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[鳥の囀る声。朝の音。
動き出すべき時間と分かり、寝台から身を起こす]
………は。
[とても小さく息を吐く。やるべき事は分かっているのに、どうしても身体は重かった]
女の子を口説き落とす事に、変わりはないんだけどねぇ…。
別に寝不足のせいで取り込まれた訳じゃない。
[リディアの言葉に無駄と知りつつ反論しながら、額を押さえる。ここに取り込まれてから、何度目の目眩かは覚えていなかった]
[かくして。
カレンの髪型は。片方は三つ編み。片方はお団子という状態になり。]
あは。あはは〜。楽しい楽しい〜
[と、横の空気を気にせず。笑っている]
でもいいのよ!
ラスさんは友達なんだから! お馬鹿なカルロスさんと同じくらいお馬鹿なことをやるなら、友達としてとめればいいじゃない!
その中に言葉はいらないよ!
[結局は、それが...の心の一番の根っこにになるらしい ]
……ありがとねぇ。
[くすり、と笑い。
その場に座って投げられた問いにきょとり、と瞬く]
……え?
どんなって……。
……一言で言えば、バカ?
[さっくり酷い]
[ゆるゆると身支度を整え、やる気無い足取りで屋敷の中を歩む。
今日の噂の種はその内容ゆえ、先日以上の勢いを見せていた]
…ラスも、オーフェンも、……あやめサンも。
どうしてこんな事の中心部にいるんだか。
そ知らぬ顔、しててくれれば良いのにさ。
[呟く言葉には溜息が混ざる。何かを振り払うよう、頭をわしわしかき上げた。
常のように裏口から外へ。向かう先はアヤメとエリカの家]
……あれ?
バカのひと……カルロスさんじゃ……なかった?
[と首を傾げ、伝染るって言ってたことを思い出して、納得した]
……そうじゃ、なくって……
僕たちの前の、ラスさんって……本当のラスさん、だったの、かな?
馬鹿だから馬鹿と言ってる。言われたくなければ、アヤメを泣かすようなことをするなと言うんだ。
[ラスには、半眼で睨み返しつつ、リディアには片手を振る]
おいおい、いくらなんでもカルロスと一緒にするな。
こいつは、さすがにあれほど無節操じゃない。
[とりあえず一番引っかかったのはそこだったようだ]
…泣かしてない。
俺の為に泣いてるわけじゃない。
[再び、ジョエルの言葉にはぷいっと顔を背けた
続く言葉には、とりあえず無言を決め込む。]
……アレは、大バカ。
[更に酷い]
本当も何も……アイツは、アイツのまんまだよ?
お人よしで世話好きで心配性で聡いようで鈍感で。
自分より、まず、人のために動こうとするバカ。
……でも、一緒にいると、あったかくて、安心する。
ちっちゃい時から一緒にいた。
アタシの知ってるアイツは、アイツのまんま。
『虚』に寄ってようがいまいが……変わってなんかない。
[ぽたりと頬に当たる雫。
冷たさに、眼を開いて、身を震わせる。
森で眠る様子も己を包む翼も傍らの鳥も、
護り手たる娘によく似ていたが、
四翼は異形であり、ひかりに器はなく、滴は一粒も零れていなかった]
ふと思ったんだけど、身近なところから壊すとか言ってるのに、ア〜ヤとか家族とかすごく大事にしてるし、何で堕天尸になったかわからないくらいに恵まれてるよね!
[それは、自分には決して手に入れられないものだから――]
……そうなんだ。
[最初の一言も含め、説明を聞くと、息を吐いて、安心したように目を細める]
うん、僕の知ってる、ラスさん……と、一緒
……あったかい、の
[自分の頭の、ラスに撫でられた辺りに触れ]
……頑張ろう、ね。
[アヤメに笑いかける]
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