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[ロミのその言葉に、ブリジットが小さく息を吐いた。
「違う」という言葉が、いったい何を意味しているのかは分からないが、悪い意味ではなさそうだと思った]
……そう。
なら、ゼルさんだけ、かな。ん。いや。その言葉が正しいのならば、ロミちゃんもかな。
───もしも、私がいなくなっても、この子を頼める人、は。
[そして、この言葉が何を意味しているのかは、考えるまでも無いことだった]
ロミちゃん。
私も違うのだと言ったら信じてくれるかな?
信じてくれるなら、もしものとき、ゼルさんと一緒によろしくお願いしてもいい?
[ふ、と、ロミから与えられた言葉に眉をひそめる]
…ゼル。…ゼルギウス……?
[囁くような声と反比例して、表情は険しく]
やり方を教わった…って。
……冗談じゃ、ない…んだろうなぁ、その表情。
[またも、がしがしと頭を掻く]
人狼含めて、お伽話から真実に、頭を切り替えるべきってことか?
…っ…そう、だね。
どっちであってもイヤ、だけど。
だって、それじゃ…
[ゼルの冷静な言葉には、一瞬息を飲むものの一応の同意をする、が。それはここに集まった人達を疑うことになるから、言葉を濁らせた。]
………早く、帰りたいね。
[ゲルダへの返答は、ただ、短く。]
分かった。
僕らの部屋は階段上がって右側の…。
[ユリアンに伝え、カルメンの手を引いて二階の部屋へと向かう。
自衛団に解放されたハインリヒと擦れ違ったなら、着替えをしにいくと説明する]
カル、その布はこっちに貸して。
自分で脱げる?
[血が固まり始めていたら着替えるにも手間取るかもしれない]
[ダーヴィッドの言葉には、小さく微笑み]
胎教には良くなかったみたいですね。
まさか、こんな予想外の出来事になるなんて思ってもみませんでした。
あ。
さするんじゃなくて、どこかを拳骨で押し込むと楽になるって話ですよ?
そういう事態になったときにしっかりと教えてもらって、彼にやってもらおうと思っていたので、場所が分からないんですけどね。にはは。
―外→一階・広間―
[自衛団員の元から戻って広間を覗けば、ゼルギウスとローザが掃除をしているのが見えた。
まだ倒れたままのエーリッヒと、それに付き添うゲルダ]
まだ、目ぇ覚まさないのか…?
[どこか気遣うような視線を投げて。
耳に届いたカルメンの言葉に不思議そうにそちらを見た]
見えた、って、さっきも言ってたよな?
赤い、蓮?
[よくわからないままに着替えに行くというカルメンとクロエを見送る]
そういうことになる。昨日の話から少し期待してるけどな
[目を伏せるゲルダにあっさりした口調でいって]
…ふぅ…なかなか取れんな…とはいえもう少しか
[クロエを見送りながらこんなのはやくすませるか。と手を早める]
─ →二階─
[二階に上がり、教えられた部屋へ向かう。
零さないように気遣う分、挙動は遅め。
部屋の前につくと桶を置いて、ドアをノックする。
……さすがに、ここでいきなり開けるほどの天然ではございません]
─二階・自室─
[クロエに連れられ部屋へと戻り。
言われた通りに布をクロエへと渡す]
ぬぐー。
[まずはオカリナを首から外し、続いて首元のボタンに手をかけたのだが]
………ぅー。
[カリカリと強張ってしまった真紅をひっかくばかりで上手く外すことが出来ない]
笑ってる場合じゃないよーな…。
[ブリジットの微笑みに思い切り脱力]
いや、しかもこのままだと、狼を…その。
やっつける…までは、医者の居ないこの場所に居なきゃなんでしょう?
