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あや……まる……な、よ……。
[途切れ途切れ。
言葉を、綴る]
俺が……望んだ、こと……だ。
[蒼の花からの解放はずっと望んでいたこと。
だから。
そのためなら。
引き裂かれる痛みも受け入れられると。
切れ切れに告げながら。
左手が動いて、幼馴染の頭を撫でた]
[立ち上がって、雪を払う仕草]
[そんなものはもう、必要ないのに]
[未だ彼女の身体は、十歳にも満たぬ幼い少女の儘]
[とて、と頼りない足取りで、男の後を追って]
[裏口から、集会所の中へ。それから、居間へと向かう]
[そっと顔を隠そうとする様子に、そっと髪をなでて微笑む]
どうしたの?
あ、もしかしたらお腹が空いているのかしら?
[優しくブリジットに問いかけて]
[頭を撫でられる][その声を聞く]
[それでも口を離さずに]
[彼に][痛みを与え続けているだろう][蒼い花を]
[食いちぎった]
[少女は震えが止まらない]
サムイサムイサムイサムイ――
[生きている時には感じたこともなかった寒さ。
物理的というよりは、心の中の大事なナニカが消え失せる感覚がして]
[少女と対になる蒼い存在が、その役割を終えようとしていることなど少女は知る由もなく]
[ただ機械犬の横に座り込み、震えが治まるのを待っている]
[引き裂かれる、感触。
これまでとは質の異なる激痛。
叫びそうになった。
けれど。
それを聞きつけた誰かが来るのは嫌で。
声を、必死で押さえ込もうとする。
蒼があった場所から、紅が溢れる。
あかく、あかく。
白いシーツが紅に染まって、花弁を開く]
─二階・エルザの部屋─
[そういえばお腹は空いていたけれど]
[表情を隠すように鼻先まで引っ張りあげて]
[けれど]
エルザ…エルザ、ここ、出よう…?
[主語は、集会場…なのだろうか?]
[怯えていたように見えた、彼の様子を思い出す]
[部屋に篭って一人怯えているのだろうか?
それとも、すでに――]
[そういえば、あの日。
スノーマンの傍に誰かの影を見なかったか?
どうしてあの時、確認しなかった?]
[あれが、アーベルだったの、なら]
[ずる、と壁に手をついたままで蹲る]
[痛みなどない。
けれど。けれど]
[蒼い花を食らう][無理やりに喉に下して]
[零れる赤を、少しでも抑えようとか]
[獣のように][――否、獣なのか]
[零れるあまいあまいいのちを、舐める]
[やさしく]
[いとおしそうに]
……ただいま、
おかえりなさい。
[誰かと会話を交わすように、間を空けた台詞]
[一歩ずつゆっくり歩んで、
視線の先に、
奇妙な姿の犬と、座り込んで震える金髪の少女の姿]
[どうしたのだろうかと、首を傾げる]
[小さな声で告げられた言葉に、少し首を傾げる]
ここを?
[部屋を、では無いと思う]
[では、何処から?]
ここ、って、この集会場を?
それとも……
[どこか、遠くへ]
[ブリジットが、ここに居ては、危険]
[何故だかそう思って]
─二階・エルザの部屋─
わたし達……呼ばれた……
でも、もう…呼んだひとたちいない……
……エルザと一緒…
……一緒…
[遠い遠い場所で冷たい風を切り裂く鉄の音が聞こえたような気がしたけれど、もしかしたら風の声かもしれない]
[『あおが、きえた』
そんな考えが、ふと過ぎる。
解放。
望み。
叶えられた安堵]
……………。
[伝えようとした言葉は、音を結ばない。
病魔を抱え、衰弱を重ねていた身に、今の衝撃は余りにも大きすぎて。
声が、出せない、から。
まだ動く左手で、そっと、頭を撫でて]
[機械犬がナニカに気付いたように、入ってきた女の子に向かって「わふ」っと吠えた。
この場に人がいたら何もいない方向に向かって吠えた機械犬を不思議に思っただろう]
[舐めても舐めてもあふれてくるあまい血]
[涙が頬を伝うだろうか]
[それでも][頭を撫でる弱い手に]
[微笑が浮かんで][消えて]
[そのあまい液体をあきらめて]
[そっと首筋に][顔をうずめて]
[やさしく、口付ける]
[甘く]
[別れを惜しむように]
エーリッヒ……ごめんなさい
[そして、口唇を、赤い、血の色の唇で、]
[そっと][ふさいだ]
…呼ばれた?
[誰に、なんと呼ばれていたのか想像はできたけれど]
[それでも手を離すことなど出来なくて]
えぇ、ずっと…ずっと一緒よ?
一緒に行きましょう…遠くへ…
[一緒に居れば守れるかも知れない]
[誰を? 誰から?]
[自分にはわからなかったけれど]
[なんで謝るんだよ、と。
声に出して問う事はできなかった。
声が出ないから。
そして、唇が塞がれたから。
伝わるのは、自分の血の味なのだと、ぼんやりした意識が認識する。
それでも。
それが不快かと言うとそんな事はなくて。
心地良さすら、今は、感じられた]
[犬のようなモノの鳴き声に、首を小さく傾げる]
[遠くから聞こえた銃声に重なり、その音は蹲る男には届かない]
[とて、とて、と――足音はしないけれど、そんな感じで近づいて。
機械のイキモノに触れようとした手は、すり抜けた。
それを挟んで、黄金の髪の少女の隣に座る形になる]
寒いの?
[対象的な、銀色の髪がさらりと揺れた]
『あおが、きえた』
[そんな言葉が頭をよぎり]
[そもそも『蒼』とは何か、少女は知らないのだけど]
[機械犬の鳴き声に顔を上げた少女は一人の女の子と目が合う]
うん、寒いの。とても。
あなた、だあれ?……イレーネさん?
[少女の知ってるイレーネとは姿形がまったく違うけど。
なんとなくそんな気がして少女は呼び掛けた]
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