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とに、かく。
早く、ゲルダの手冷やしてあげないとね。
私、いってくる。
[青褪めたまま、考えるよりも動く方が性に合っている少女は止めていた足を動かしてベッティのところへと向かった。
ほどなくして濡らして適度に絞ったタオルを手に戻ってくる*だろう*]
─工房『Horai』寝室─
ん……おはよ。
[口付けの前に、急ぎの用件があったので、
まだ寝ぼけている様子の夫にやや困惑した表情のまま、
もう一度同じような言葉をかけた。]
自衛団からの呼び出しよ。
今から急いで宿まで来てくれって……
団員の人が下で待ってるから、出かける準備、急がないと。
[じ、と、まだ寝ている夫の赤い目を見て、
起きた?と問いかけるようにこちらも少し首をかしげた。]
あ、うん、クロエ、何から何まで有難う
[タオルを取ってくる幼馴染に甘え、蒼鷹を視線を合わせれば、わ、と少女の様に表情を綻ばせた。]
珍しいね、この子、人に慣れているんだ
[蒼鷹を見詰め、こてん、と娘は小鳥の如く頸を傾ぎ。キーファーと呼ばれる其れも同じしぐさを返して呉れるだろうか。]
―――…薬は、うん
痛んだままなら、お世話になるかも知れない
其の時は御願いするよ
[ライヒアルトにそう答えると、
彼もまた自衛団に呼ばれたと返答が返り。]
ん、少し休めば平気だから
心配して呉れて有難うなのだよ
[ユリアンの気遣いに、淡く笑みを湛えて。]
[クロエ>>211に言われれば頷き一つを返事代わりとして
ゲルダの様子を見るけれど酷い怪我では無さそうで
慌てた様子は無かった。
甲斐甲斐しくゲルダを気遣うユリアンにゆると目を細め]
お前さんが手当てしたいなら貸すぞ。
[近くで見てはいないから薬が必要か如何かまでは知れない。
ゲルダの方に視線を向け、必要か?と問うように首を傾げる]
―宿屋 食堂―
何かあったのかしら?
[入るなり聞こえてきたのは『人死に』という言葉。
訝しむように眉を寄せる。
視線が向かうのは何処か覇気のないゲルダであったり、傍の鷹であったり。
ユリアンから声が掛かれば、一度表情を笑みに変えて]
あの嵐でしたもの、気になさらないで。
わたしも昨晩は帰れなくて、ゼルギウスさんたちのところに泊めていただいたの。
[そうして手にした籠を示し]
団長さんのお話が終わったら、お時間頂いてもいいかしら。
―宿屋・厨房―
おっ、クロっちじゃん、どうしたの?
[クロエがこちらにくるとゲルダの話しを聞き]
まじか?
自衛団員が村人に怪我させるとかなに考えてるんだ?
[若干の不信感を浮かべながら、ぬれたタオルをクロエに渡して]
そっちは頼むな、こっちも用意終わったらそっちに戻る。
[そうクロエにお願いした]
事故じゃなさそうだな。
こっちにはそんな話さえ無かった。
[アーベル>>221の齎す情報に青年の眸が眇められる。
人死にが出て理由も告げられず集められた。
容疑者扱い、そんな言葉が頭を過る]
ん、ああ。
何時でも言うと良い。
――…と、未だ痛むってことか。
それなら先に診ておいた方が良さそうだな。
[ゲルダの返事>>227に柳眉を寄せる]
ほおっておいて膿んだなんてのはイヤだろ?
―宿屋 食堂―
昨日ぶりね、アーベルさん。
……あら。
[“美人”らしい笑みと共に挨拶をした後で、彼の言葉を吟味し瞬く]
他にも呼ばれた方がいらしてるの?
[よもや全員とは思わずに、周囲の人間を見渡した]
[カルメンの登場に微かに目を瞠る]
さて、自衛団は何人呼び集める気だ?
[怪訝な表情をして呟くが
思い出したようにカルメンへと会釈した。
ユリアンの言には僅かばかり首を傾げる]
あ?
えらく親身に世話やくんで言っただけだが。
助平と呼ばれるような事があったか?
商人は信用第一だろ。
信用落とすような事があっちゃ親父さんが泣くぞ。
[窘めるような言葉を紡いでから、ゆると頷く]
─工房『Horai』/寝室─
ん?なんで自衛団の人が……―――
嗚呼、もしかして、昨日地が崩れたみたいだから
その関係かなぁ。
[生まれ持った身体の色彩故。
闇にいるのが多い身は、朝には弱く。
ようやっと、回転し出した頭で妻の言葉を噛み砕き理解する。
首傾げる青を見詰め、コクコクと頷いた。]
判った、出かける準備、急ぐね。
あっ!!!
[のそっと起きた後、急に大声を上げる。]
朝の準備するっていってて、出来なかった。
ごめんね。
[しゅんと頭を垂れた後、身なりを整えに褥から外へと。]
カルメンさん?
[席につこうとした途端、彼女の声が聞こえてきて。
はっとして振り向くと何時ものように帽子を被る姿が見えて。]
あの…カルメンさんも此処に来てって云われて?
[自分や先に来ていた面々の他にも呼ばれていたのだと知らず、
何処か不安そうにカルメンを見詰め。]
ン… 痕になったらクロエに心配されちゃうしね
[冷やすことと念を押され、娘はうんとユリアンへ頷き。
クロエが戻ってくると紅い痕の手首に巻かれる事となるか。]
…?手当なら僕は別に…
[ユリアンに治療を勧めるライヒアルトを不思議そうに見遣るも、
膿になると言われ、娘は言葉を詰まらせた。]
う………其れは厭だな
手首を掴まれるとそうなるだなんて思わなかったよ…
それなら一応診て呉れても構わないかい?
[痕が残る手首を擦りながらそう返した。]
崖が崩れたんだったな。
それだけでも自衛団は動揺してただろうよ。
平和な村だから、な。
ま、アーベルの言うように訳ありなんだろ。
そういうの見抜くの、お前さんはうまいし。
[幼馴染>>240の見る目を信じていたからそんな返事をする。
厄介事にはなるべく関わらずの立ち位置だった青年は
自衛団にカマを掛けるなんて事思いつきもしなかった]
[そうして、伝奇を語る彼女の周りには少しずつ人だかりが出来ていたか。
彼女自身もワインで舌を潤しつつ、様々な物語を教えていく。]
……という話だったのさ。
[そうしてまたひとつ物語が終わりを迎え、ちらりと辺りを見回し、]
ふぅ……さて、と。そろそろいい時間のようだね。
では、本日の物語りはこれにて幕を下ろすとしようか。
では、皆様。よい悪夢を。
[ぎしと席を立つと、恭しく一礼をする。
そうして、ベッティの方に向き直ると、]
ごちそうさま、ベッティ。先に寝させてもらうぜ。
ベッティも程々にして寝ろよ。
[そう言って、自分の部屋へと引っ込んだ。]
女の子が怪我してたら当然のことでしょう。
でも矢鱈に触っちゃダメらしいから。
[らしいというのが男所帯で育った悲しさ]
泣く前に説教責めになりそうですけど。
そんなことはしてませんよっ。
[宥めるような言葉には不満そうに言いながら頷き返した]
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