった]
俺は、基本的に見えるものしか信じたく無いんだが。
……見えないものでも、見た事の無いものでも、信じざるを得ない。
――まあ、覚悟はできてるさ。
[『いる』。
オトフリートのその返答に、どこか鷹揚な調子で頷いた後。
大きく伸びをして、一気に階段を下りた]
水よりも、あたたかいものを飲んだ方がよさそうだな。今日も寒い。
……そういえば昨日のお茶、美味しかったよ。
―一階・台所―
[声を掛けつつも台所に入り、身を屈める少年の傍まで来て]
無いならイイが。
ほら、危ないからアンタはあっちに…
…ッ!?
[代わりに片付けようと破片に手を伸ばしかけた。
ところで、急な絶叫にびくっ身を竦ませ]
…ハイ?
[更に続いた言葉にぱちりと瞬く]
―外:井戸の近く―
……体が強くなったら、そうなるのかな。
[ダーヴィッドが先程置いた鍬を見て、呟きを落とす]
ぇ、 あ、でも、僕が……
[口で止めたものの、彼の動きのほうが早い。
釣瓶に汲み取った水を手持ちの桶へと移す作業はフォルカーがしたものの、重い桶を持ち上げるだけでも一苦労で、一人で水瓶をいっぱいにするには、たっぷり一時間はかかりそうだった。はあ、と溜息を吐く]
……はい。
あの日は、出歩いていて……亡くなった方のところにも、足を運んだ、ので。
[容疑者と言われれば、疑いの理由を端的に話す。
続く問いかけには息を飲んで、]
……………思いたく、ありません。
[否定、ではなく願望を、口にした]
[開いたままの勝手口。台所からの叫び声>>187はよく響く。
内容までしっかりと聞こえていたものの、咄嗟には意味を解せず、目を丸くするばかりだった]
……ハシェ、さん?
[ぱちくり、瞬く。
見張りをしていた自衛団員も、何事かと声のした方へ目を向けていた]
……覚悟、なんて。
まだ、『ここにいる』とは限らないでしょうに。
[希望的観測も含めた言葉を、のんびりとした口調で言って、階段を降りてゆく]
ですねぇ、この時期は仕方ありませんが。
いえいえ、気に入っていただけたなら幸いですよ。
[お茶への礼に、返すのはやはりどこか呑気な笑み。
先に過ぎった険しさは、一見すると見受けられない]
―一階・台所―
思い返せば一年前!
どうして僕はすぐにヘルムートさんが好きだと気づかなかったんでしょうか…!
奏者かと思い買いに走り、しかし違ったときのあの絶望ったら!
あ、危ないですからお手を出さずに。どうか危険なことはなさらないでください!
[置いていっていることに気づくわけがない少年である]
あなた(の曲)に出会えてから、僕の人生は変わりました!
すべて神のお導きのおかげです!
本当はこのような場所で、このような状況でお会いするつもりはありませんでしたが、嗚呼。神に心配をさせてしまうとは僕はなんと情けない…!
本当に大丈夫ですから、どうぞ神はご心配をなさらずに。嗚呼、お水などお飲みになりますか?
[本人を前に神とか言ったうえに、曲とか補足は口から上らなかった。正直、言葉足らずもいいところで熱烈な愛の告白となっている]
― →一階/廊下―
…あー、いや、そうだ、そうだったな。
限らないって前置きしておいて…申し訳ない。
どうにも悲観的になっちまってよ。
[のんびりとした彼の口調。
もう一度苦笑を湛えて、肩を竦めた]
……賑やかな奴はいつでも賑やかにやるもんなんだなあ。
[詳細は分からないが、広間か――台所の方から、叫びじみた声が聞こえる。
多分あの神学生なんだろうなとか、そんな事を推測しながら廊下を進む]
―外・井戸付近―
はっはっは、努力次第で好転もするさ。
[フォルカーの体調の事を詳しくは知らないが。褒められたように感じたのでそう言った。
自分で出来ることは自分でしましょう、は母親のモットーで。自分もそれに伴い、フォルカーが桶に水を移すのを見てはいたが、やっぱりちょっと大変そうに見えた。吐かれたため息にポンと肩を叩いて。]
とりあえず今はそれだけあれば十分さ。後で俺か団員がいっぱいにしとこう。
…そっか、ならフォルカーが爺さんが生きてた時に会えた最後の奴だったのかもな。
[正確には、最後から2番目になるのだろうか。フォルカーが犯人でなければ。
願望には、うんうんとこちらも頷いて。]
そうだよなぁ、この中に人狼がなんて言われても……
耳か尻尾が生えてりゃ解りやすかったのに。
[真面目にそう言った。悲鳴だか叫び声だかが聞こえたのはそのあたりだったか。]
おっと何だ?
