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わ。どうした、リディア。
[いきなり自分より小さな背中に隠れてきたリディアに、後ろに首をまわして尋ねた]
ラス、ケイジは悔しいじゃなくて愉しいかって聞いたみたいだけれど。
え? い、いや、何となく恥ずかしいなぁと……。
[そういいながら拾った羽を眺めて]
別に堕天尸になるとかじゃないけれど、何となく混じり気のない黒って綺麗だなぁとか考えてたから……
うん。ラスさんには聞いてない!
[羽の持ち主を、そういってすっぱりと切り捨ててみながら]
カレリンはどう思うかな?
……はい?
[スティーヴから返る言葉。
思わず、呆けた声が出た]
あのお嬢様が……『堕天尸』?
[個人的な付き合いなどは、ない。否、関わりは避けていた。
傍目、恵まれた環境への妬み、今一つ『あわない』感覚など。
自分からは、避ける要素の方が大きかったから。
それ故、その名と『堕天尸』の存在は容易には結びつかず]
なんだってそんな……いや、ここで論じてても仕方ない、か。
[探さないと、と。呟く瞳には、凛とした決意]
[アヤメにほっとしたような表情を向け]
うん……わかった
[小さく微笑み、その後、口の中で小さくつぶやいた言葉は、届かない。視線を来訪者に向けると、衝撃的な言葉に]
え、ロザ……りん、さんが?
[続く言葉を聞き、耳を疑い、言葉を失った]
[怯えたようなロザリーに向けるのは、哀しさと憐れみを混ぜた眼差し、]
少なくとも、俺ではないから困ってるんだ。
――…、ロザリーちゃん、
[呼びかけは、淡い金の鳥を見つけ途切れた]
うわ! そ、そんなに落ち込まないで〜〜!
でないとア〜ヤに『私の彼氏に何をする!』って怒られちゃう〜〜!
[と、ラスの落ち込みに思いっきり事実を捏造してみた]
[リディアにうなずいた]
ああ、私もそう思う。純粋な黒は、こちらを吸い込みそうで、少し怖いけれど綺麗だな。純粋な白と同じように。
・・・ついでに私の翼は、薄い灰色だから、鮮やかな羽の色は、少しあこがれる。
[オーフェンの挨拶の声に視線を向ける。
真剣な表情に、頷いて見せた。]
……お前もロザリンドが消えたのを見たな。
だが、あれはめくらましだったらしい。
………ロザリンドを確かめられるか?
[その力で確かめられるか問う。膝の黒には気付かないまま。]
……え?
え、ええと…あーやって誰だ?
[リディアの言葉には、細い目を丸く丸く見開いて。
カレンの言葉には、なんともいえない表情をして自分の首の後ろをさすった。]
え〜? カレリンの純粋な灰色も綺麗だよ〜!
[ちょっとごめんね。と、少し抜けかけの羽を一枚抜き取ると、光の強い方へかざして]
ほら!
灰色は白も黒ももってるから、光にかざすと虹を映してくれるんだ!
カレリンはしらないかもしれないけど、時々空飛んでるのを下から見てると、カレリンは虹の羽持っててすっごい綺麗なんだよ〜!
……なんで……
そんなこと……信じない……
ううん……自分の目で、確かめる、から
[スティーヴの声に、深く頷く]
それで、おじさん、ロザりんさんは、どこにっ……!
[水鏡の淵に座り、黙って光景を見つめている]
[封じられたケイジには、一度視線を向けたきり、ラスとの問答も黙って聞いていた]
[時折、祈り続けるクローディアに気掛かりな視線を向ける他は、じっとただ、何かを待つように]
ア〜ヤはアヤメさん!
[と、笑顔で回答し、カレンの羽について自分と同じ感想を抱いてくれたネロに大きくうなづいた]
ネロネロ、よく言った!
そうだよね! カレリンの羽めちゃくちゃ良いよね! 少なくても、私の羽より綺麗だもん!
[さくりと、草を踏む。
認めた姿は、求めていたもの。
二人の前へと歩み出る]
貴方は、何を望む?
いえ。
……何ゆえに、望む?
[挨拶もない唐突な問いかけは、
誰に向けたかすら定かではなく。
薄闇の中、仄かなひかりに横顔が照らされた]
え〜? そうかなぁ? 私の羽、ジョエルんと一緒だから頑固者に……あ、いやいや、イメージが固定されちゃわないかなぁ〜とか
[すでに遅いかもしれないが、ネロにそういってごまかしてみた]
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