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[浮かび上がるは様々な鋼鉄の部品。シャフトや歯車が天井でギシギシと回り、床も鋼鉄の元素である鉄や銅を示すくすんだ赤い色一色に染められていた。空気も鉄の饐えた臭いが漂い、元々森の住人であるゼルは自然の感じられない室内に、溜息と共に眉を顰めた]
よりによってこんな自然のないところで……って、こんな状況じゃ水の精霊の助けってもらえないじゃないか!
[そうなってはヘルムートと力比べをするべくスタート地点で詠唱した魔法の力を見せることができない。それが残念で、一度ヘルムートに視線を投げてみた]
─D-4─
…………本当に大丈夫か。
[自主規制なりかけの様子に、ぼそりと突っ込みをいれ。
ともあれ、自分も休息を取る。
その最中、投げられた問い]
…………。
[しばし、訪れるのは沈黙]
……『闇焔(ヤミホムラ)』。
俺の中に棲み付く……異界の魔獣だ。
[いつもなら、そのまま口を噤んでいるところなのだけれど。
何となく、ナターリエにならあんまり驚かれないんじゃないか、とか。
好意的なのか悪意的なのか良くわからない思いから、ぽつり、とこう返した]
ほう。
周りの様子を確かめておく、か。
さすが我がパートナー。抜かりないな。
[ベアトリーチェの様子に何を勘違いしたか、変な感心の仕方をした]
……?
[と。そこでゼルギウスがこちらを眺めているのに気付いて、視線をそちらへ移して、首をひねった]
……どうした?何か用か?
ああ。もしかして、手加減してくれという話ではあるまいな。
残念だが、それは出来ぬ相談だ。
私だけならいざ知らず、今回はベアトリーチェと運命共同体なのだからな。
ふ……まあ、例え私一人だけだったとしても、そのようなことをしたほうが貴様に対する侮辱だと思うから、力一杯戦わせていただくがな。
[非常に勘違いしたことを言い出した。
日頃、人の悪意を受けても平然とすごせるのを見て分かるとおり、人の感情の機微には酷く疎かった]
…
[油の匂い、歯車の噛み合う音、鋼の色]
…戦場に似ているな、この環境の不快さは。
[しかし、故郷の一部のような、奇妙な居心地の良さも感じていた]
[訪れる沈黙受けながらライヒアルトを見つめるでもなく。言葉が出るのか。と待って]
ふむ…
[なんで?とは聞かない。ただ。何かあると思っていて。そして今までの態度から納得がいく。
その異界の獣を宿す右腕を見て]
それが理由で一人が気楽…であったわけか?
[静かな声で。ほぼそうであろうと思いつつも聞く]
…………違うんだけど。
[自分の学科にはない物だから珍しいなぁ、と思って見てただけだったり。]
「まぁ、ソレがヘルムートだ。」
[ふぅ、とため息をついたが、全て「だって、ヘルムートだし。」で、終わりそうな気がしている。]
[静かな声で重ねられる問い。
一つ、息を吐いてから、頷く]
まあ、な。
この性悪魔獣、制御失敗すると俺の意思無視して周りを無差別に喰いまくるから。
……実際、それで、魔獣使いの一族は半壊しちまったしなぁ。
[口調は、何気ない風を装いつつも。
声にはどこか、苦い響き]
─次元─
[光エリアでも闇エリアでもモンスターハウスが発動し]
「ものの見事に引っかかっとるなー。
あからさまに怪しいっちゅーに」
魔法抵抗の訓練し直しかねぇ?
まぁ一部はそれどころじゃなかったようだが。
[エリア属性でダメージを受けているのも居るし]
うーん、打開策を見つけられれば、と思ったが。
それどころでも無さそうだな。
しかしあんなに影響出るもんだっけか。
「おめーの場合は別の属性の方が影響でかいからな。
一緒にしたらあかん」
…しかし、嘆いても何が変わるわけでもあるまい。
現状を認識し、常に最善をつくすのさ。
[励ましとも助言ともつかない言葉をゼルギウスにかけ]
始めようか。
[すらり、と腰の後ろに帯びた軍刀を抜き放つ]
[同時に、周囲に熱による陽炎が現れる]
で…あったか…
[その苦い響きを感じ取りながら、下手な慰めの言葉など逆効果に感じる。
こちらも何気ない風に…でも重く静かに返事をする]
だからいつもそこに龍がいるのだな
[次元魔術を使おうともしないのもそれも理由だろうか?とも思う。恐れているのだろうと勝手に思いつつも。大きく一つ息を吐き]
アル。言うまでもないことを言っておく。
過去。どうあったとしても、その腕に何を宿していようと。お前は私のパートナーだ。
[その態度は気遣いすらいらぬとばかりにただ尊大に。右腕と相棒を見ていって立ち上がり]
ん…そろそろいくか?
そういう訳じゃないんだけど……。まぁ確かに嘆いても仕方ないか。
[視線だけでヘルムートになんでもないと合図を送ると、屈伸をしたり背伸びをしたりして、準備運動を始めた。そして精霊の調子を見る]
やっぱり水の精霊は反応無しか。風の精霊は……まぁ何とかって感じかな。
[嘆息し、ないものねだりしても始まらないと、意識を集中させた]
――?
[視界の端に水の精霊が映った気がしてすぐに振り返ったが何もなかった]
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