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笑っちゃう、かな。
歯車の生き死になんて、気にすることじゃないでしょう。
なのにさっき貴方は、私まで死ぬこと無かった、って。
何を気にしていたのかな。
争いをただ愉しんでいたなら、
私の命なんて如何だって良かったはずじゃない。
どうして、そうやって距離を置こうとするの?
[唐突に、止まる、動き。
その理由は、大体察しがついた。
聖別されし銀の力は狼には毒となる、と。
伝えられてきた伝承によるもの。
ほんの一瞬、誘いかとも思ったが、しかし、つけた刃の勢いは止まらず。
振り切った刃は白銀の胴体を捉え、左の肩へと抜ける紅の一筋を描き出す]
……餌になる気は、ない!
そして、これ以上は誰も喰わせねぇよ!
[言葉と共に、振り切った刃を戻し。
軽く、後ろに引いて、突きの一撃を繰り出す。
勢いをつけた突きとするには、引き戻しの距離はやや、不足しているが、構う事はなく]
貴方が。アーベルが。
[首を傾げる。]
どうして、近づけさせてくれないの?
[す、っと一歩を歩んで、アーベルのごく間近へ。
いつかのように、顔を覗き込むようにして尋ねる。]
[視界の揺れを振り切り、意識を目の前の男に戻した時には、銀が己が身体の上を走っていた]
グ、ガアッ…!
[身体を走る鋭い痛み。
切り上げの勢いもあって後ろへと一歩よろめいた。
ここで倒れなかったのは、もはや、執念]
キ サマ ァ!
楽 ニハ 死ナセン ゾ!!
[叫び、突き出される銀に真っ向から立ち向かう。
既に己の死期は悟っていた。
ならばせめてこの男だけでも道連れにしようと、鋭い牙を剥き出しにし。
その顎門を大きく開く。
相手の突き出しと己の踏み込みの勢いで、銀は違うことなく左胸へと突き刺さり。
それと同時に開かれた顎門は男の肩口へと襲い掛かった]
[表情の消えた彼が声を発することはなかった。
ただ、何も言うことが無いというわけでもなさそうだった]
[ただ黙ったまま、何の表情も浮かべず、視線だけが地に下りる。
ゆるやかに白猫を抱いたまま]
[見つめるのは、終わりの瞬間。
全てが終わる時にのみ、伝えられる言葉があるのだと。
魂が知っていたのかもしれない]
別に、
[否定染みた言葉は意味を為さない。
一歩、退いた]
……っ、関係、無い、だろうに。
[赤と青は、ゆるり、逸らされようと]
[ティルの声は聞こえない。もう主の姿しか見えていない。
ティルの腕はすり抜けた。敬愛する以上に愛する主の所に真っ直ぐ走る。
意識はすぐ傍にいてくれるのに。
伸ばした手が届かない、前に躍り出る事すら出来ない。
もうすぐ…もうすぐなのに。
だから間近で愛した人が、刺され再び守護者に襲い掛かるその様子がゆっくりと、見れた。
同時に毒が、心臓に深く刺さってゆく様も。]
< 下りる視線とは対照的に、
白金の眼差しが上を向く。
消えた表情の中に何を視ているかは、
宿主たる青年すら知らず >
……なにっ!?
[弾かれる可能性も掠めた突きが伝えて来たのは、深く、他者の身体に食い込む手応え。
相手が避けなかったのだ、と。
それに気づくのが、少し、遅れた。
そして、それに思考を奪われた隙をつくよに迫る、顎。
それを避ける暇はなく──]
……ぐっ!
[伝わる衝撃。
次いで、熱さが伝わる]
てめぇ……上等、だっ……!
[激しい痛みを感じつつ、しかし、手の力は抜きはせず。
歯を食いしばりつつ、ぎり、と短剣の刃を回した]
関係なくない。
[退くアーベルの手を掴んだ。
目は真っ直ぐにアーベルを見つめ]
……私、アーベルが好きよ。
前にも言ったけど。
本気にはして貰えなかったけど。
[ふっと微笑う。]
どうして、逃げるの?
私は……傍に居ちゃ、いけないの?
ガアアアアアアアアアアッ!!
[捻られる刃に咆哮とも悲鳴ともつかぬ叫びが上がる。
叫びのために肩口から浮く牙。
全身に回る銀の毒も相まって、顎門は緩み、身体は後ろへと倒れ行く。
最期の足掻きと、横薙ぎに揮われた爪は、果たして相手へと届いたか]
[ぴくり。身体が震えて。
ぱっと丘の上の主人を見遣った。]
だから、無茶はしないでくださいって。
どうしてどの人も、自分を大切にしてくれないの?
