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―月の玉座近く―
ん。ホントに綺麗だったね。
それにとても楽しそうだった。
[そろそろおろして、というように榛名の頭をぽふっと叩く]
そういえば、さっきは一緒にお祈りしようって夢中になっちゃったけど、眩しいとか、大丈夫だった?
[つまりは自分は目を瞑っていたわけだ]
それにしても、なんか圧倒されちゃったよ。
宴が目当てってヒトも多いってナタさんは言ってたけど、儀式もやっぱり凄いよねえ。
[慣れてしまえばそうでもないのだろうか。
まだほわーとした顔と声で祭壇の方を見ながら言った]
ゆべ…ゼル、ギウス?
ゼルギウス、お兄さん、だね。
お姉さん、お友達いっぱい、だね。
[最初に言われた名を呼ぼうとしたものの、ナタルが言い直した方がお名前なのかな、と思って自分も言いなおし。
にこっと笑って首を傾げ言った後、宴のことを聞くと更ににこにことして。]
すごいね。
ギシキもすごい、きらきらでキレイだったのに。
ウタゲを楽しみな人がおおいってことは、もっといっぱい、きらきら、なのかな。
[どんなだろう、とわくわくしている様子で。]
そう、助けられてる!
迷子になるのは子供の特権だし、
発見も沢山あって 楽しいかもな。
[少女の声に 笑みを深めてうんうん頷く。
エーリッヒには 手を伸ばしたまにわしゃわしゃと
頭を混ぜたり 弄び]
乗せてもらったか?
ふかふかだったろ!
[自分の手柄の様に 自慢げ*]
―月の玉座―
[頭に感じた感触に、ゲルダを下ろして]
うん〜、大丈夫〜。
[ゲルダの心配する言葉にはそう笑いかけて、
普段よりも珍しく、半分以上おきてる様子で今はたつのもさほどふらついていなかった]
儀式は〜、すごかったね〜。
宴も〜すごいかな〜?
[おろしたゲルダを後ろからぎゅっと抱きしめて、
自分も祭壇の方を一緒に見ていた]
ゲルも〜、宴いく〜?
―離宮→東の泉―
[何処をどう走ったか覚えてねぇけど、とりあえず外に出たあたいは疲れたんでちょっと木に凭れて休憩してたのさ。]
(………何か、疲れた。腹減ったな。)
[って言おうとしたんだけど、言葉が口から出なかった。飛ぼうとしたけど思うように体が動かない。何か変だった。]
(んぁ、何だ…?)
[手を見たら、何時もとなんか違う気がした。]
っ。
[ホントは「げっ」て言おうとしたんだけど、言葉は途中までしか出てこねぇ。
手の甲はさっきまでなんとも無かったのに、変な印が付いていた。
そこから薄っすく感じるのは女王の気配。印が何を意味してるか、あたいはその時は知りようもなかったけどさ。
あたいはあわてて甲を樹に擦り付けてその印を消そうとしたんだけど、手が赤くなって少し血が滲むだけで、それが消えるはずもなかった。
ついでに、手が少しでかくなったのにも気づいた。
服装が何時もより重い。今まで来ていたあたいお気に入りの水色ワンピでなくて、白くて裾の長い、着物って奴だ。]
[結局、一度身なりを整えた方が良かろうと、館の方へと歩き出す。途中、妖精騎士団長の姿を見かけると、声をかけ、謁見について確かめた]
では、女王陛下は離宮に?
[ふむ、と考えたのは、妖精王の長話から逃れるチャンスと過ったからかも]
─月の玉座近く─
へぇ、ゼルギウスさん
長いからゼルさんでいいか
[そう呟いて、黒江と話すゼルに目を向ける
向こうから会釈をされれば、こちらも会釈を返す]
[無論、会釈の瞬間に条件を満たした訳で、ゼルの背後に跳ぶ事も出来たが、彼女とて話の腰を折るほど無粋でなく、なによりその話し相手が先ほどやりすぎた黒江であるるため自重したとか]
そう、なんだ?
でも、迷子になると、お姉ちゃんたちに、怒られちゃう、から。
…うん、ふかふかだった。
それにね、いつもより背が高かったから、すごく楽しかった。
[自分でそう言ってしょんぼりしてしまったけれど、エーリのご主人さまは、おっきいし男の人なのにエーリみたいにあったかで怖くない笑顔で。
エーリの頭を撫でたりわしゃわしゃしたりしながら、ふかふかだったろ?と自分のことみたいに嬉しそうに言われこちらも嬉しくなってにこにことしてお返事し。]
―東の泉―
(――うぇ、まさかこれって………。)
[慌ててあたいは、その辺に湧いてた泉に近づいて覗き込んで、自分の顔を確かめてみた。
茶色っぽかった目と髪は、今じゃ水色よりも薄い雪色で、肩までなかった髪はやたら伸びて足元まで流れてった。
歳も多分、前より5か6は食ってやがる。]
(でっ!?やっぱ元戻ってるー!?何でっ!!)
