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窓の傍に?うん、いいよ。
[カルメンのお願いに頷き、その近くまで手を取り移動した。
そのまま横の壁に寄りかかってオカリナの音色を聞いていたが、器用に立ったまま眠りこけてしまう]
……Zzz.
[更に人が増えても気づかないほどにぐっすりと]
むさ苦しいと思っているなら、髭ぐらいそりなさいな。
無精者は、女性に好かれないわよ?
その点、私の愛する彼はいつだって清潔。毎朝髭剃りは完璧よ。髭生えているとキスするときチクチクするし。
まあ、あなたも愛する伴侶でも出来たら変わるのかしら?にはは。
[ハインリヒにのろけを交えた言葉を返して、最後に微妙に不思議な笑い方をして、ロミの言葉が聞こえると、小さく口を開けた]
え。
本当にハインリヒさん、犯罪者だったんだ。
ロミちゃんの告発は有力な手がかりですね。
それでそれで、ロミちゃん。彼の罪は何でしょう?
[笑みを含みながら、聞いてみた]
全くもう。
女性の名前を忘れるなんて、酷いです。
[その笑みに絆されたかのように、台詞とは裏腹に口調に怒りは見えない。
荷物を一端降ろして釣竿を受け取ると、浮きの様子も確かめず、ひゅ、と空気を唸らせて少し離れた位置に放った。
水音が立ち、波紋が起こる。
やがてそれが静まると、風に揺られるばかりになった]
普段は、旅をされているんでしたっけ?
私はずっと陸だったから、水上の旅って、なんだか、想像もつかないですけど。
[言いながらも、空想をしているのか、視線を遠くへとやった]
[自衛団から薄い毛布を借りると、ブリジットの膝の上にかけ]
ま、一応ね。冷やすのは身体に良くないし。
[カーラの表情が曇るのを見ると、一瞬しまったな、という顔になるがまた微笑み]
んーとさ。
こういうのもやるんだけど、音、聞こえる?
[その場でたたんっと足音を立てると、そのまま足を踏み鳴らして音を奏でてみた]
ありがと、ローザさん。
[ローザの気遣いに、彼女はごく自然に礼を返した]
そうよねー。私の体は一人じゃないのよね。
今此処にいるのは私一人なのに、二人ってことになるのよね。
一人なのに二人。二人なのに一人。
なんだかとってもミステリー。
生命って神秘よね。
[そうして、カルメンの言葉が聞こえてくると、顔をそちらへと向け]
うん。ブージェ。
あなたは、カーラさんね。よろしく。
でも、あれよ。人と話すときは、人の目をしっかりと見て話したほうがいいわよ。
[カルメンの目の状態など知るはずも無く、ブリジットがそんなことを言い出した]
つぁ…。
[下へと滑る途中で体が浮き、反動で壁に戻る。
そのまま思い切り後頭部をぶつけて星が散った。
左手で摩りながら目を開ける]
ああ、カル。大丈夫だから。
[自分の頭上を見ているカルメンに、下から声を掛けた]
[少しずつ沈んで行く気分に、床を踏み鳴らす音が耳に入る。
最初こそ何なのか分からなかったが、それが音を奏でていることに気付き]
…うん、きこえる。
これ、も、おどり?
[首を傾げながらローザに訊ねた。
自然オカリナを持ったままの手が、指が、音に合わせるように動く]
オレの恋人は魚だからなぁ。
魚は髭生えてても何にも言わないぜ?
そーだなぁ、髭剃らなくてもいいっつーのを嫁に貰うかね。
…相変わらず仲がよさそうだな、お前さんとこは。
[言ってることは嘘でもなく、結婚に興味はほとんどなく。
奇妙な笑い声はあまり気にせずに]
こらこら、あまり人で遊ぶなっての。
[とは言うものの本気で止める気はないのだが]
[タップダンスを続けながらブリジットの言葉に頷き]
ま、生命の神秘が繰り返されてあたし達がこーしてるわけだ。
この世の全てはミステリーってわけね。
[と言ってるところに黒髪の女性が体勢を崩したのをみると足を止め、心配の色を浮かべた]
立ち眩みでも起こしたの?
貴女もちょっと座った方が良いんじゃない?
だい、じょぶ?
[クロエの声が下から聞こえたことに顔を下へと向け。
表情は心配げに眉尻が下がる]
[ブリジットから人の目を見て、と言われると、悲しげな表情で彼女の方に顔を向けた。
視線は相変わらず少し逸れたまま]
……カーラ、みえない、から……。
[ローザの奏でる音に合わせ動いて居た指が止まり、手の中のオカリナを胸元へと移動させ、強く握りしめた]
何、ハインさんが犯人なの?