[今の自分には何もできない。
それはよくよく判っていたから。
駆け出すことはしない。ただ、見守るしか。]
姉ちゃん!
[エーリッヒに向かっていくイレーネを捕まえようと走る。
しかし、子供の足では届かなくて]
駄目っ!駄目っ!
[腕を伸ばし、止めようとして]
[見開く、眼。
されど次の瞬間には、
赤と青とは眇められる。
暫しの沈黙。
何か物思うように、眼前の女の瞳をみる]
……後悔しても、知らないよ。
[白猫の見つめる間に、暗紅色はどんどんと薄れて。
だが以前のような翠になることもなく。
見つめる相手のような透明に紅も翠も混じる不可思議な色となる。
青年の一部であったはずのちいさきものは。
その中に何を視たのだろうか]
エーリ兄だから、ね。
[昔から知っている、
兄というより、悪友のような存在。
会わぬうちに、識らぬ事も多くなったけれど。
何処か似ていると、そう思ったことも、あった。
死者は、生者には干渉出来ない。
たとえ出来ても、止まる男ではない。
そうと、理解しているから。
故に、何も、――しない]
[不意に、腕にかかる、重み。
視線を向けた先の少女に、舌打ち一つ]
……放せっ……。
[痛みを堪えつつの言葉は、咆哮にかき消されるか。
肩が自由になる感触。
動ける。
そう思った瞬間、とっさに縋りつくイレーネを強引に横へと振り払っていた。
それで、動きが止まったが故か。
直後、振るわれる銀の爪は完全に避けきれず、熱さと痛みが腹部を駆ける]
……く……はっ……。
[声は出ず、代わりに零れたのは、真紅。
二、三歩、後ろへとよろめき、その場に膝を突いた]
……するもんですか。後悔なんて。
[微笑む。
と同時に、かち、と音がして、紅い首輪が外れた。
一瞬驚いたようにそちらに意識が向けられるも、目はすぐアーベルに向けられ、発される言葉には、ため息をつき。
丘を見る。
凍りついた。]
[どう、と仰向けに地へ倒れ。
左胸からは紅き雫が湧き出るように流れ行く]
ゲッ、アッ……ゴ、ホッ…。
[声を出そうにも喉に込み上げてくるもののせいで言葉にはならず。
ただ呻き声が響いた]
【生者は行進を続ける。
ならばこそ、輝き続ける。
死者は停滞を続ける。
ならばこそ、安息をもたらす。
光。闇。
それでこそ、世界。
それでこそ、ヒト】
【何ゆえ、生者は闇を求めるか?
何ゆえ、死者は光を求めるか?
答えなど、分かりきったこと。
運命。宿命。
そのようなものは存在しない。
ただそれこそが現実であるという事実のみ
事実が分かれば、結果など、容易に想像出来る。
いや。結果があるからこそ、事実になる。
それだけのこと】
ぅ、あっく!!
[遠慮なく思い切り、振り払われ丘に叩きつけられた。
聞こえる咆哮、血の匂い。苦悶の声、そしてティルの声。
それが遠くに聞こえるほどに、表の意識が一瞬霧散した。]
…、ぅ。
ぅ…ん…、―――!!!
[ほんの数秒、消えた意識を取り戻すと、草だらけの体を起こし、倒れた主の傍らへと膝をついた。]
ユリアン、ユリアン!
ぁ、あ、ユリアンっ!!!
[銀の短剣からは血が溢れ出て。この毒を抜かなければいけないのだが、今抜けば確実に今以上の血は溢れるだろう事は理解できて。ただ今は、傷口をストールで押さえるだけ。]
ユリアン、しっかり、しっかりして―!
[呻く主の名を何度も呼びかける。]
――馬鹿、
此方に来たら、笑ってやる。
[己も、あんな風だったのか。
そう考えたら、笑いが零れた。
楽しいわけでは、なかったけれど]
【そう。事実。事実なのだ。
世界を変えようなどとは、おこがましい話でしかない。
されど、少女は夢見た。
されど、少年は希望した。
世界は変わらない。誰にも変えられない。
もし変わるとするならば、
―――ここが、幻や夢の舞台であったということか】
笑えないわよ、あれは――
アーベル!
[掴んだ手に力を込める。]
行かなきゃ。もう、黙って見てられない。
判ってても……無理!
[アーベルの手は握ったまま、駆け出す。]
[響く、声。
それは、いつかも聞いたもの。
その時は、自身のした事への覚悟もなく、押し潰された。
だが、今は。
心揺らされる事もなく、静かにそれを見て、聞いていた]
……ち。
さすがに……効いた……。
[勿論、動けぬ理由には、肩と、腹の傷もあるのだけれど]
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