まさか早速人狼が、ってわけでもなさそうだけど…。
水も汲んだし、行ってみるか。
[そう言い自分が桶を持つと、フォルカーを促すように台所の方へと向かっていった。]
─ 一階・廊下─
いえいえ。
まあ、いきなりこんな事になっては、已む無しでしょう。
[苦笑する様子に、こちらも肩を竦め]
賑やかなくらいで、いいかも知れませんよ。
……とはいえ、一体何がおきているのやら。
[内容までははっきり聞こえないが、声からしてウェンデルなのは察しがついていた。
ともあれ、どうせ行くつもりなのだから、と歩いていく]
ああ、広間の暖炉もおこしておかないと、ですね。
あ、嗚呼、
…えーと。
神なんてそんな、大層なモンじゃなくてだね…
[怒濤の告白?に女は祿に口を挟めず、内容は何処まで理解できたやら。
下ろしたままの髪を指で弄りつつ困惑する様は、昔馴染ですら見れば珍しいと思えるであろう。
それでも相手の頬に寝痕を見つけ、僅かに口許が緩む]
…オーケイ、坊や。
水は要らないから、取り敢えず顔でも洗って来なさい。
それに、そっちも手当てしないと。
[尚も続きそうな話を、手を上げて遮った。
示すのは僅かに切れた相手の指]
―外:井戸の近く―
はい、御願いします……
[些細な作業すら苦労することにフォルカーの眉が下がる。いっぱいにするとの言葉はありがたく受け取って、任せることにした]
あのときは……元気だったのに、どうして、
[元鉱山夫のことを思えば、つい、涙腺が緩みかけてしまい、頭を振った。
ダーヴィッドの台詞は真面目に言うからこそおかしくて、笑みが浮かぶ]
……それだったら、きっと、
そもそも人里に来ないんじゃないかな。
[少年が桶を持っては辿り着くまで時間のかかることは容易に分かる。だから桶は素直に明け渡して、促しに従い、彼と共に台所へと戻った]
─二階・自室─
[台所の熱烈な告白が部屋まで届く筈もなく。下に降りるのは身体が温まってからにすることにした。荷物の中から一冊の本を取り出す]
母さん……。
[それは母が生前書き続けていた日記。鍵が付けられたそれは、両親が死んでから一度も開けたことが無い。今日初めて、読んでみようと思った。暖炉の前に椅子を置くと、それに座り日記の鍵を開ける。部屋にページを捲る音だけが響いた]
―一階:台所の勝手口側―
[押さえを置いておいた扉から中を覗き込むと、顔を紅潮させているウェンデルと、先程はいなかったヘルミーネの姿が見えた]
……ハシェさん、ヘルミーネさん……
何か、ありました、か?
― 一階/廊下―
仮にも神学校の学生が……
[休学措置はとったとか、そんな会話は耳にした気がするが。
呆れたように溜息を吐く。
――もちろん、自身もあまり他人の事をとやかく言えない立場である事は自覚済みだ]
ああ、そうか。食事出しても食べる場所が冷えてたらアレだもんなあ。
人がいなかったら、俺が暖炉起こしておこうか?
[ひょいと首かしげ]
―台所―
嗚呼、お早う。
[勝手口に立つフォルカーらを見て、軽く手を上げた。
訊かれたことにはやや口篭り]
…何というか。
グラスを割ったようでね、片付けようと思ったんだが。
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