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─ 談話室 ─
[元より語れる事は少ない身、人に話すのは名とここに住まうようになった経緯程度。
だからというわけでもないが、こちらも、名と訪れた理由くらいしか聞く事もなく。
読書のために訪れた来訪者の時間を必要以上に削るのは不本意であるため、言葉を重ねる事は稀だった]
……まあ、それは。
わかっているからこその心配、ですが。
いずれにせよ、救った身としては、放り出す事はできませんけれど。
[かけられる追い討ち>>252に、困ったように眉が下がる。
その原因?はといえば、暢気な様子でピリリ、と鳴いて。
危機感などはまるでない様子で、羽繕いを始めていた]
─ 聖堂 ─
…それにしても、あの人も相変わらずねぇ。
[ピアノの調律をしながら、つい先程会話した相手のぶっきらぼうな物言いを思い返して苦笑を零す。
11年前帰ってきた時、同い年の幼馴染は老尼僧と同じように変わらぬ態度で出迎えてくれた。
一方こちらは既に結婚して子供も生まれていた彼女に対して、昔よりも線を引いて接するようになって。
どうしてと問う彼女に、もうお互い大人だものと笑ってはぐらかせたけれど]
アタシみたいなのが傍にいたら面白くないでしょうし。
子供の教育にもよくないものね。
[彼が内心どう思っているかはっきりとは解らないけれど、きっと自分に対して良く思ってはいないだろうとは察せるから。
自分の存在が彼女、彼らの邪魔にならぬよう、こちらから接することを控えるようになった。
表向きの理由としては子供の情操教育に宜しくないからと家に出向く事はしなくなり。
今は時折珍しい菓子や綺麗な毛糸を贈りつける程度の付き合いだ]
─ 聖堂 ─
そういえば、上の子って今いくつだったかしら。
…アタシももう若くないわよねぇ。
[いつまでこの格好押し通せるかしら、と若干遠い目しながら作業を終えて。
今でも自分を兄と呼ぶ4つ下の青年にとっても懐かしいだろう挨拶代わりの旋律をつむぐ為、ピアノの前に座って鍵盤をたたき始めた。
幼い頃、ほとんど独り占めしていたこのピアノは大人になった今でも一番指に馴染む。
調律の狂いも無く、寒さにかじかむ事も忘れて没頭していたせいか、すぐ傍に観衆がいる事には気付かないまま最後まで弾き終えて]
え?
あらやだ、何時からいたの?
[>>242聴こえた拍手の音に、ようやくエルザがいる事に気がついて。
素の表情を見られた気恥ずかしさに、少し不機嫌な表情を作って問いかけた]
村の設定が変更されました。
─ 地下 ─
[スコップに付いた雪を丁寧に削ぎ落とし、元あった場所──物置へと戻しに行く。
雑多に物が置かれたその部屋の、持ち出した場所へとスコップを置いて物置を出た。
地下には物置の他に貯蔵庫があり、そこには一冬越すには十分な量の食料が置かれている。
酒に至っては年代物のものがあり、それを知る者が酒を目当てにここを訪れることも少なくないらしい。
酒は嗜む程度、深酒することも無いマテウスにとってはそこまで興味が惹かれるものでは無かったが]
[普段あまり入らぬ場所であるために物珍しげに見るのみにして、旋律の止んだ地上へと戻って行った]
─ 聖堂 ─
[旋律が止むのに少し遅れてピアノを視界に収め、若干遅まきながらも拍手を送る。]
見事な演奏ですね。
心によく響く。
[そう、ピアノの裏にいるであろう奏者へと声をかける]
─ 聖堂 ─
[こてりと首傾げる様子にばつが悪い気持ちを抱きつつ。
彼女の返答を聞くと、そのばつの悪さも吹き飛んで]
ちょ、それってほとんど見られてたってことじゃないの!
