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−北東部・墓場−
……ナターリエ?
[危機を知らせる声にもぼんやりとしたまま、ベアトリーチェはシスターの名前を呼ぶのですが、すぐに首をゆっくり左右に振りまます。]
ううん、違うみたいだ。
[ちょうどやって来たミハエルの呟きに同意するように云いました。]
[後を追うように駆け出してきた火炎の気に気づき、ふとそちらを振り返って]
無闇やたらと、怪我をするな!
如何に力ある身とは言え、血を失すればその力も失われる!
[やはり、小言は言わずにおれなかったようだ]
−墓場−
[アマンダが墓場で見つけたのは、高笑いするナターリエ…否、その内にある気配は異なるモノ]
君は、誰だ…!?
[そう言って、ベアトリーチェに気付き、子どもを庇うようにその傍へ]
−北東部・墓場−
…だろうな。そもそも彼奴はこんな所で抜刀するようなものでは無いと記憶している。
ブリジット、アマンダの後ろへ隠れて居ろ。
[月を背に立つナターリエの貌つきは、狂気と狂喜に満ちていて、最早どう言い訳をしてもシスターを名乗れそうもない。]
―Kirschbaum―
ああ、行くか…。
多少荒っぽいが、勘弁してくれよ。
[...は問答無用にティルを抱きかかえると、
店の外に出て、地面を蹴った]
[ふわり、二人の身体が宙を舞い、
一跳びで墓場までたどり着く]
不可抗力だっての!
[追いかけ、追い越しつつ言葉を返す。]
いーんだって、休みゃすぐ治るんだしっ!
[幾つかが集まってきていることが判る。
そしてその先、狂える生命の力に押し込められているようなものは…
残されてバランスを崩した月闇!?]
─墓場─
[たどり着いた墓場の状況。
満ちる、尋常ならざる気]
……おいおい。
[上がるのは、呆れたような声]
月と闇、二つに愛されし者が、月の光にでも狂われたか?
そこの姉さんが目覚め次第、エーリッヒ達と合流する。構わんか?
[シガーケースからシガーチョコを取り出し、喰うか?
とアーベルに勧めてみる。]
[ゆらりと振り向く。そこには彼女を通して見知った顔]
……こんばんわ。私は私ですわよ
[その返答は、いつもナターリエが話しているような穏やかな言葉
だが、次瞬狂気に満ちた笑みを浮かべると]
……なぁんてな、きゃはっ
[その顔はナターリエとは似ても似つかない歪んだ笑顔]
へんな感じ。
……このままじゃ、まずいの。
[引き摺られてしまいそう、と呟いて]
えーと、これをさきに直さないと。
[緩めたままだった左手の鎖を締めなおす。
感覚は鈍ったけれど、外から揺らされるような感触も消えて]
うん、これでどうにか大丈夫。
[今度こそ身体を起こした]
[次々に集まって来る皆に、愕いたようにまたたきます。スケッチブックを抱きながら、ミハエルに云われるままにアマンダのうしろへと下がりました。わけのわからないと云うようなかおで、辺りをきょろきょろと見回します。]
シスター…いや……。
[その手の中の剣の意匠は"知っていた。"
数百年も前に封印を解かれて奪われ、指名手配を受けていた悪名高き、魔剣。]
ストームブリンガー。…何故お前が此処に。
……まったく。
対を失いし力は脆いものとは知っていたが……。
[呆れたように呟きつつ]
よりによって、黒き剣に器を乗っ取られるとは、迷惑な。
[言いつつ、右腕の腕輪に触れて。
銀の鎖をその手に]
……だが、さすがにこのまま放置はできんぞ?
[目をぱちくりさせつつ]
んぁ?
……焦げた臭いは残ってるけども。
焦がしつくして灰になった……って訳でもなさそうだしねぇ……。
まぁ…生きてるなら無事って事で、ね。
[そう言いつつ、イレーネの足を見やる。食い込んでたはずのトラバサミ(アーベルは当然その存在なぞ知らない訳だが)などはなく。]
うん、なんともないけど?
ぐっすり眠りこけてるだけ、そのうち気づくっしょ?
ん、気をつけて。
なんだか、変。何かが、起こってる!
[ミハエルに言われたからか、素直に後ろで大人しくスケッチブックを抱いているベアトリーチェに安堵する。
彼女と子どもは仲が良かったから、飛び出すのではないかと心配していたから。
何故こんな時間にここに居るのかという不自然さには気付かない]
[ダーヴィッドの方をつまらなさ気に見遣ると]
なぁんだ、俺のことを知ってる奴がいるのか
正体不明の謎の存在。その方が格好いいだろうがよ、あぁん?
……はは、このシスターがな。「吸血鬼としての親を殺す」ため俺の封印を解いてくれてねぇ
まあ、かなり不服な制限契約を吹っ掛けてきやがったが、背に腹は変えられねぇしな
そして、こうして自由を手にすることが出来たんだしな
―墓地―
[ティルをできるだけ離れたところに置き、
じっとナターリエを見やる。そして一言]
キモいぞ!その喋り方。
[遠くから叫んでいる。若干逃げ腰]
熱くなりすぎるな!
力は多少抑えられているようだが、斬られれば俺たちでもただではすまんぞ!
[斬りかかって行く若竜に向けて、叫ぶ。
周囲を舞う無限鎖は、必要とあらば援護をする構えで固定して]
[ぜんたいなにが起っているのかは、アマンダの背に隠れてよく見えませんでしたが、力の高まりだけは感じられました。]
対を、失いし力。
[オトフリートの言葉を小さく繰り返して、なんとなくそちらを見やります。]
しかしまあ、あれだ。
この迷宮を探索する度、見知った顔に遭遇しまくるんだが。
どうなってるんだ、一体。
[未だに、迷宮に閉じ込められている理由を知らなかったりする。]
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