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─実験室─
[幸いにというか、蛇の姿はなく。
安堵しつつ、鞄を下ろして必要そうな器材を見繕っていく]
……しかし、本当に物の揃いがいいな。
俺の研究室とは、偉い違いだ。
[専門の違いはともかく、と呟きつつ。
一通り、終えた所では、と一つ息をつく]
……だいぶ、落ち着いたとはいえ。
やはり、本調子には程遠い、か。
[小さく呟いて、久しぶりに確かめた数値。
薬を使う前よりは下がってはいるが、目覚めた時よりは確実に上昇していた]
二つ目は、やや私的かもしれない。
ハインリヒがm医薬品に詳しいなら見て欲しいものがある。
冷凍睡眠に付いた当時、何処かで開発されていた
医薬品の結晶多形解析>143だ。
密告とともに、私が受け取った。
似た物に、見覚えが無いかどうかを──。
ブリジットもだ。
石化病、ゼルギウスに投与された薬物
どちらかと何か関係があるかもしれない。
ライヒアルトに先に実験の準備してもらっている。
二つ目は、一つ目の後か合間でいい。
―二階、部屋6―
[額に落ちるぬくもりに、微笑みを浮かべ眠りに落ちて。
目覚めたのはどのくらい経ってからか。それ程長くは無かったかも知れないけど、夢も見ずにぐっすり眠ったせいか、頭がすっきりしていた。
身を起こし、肩から滑り落ちたジャケットを慌てて抱き留めようとして右手が動いたのに気づく。]
あ、あたし……。
[鈍い動きだけど、確かに。ライヒアルトのジャケットをぎゅっと抱きしめる。再び動かなくなる前に両手で彼に抱きつきたいと考えて、頬が赤くなった。]
また呆れられちゃう。
[今すぐ彼の傍へ行って抱きつきたいけど。邪魔をするのは嫌だった。部屋を見回すと、アーベルがいたか。声をかける理由もなく、ぼんやりと見ている。]
さっき、部屋を出てくるときにツヴァイさん咳をしていたの。苦しそうだったけど。
今は、どこに行ったのかな。
ブリジットさんも、一緒だと思う、けど。
[怖い。と思ったのは一瞬。オトフリートのバンドを切ったのが彼だと思っても、不思議と怒りは湧いてこなかった。
ノーラが行く方向へとついていく]
ここには、いない気がする。何も、聞こえないもの。
●業務連絡●
回復云々でいろいろあったみたいですが、村立ても気がついてない部分も多くてすみません。
各自、気をつけて、でも、やっちまった場合でも、まぁまぁ、大丈夫と許しあいましょう!美しいな。
あと、みなさん、なかなかお忙しいみたいですが、延長お願い、または休息のための延長要請などもご遠慮なく。
寒くなってきましたし、台風も大変そうです。
ご無理だけはなさらず…!
─実験室─
……それに、しても。
[動けるだけ動いたところで、ため息一つ]
……バカのわがままのおかげで入った道が、どこにどう繋がるのか。
わかったもんじゃないな……。
[小さく呟き、鞄の中からアルバムを取り出す。
開けば踊るのは鮮やかないろたち。
『黎明の紫』、『早朝の青』、『真昼の蒼』、『夕暮れの茜』。
それから、蕾の『宵の夜蒼』と、『夜天の紫黒』。
それらは、時間の変遷に伴う空の色の変化を映した庭を見てみたい、という。
夢物語のような願いのために手がけたもの]
[階段を下り、ロッカールームへと到着する。方向からそうだと判断して、ノーラに続いて中に入るとヘルムートの声が聞こえた]
ヘルムートさん、ここにいたのね。
ブリジットさんとツヴァイさんもみたい。
[ヘルムートが呼んだ名で、いることを知る。
後の二人はどこにいるのだろうと、耳を澄ませた]
―ロッカールーム―
>>192
[気のせいだろうか。ハインリヒの顔色がやけに悪く感じられる。そして、気がつかなかったが、ノーラとベアトリーチェの姿も端に捉えた。]
………。
[探し物はそれぞれに何でもないといった風だ。
しかし、この切迫した中、ロッカールームに私物を取りにくるあたり、
やはり、人間らしいものだと思った。
自分は荷物は写真一枚しか残っていなかったが、特に固執するものはなかった。]
……ダーヴィッドも、いるわ。
[彼の姿を見た時、視線が奪われ一瞬だけ身を引いた。
ヘルムートの言葉があったからか色あせて文字がほぼ見えなくなりつつあるメモを取り出して]
『ファイル名:ゼルギウス
――― パスワード:Pegasus』
[はっきりと読みあげるように伝えただろう。]
こうあったわ…
おそらくパソコンで何らかの操作をすると
ゼルギウスの事を知る事が出来るかもしれない。
>>200
[その後、ゼルギウスファイル、とヘルムートが口にした単語に振り向く。]
自分の名前をつけるファイルなんて、なんだろうな。
[考える。
プロフィールでも書いてあるのかというのか。]
[久し振りに訪れたロッカールームを再び見回す。
けれど、自身の私物どころかロッカーその物が見当たらなかった。]
…ハインリヒ。
体調は平気なの?
――貴方に、これを。
[ダーヴィッドのカルテは丁度真中辺りに来るようにしてそれを差し出した。渡す際に、一度だけ彼の紺青の瞳を真剣に見ただろう。]
エーリッヒの…ものよ。
彼が居ない今、貴方の力が必要なの。
どうか彼の意思を――汲んで。
ダーヴィッドさんもいるの?
[声が聞こえてくると、ほんとだ、と呟く]
パソコンのファイル?
自分専用って意味だったのかな。
あの研究室のパソコンよね?
なら、ゼルギウスさんはここの職員で、じゃあどうして今ここにいないんだろ。
研究室って言ってたよね。あの研究室のことだったのかな。
本人に聞けたら苦労は
しないんでしょうけれど…
[ゼルギウス。放送の声の主、薬の送り主。
『信じるな』。顔も知らない男の思考は霧の中のよう。]
解らないのなら
実際に行くのが一番。
>>210
[ノーラがハインリヒにカルテを渡す様子はふと横目で見つつ、]
>>211
[ベアトリーチェの問いには、腕を組みつつ]
……自分専用ってことだろうな。
職員は、他もいないからな。…………どこかに行ったか……
[そのあとの言葉、みんな石になったか…はあえて言わず]
――…ダーヴィ ッド。
[少しだけ声が上ずったが気にせず彼の方へ数歩寄る。]
貴方、病状は…どうなの。
最初から重いようだった、けれど…
実際に行くって、ゼルギウスさんのところ?
どこに、いるのかな。
[ノーラの言葉に考え込んで。
ハインリヒの声が聞こえたら、ぴく、と動きをとめる]
……。
[実際に何があったのかねわからない。アーベル辺りに聞けば教えてくれるだろうかと思った。それでも聞くことが出来ずに。
信じたい気持ちと、庇いたい気持ちと、何故、という疑問が、渦巻く]
[立ち上がってジャケットを羽織った。こうしてたら傍にいなくても抱きしめられているようで寂しさは薄れた。]
さて、なにしようかな。あたしにできる事。甘えるだけも守られるだけも嫌。
[決意を口にする。探索は多分終わってる。料理はゲルダが。]
…………やっぱり役立たず、あたし。
[がっかりとうなだれる。あちこち動き回って危ない目にあったりしたら、役立たずどころの騒ぎではない。]
戻ってくるの待ってよ。
[壁際に移動して座り直した。]
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