もう、それならそうと声位かけなさいよ。
…恥ずかしいじゃない。
[人の目を気にしないで思いきり没頭していた自分の姿を見られていたと知ると、微かに頬を赤らめて文句を言った。
そこに恥ずかしさを感じる前にもっと違うことに恥じらいを持てと突っ込み入れたい人も居るだろうが、エルザはどうだろうか。
ともあれ、お久しぶりと言われれば気を取り直して]
えぇ、お久しぶりね。
元気そうで何よりだわ。
エルザ、前に会った時より綺麗になったんじゃない?
[彼女の名を呼び、笑顔を向けた]
―談話室―
この部屋なら大丈夫だろうけど、夜まで火は灯せないしね。
[肩の上で首を傾ぐ蒼に、そっと右の指先を近付ける。
どういう反応をするだろう、と興味本位の行為]
そうだねえ、仲間と共に在るのが本来の姿なわけだし。
ま、望んで戻らないのならそれは自己責任かなあ。
[小鳥へ視線を送っていたから身体は少し屈む態。
小さく息を吐く>>269のに目線を移そうとすれば、自然見上げる形になろうか]
[それが、エーリッヒの言葉の後に向きを変える。
追って向けた藍鉄色は、風に吹かれる白を見留めて]
……気付かなかった。
寒かったのはこの所為なのかもなあ。
─ 回廊 ─
[地下から出て来て回廊を歩く。
ふと視線を向けた中庭にも白は舞い降りていたが、外ほどの風は感じられない。
けれど、音は徐々に強くなってきている]
………不安にしてなきゃ良いが。
[外から届く音にほんの少し眉尻を下げた。
幼い長男はきっと、音に怯え妻にしがみ付いていることだろう。
それほどまでに天候は悪化の一途を辿っていた]
イレーネを連れてでは外に出られんな…。
[1人でならば強行も考えたが、今ここにはイレーネが居る。
団長もまだ話し込んでいるようだったから、ここから離れることも出来なかった]
12人目、行商人 イヴァン がやってきました。
─ 聖堂への道 ─
[勢いを増す風の中、雪を踏んで坂を上っていく男が一人]
……ひっでぇ天気だなぁ。
まあ、まだここが登れるうちでよかったが。
[ぼやくように言いながら、男は歩みを速める。
風が強くなれば、丘の上の聖堂の扉も閉ざされてしまうだろう。
その前に、たどり着かねばならなかった]
あそこなら、いくら泊まっても金はとられんからなぁ。
[にや、とどこか下卑た笑いを浮かべた顔に、風まともに吹き付ける。
男はマントのフードを引き被ると、先へと足を動かした]
─ 聖堂 ─
[と。
雑貨屋の女性と久しぶりの再会を済ませた所で、新たな拍手の音が耳に届き]
え、
あらやだ、エルザだけじゃなかったの。
[>>268拍手と声のする方へと視線を向けると、見慣れぬ姿。
おそらくは旅人だろうか、向ける笑顔はエルザに対してのものよりにこやか]
ありがとうございます。
耳障りにならなくて良かったわ。
[風変わりなピアノ奏者として名が馳せている自覚はある。
どんな所で評判が落ちるか解らないからと、愛想良く返した]
─ 聖堂前 ─
シスターさん、いるかーい!
行商の、クルックだ!
シスターさーん!
[がんがんと無遠慮に扉を叩く音は風の響きの中でもよく響く。
その音と声に気づいた者が応対に出たならば、横柄な態度で以前ここを何度も訪れていた行商人である事を語り]
宿をとる前に挨拶を、と思ったらこの天気でなあ。
すまんが、泊めてもらうぜ。
……ああ、案内はいらねぇよ。
後で、メシと酒だけもらえれば。
[こう言うと、勝手知ったる様子で奥へと入り込み。
客室として普段から整えられている一室を選ぶと、さっさとそこにこもってしまうのだが]
[そんな男の記録は、村役場には辛うじて、こんな形で残されている。**]
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■名前:イヴァン・クルック Iwan Crook
■年齢:不詳
■職業:行商人
■経歴:以前から聖堂に出入りしている自称・行商人。
あまりよくない噂もついて回るため、村の者からは厭われているが、老尼僧は変わらぬ態度で受け入れ続けていた。
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