じゃあ事件解決で僕らは戻ってもいいよね。
…お見事。
[次に見たのはロミルダと、仕事の関係で顔を知っている相手。
それからステップを踏むローザに拍手した。
黒瞳がまだ少しぼやけているのはご愛嬌]
いやはや、言い訳のしようもない。
ここの住人じゃないってことで今回は見逃してくれるかな
[なはは。と情けないような笑みを浮かべながら隣で釣竿を持って初挑戦をするのを横に
自分も同じようにして浮きを水に落とす]
そうだね。物心ついたときから筏にのって流れと気分のままに移動しながら、コミュニティがあったらそこに勝手に接岸って感じで…ゲルダさんと逆なのかな。
一応陸にもあがったことあるけど大河に面したところ意外はいったことないしね
確かに陸地なら水の流れで家族と離れてしまうってことはないだろうなぁ…
[ぼんやりと言い。つられるように浮きではなく遠くを見つめる]
[黒髪の女性がカーラに大丈夫と言っているのを見て表情を和らげ、カーラの問いかけに大きく頷いた]
そ、これもダンスよ。
専用の靴を履いてるわけじゃないから音は聞き取りにくいけどね。
あたしの音はどうかしら、楽しんでもらえそう?
[カーラの指がリズムを取っていたのを確認すると、またタタンッと足音を踏み鳴らした]
魚。
さてはおぬし、人魚とやらを待ち焦がれておるな?
[ハインリヒの言葉に、意地悪く笑った]
人間では満足できずに、ミューテーションを相手にするようになるその意気は認めよう。うむうむ。
道のりは険しそうだね。にはは。
[旦那の話になると、嬉しそうににへらと笑い]
勿論。
私たちの間に、倦怠期なんてものは存在しないわ。
いつだってラブラブよー。
もうねもうね。彼の一挙一動がすっごいかっこいいの。そういえばこの前ね───。
[このまま誰も止めなければ小一時間に及ぶ、聞くものの腰を砕く、大ノロケ話が始まることだろう]
平気平気。
ちょっとぶつけただけ。
[摩っていた左手を離してカルメンに笑う。
それが見えなくても彼女に向けて花開くように]
……。
[ブリジットの声が聞こえ、オカリナを強く握り締める姿に立ち上がると、ふわりと肩を抱くように腕を伸ばした]
ああ、ありがとうございます。
仕事終わってそのままここに呼ばれたものだから、うっかり。
カルの音は気持ちよくて。
[ローザの心配そうな声にも首を振り、頭を下げた]
ええと。クロエです。
ローザさん?
[会話から拾い上げた名前で合っているか尋ねるように首を傾げた]
そうね。
この世の全てはミステリー。日常にこそミステリーは潜んでいるのだって言葉もあるしね。
……あら。お見事。
[喋りながら、ローザのタップダンスに思わず、小さく拍手をした]
ブリジット、あのな…
[ブリジットがカルメンに向けた言葉に何か言おうとして、カルメンの表情が曇るのに溜息を吐く。
何でも率直に口にするのは悪いことではないけれど]
知らなかったのか、お前。
[とだけ口にする。責めるつもりもなく。
それを追いかけるように零された言葉に、今度はがっくりとして]
……クロエ、お前寝ぼけてるだろ。
[海より深い溜息ひとつ]
─集会場・近辺─
[とてとて、と戻る途中、向けられたのは行きと変わらぬ視線。
とりあえず、そこはさらっと受け流しつつ、集会場へ。
集会場横で何やら話しこんでいるらしい二人には声をかけず、向かうのはさっき見つけた蓮の蕾の方]
取りあえず、ここでこれが咲くのは幸か不幸か……。
近くに、現物あるのは、助かるけど。
承知しました。
でも、次はありませんから、ね?
[ゼルギウスの言を聞くと、視線を遠くから近くに引き戻し、片目を瞑って笑んでみせる。
続く言葉に驚きの表情を示し、ぴくりと微細な動きに応じて、浮きが跳ねた]
水の流れによって、離れてしまうことはありませんね。
でも――近くにいても、心が離れてしまうことや、自ら離れていってしまうことは、ありますけど。
なんて。
暗い話になっちゃいました。
陸もここも、私は、好きですよ。
ふぇ?
んーとぉ…
[ブリジットに聞かれたが、もちろんそんなことまで考えていなくて、また考えるポーズ]
おとこのひとは、かんじんなことはしゃべらないし、かいしょーがないし、そのくせもんくばっかり一人前だ、
…っていうつみれす。
ママがいってたれすよ。
[もちろん当の本人は夫に向けて言ったのだろうが、ロミルダはしっかり聞いて勘違いしたらしい。
ちなみに2人はただいま別居中である]
[ブリジットに向けて居た顔は徐々に下を向き。
オカリナを持つ手には更に力が籠る。
ふと、肩に触れるものに気付き、少し顔を上げた]
…クー、リェ?
……あり、がと……。
[何かあった時、肩を抱いてくれるのはいつもクロエだった。
今回もそうしてくれているのだと確信を持ち、弱々しくとも微笑みを浮かべ礼を口にする]
ローザ、の、おと。
うん、たのし、そう。
おと、あわせて、みたい、な。
[少し浮上した気分はローザのステップを耳にすることを可能にして。
聞こえる音に耳を傾けてからそう返した]
[カルメンの言葉を聴くと、小さく驚きの声をあげた]
あ。
目が見えないんだ。
それじゃあ、しょうがないよね。
[うんうん頷く]
人の持ち物って、人によって代わるから面白いよね。
だからこそ、補い合って生きていくという素晴らしさが生まれるんだから。
人は完璧ではないからこそ、人は愛すべき存在だって言葉もあるし。
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