[あたいははるか昔に失くした自分の姿に、そこに立ち竦んでた。]
(うわあ落ち着けあたい!ずっとこのままとかねぇはずだっ!
ってもなんで急にこんな―――ってあああさっきの"アレ"かよ!)
[とあたまのいいあたいは原因に思い至ると、余計にぐったりして泉の脇に座り込んだ。
いつもだったら倒れこんで横になって寝る勢いなんだけど、それはしねぇ、というか出来なかった。]
ゼルギウスお兄さん、葉ノ介お兄さんともお友達、なのかな。
[黒江と話している様子をナタルやリディ達と同じように見て、皆お友達いっぱいなんだ、とちょっと淋しくなったのかしょんぼりとして。
ナタルからそろそろ宴にいこうと言われると、我にかえったように頷いて。]
うん、ウタゲ、行きたい。
みんな、いっしょが、良い。
[そういうとナタルとリディの手を片手づつ握って、エーリ達もいっしょに、とお願いするようにじっと見た。]
―月の玉座―
そう?なら良かった。
百年に一度なのに、堪能できなかったら悔しいもんね。
[下ろしてもらうと顔を見上げて。
普段滅多に見られないくらいまで覚醒してる榛名にニッコリ]
舞とか音楽も。
やっぱり宴も凄いんじゃないかな。
もちろんボクも行きたいよ!
[ぎゅむられている腕をとんとんと叩く。
また二人手を繋いで歩いてゆくことになるだろうか]
[こちらの考えを察したか、騎士団長に、女王は休息中で、謁見は、やはりもうしばらく後にと伝えられて頷く]
では、先に、これを女王にお渡し願えるか?
我が主よりの祝賀の品、正直、持ち歩いていると気が張っていけぬ。
[苦笑しつつ、懐から取り出したのは、精緻な彫刻に飾られた小さな宝石箱。中に納められているのは、金と銀の大粒の真珠]
地底の湖にて採れる真珠、海の真珠とは輝きも違う。女王陛下の美しさを引き立てる役に立てて欲しいとの、主の心、お伝え願いたい。
はい、よろしくお願いしますね。
[リディが自粛したこともビーチェがちょっと寂しそうにしたことにも気づかないまま黒江>>203へと視線を戻し。
重なる手を握ったときに指笛が聞こえ、ふわり、と身体が浮く感覚。
そのまま手を引かれて黒江に抱き上げられて驚いたように瞬いたけれど、空中ではそのほうが楽なのだろうと判断して断ることはしない]
わっ……、すごい、ですね。
空を飛ぶって、こんな感じなんですねえ……
[人の姿の黒江の服を握った状態で、飛翔に伴う風を感じて眸を細める。
力強い羽ばたきの音と、過ぎてゆく風に青銀がさらわれるように靡いた]
ふわぁ…お兄さん、浮いちゃった。
[黒江とゼルギウスが空を飛ぶのを見て、目を丸くして。
エーリが一緒に、と大きく頷いてくれたのを見れば嬉しくて表情が明るくなった。
ナタルの、友達みんなで、という言葉にはきょと、と見上げて。]
ナタルお姉さん、私も、お友達?
[そう、問いかけた。]
―月の玉座―
うん〜、せっかくのお祭りだよね〜。
[ゲルダに笑顔を向けられると嬉しそうにしていた。
宴へはゲルダの言葉に頷いて]
それじゃ〜、善は急げ〜♪
[そう笑いかけて、一度さきほど儀式のあった祭壇の方を見ると、
そっと手を伸ばし宙を掴むしぐさ、微かに口元に笑みを浮かべた。
それからゲルダと手をつなぎ、歩くのもやはり普段よりもふらついた様子は薄く、
それでもやはり眠そうな様子は残ってはいた]
―東の泉―
……そのうち、戻る、かな。
[あたいの口から零れるのは断片的な言葉だけ。
言葉が出ない、動きが鈍い、空も飛べない。
こんなあたい嫌だ嫌だ嫌だ。
あたいは赤くなった手の甲についた印を、座ったまま見ていた。
遠くから楽しそうな声とか音とかが聞こえんだけど、そっちまで出てく気にはならねぇのがな。
あたいがあたい、ベッティ・オヌリットに戻るまでにもうちょっと時間はかかりそうだった。]
うん、たのしそう。
お空とぶのって、どんな感じ、かな。
[自分の足では空まで翔けることは出来ないのが解っているから。
純粋に、知りたいな、と思いそんなことを呟いた。
ナタルから違った?と首を傾げ問い返されると慌てたものの嬉しくて表情が綻んだ。]
うう、ん。
お姉さんが、お友達なら、嬉しいなって。
リディお姉さんも、エーリッヒちゃんも。
えと…エーリッヒちゃんのご主人、さまも。
[そう言って、それぞれの顔を見。
イヴァンの名前を聞いていなかったことを思い出して、なんて呼ぼうか一瞬悩んだのは内緒。]
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