…きちんと、その優しい旦那さんとこで産めると良いですよね。
子供もブリジットさんも、無事なままで、さ。
…ひどい話だが、どっちかっていうと。
人間がやったって判断してくれたほうがありがたい。
あの団長さんが恨まれてたとか…どうなんだろうなぁ
[言葉を濁し息を呑み同意するローザに言う
そのほうが順当に取り調べられたり尋問をうけたり。だけで済むだろう。と予想がつく事態になるからだが。
ただ奇妙なとこが多い。獣がやった節があることも、だがこんな牢屋のような場所に閉じ込められながら人を殺すなど…むしろ息を潜める時期だろう。犯人がこの中にいると示す理由が浮かばない。
…そんな理由ではない何かが原因なのだろうか。とも思いながらも口に出すことはなく。掃除を*続けた*]
―二階個室―
鍵は掛けてないよ。
[ノックの音に答える。
抜けているのはどちらかといえばこちら側]
オカリナも濡れちゃったね。
ああ、まって。そこは僕が外すから。
[布を机に置いて、一番上の釦を外すのを手伝う。
ランプの光が当たる位置にカルメンを誘導する]
…違うなら、
違うなら、一緒に、帰るです。
[ブリジットを信じるとも、或いは信じないとも、ロミルダは眉を寄せるだけで、言わなかったけれど]
いるなら、見つけなきゃです。
…団長さんみたいになるです。
[続きはダーヴィッドの言葉への答えか、こくりとうなずいた]
……はい。帰りたい、です。
[ローザの言葉に、小さく頷いた。
帰る場所と望むものは、違っていただろうけれど]
あ、レーヴェさん。
……ええ、ずっと、気を失ったままで。
場所のせいも、あるかも。
服も換えないとだし、出来れば、運びたいところではあるんですが。
[カルメン達と殆ど入れ違う形で入ってきたハインリヒに答える。
大分、色を吸った布を湯へとつけた]
[鍵はかかってない、との返事。
それだけ聞けば、普通に入れるもの、と思うわけで]
んじゃ、お邪魔……って、ちょ!
[普通にドアを開け、桶を中に入れて。
釦外しの真っ最中、という状況に、声がひっくり返りました]
あ。無理だと思う。
[旦那のところで産めたらの言葉にあっさりと返した]
多分、遅くても1日以内。それが限度、かな。
喋っている今も、痛みが激しいんですよ?
……そりゃまあ、かかりつけの産婆さん同伴で産めたらこれ以上心強いことは無いんですけど、どうやら、すぐに出れなくなってしまったようですし?
後は、覚悟を決めてやるしかないよ。うん。
[子供も自分も無事なままで、というところは敢えて触れなかった]
─二階・自室─
オカリナ。
……あ、こわれ、てない?
さっき、ぶつけたー…。
[転んだ時のことを思い出し、心配げな声色へと変わる。
ボタンを外すためにランプの傍へと誘導されたら、クロエの指示のままにそちらへと]
[ハインリヒの声に気付いて、掃除の手を止めて顔をあげた]
ん…、エーリッヒさんは、まだ。
息とかは普通にしてるから、頭とか打ってはないと思う…けど。
…どう、なんだろうね…。
[歯切れの悪いまま答えて、ゼルの言葉には表情を曇らせて。
ほんの1日程度しか一緒にすごしていないが、今ここに居る人達を疑ったり、疑われたりすることがあるかも、などと考えたくはなかった。]
[ロミの言葉に、大げさに落胆してみせた]
そか。残念。
ま。でも頑張ってみるよ。
私も、この手でこの子を抱きしめたいから。
[ただでさえ危険なお産と言われているのに、かかりつけの医者も、設備も何も無い中で産む行為が、どれだけ難しいことか。
どちらも死んでしまう最悪のケースだって十分に考えられることだった。
それでも、痛みも不安も全て飲み込み、まるで容易い出来事だというように、ブリジットは笑い続けた]
あぁ、うん、そっか。
そうだよねぇ…見つけなきゃだよねぇ…。
[ロミの言葉に、うーんと唸って]
あの、さ。ロミちゃん。
俺がその違うかどうか…って、分かったりするの?
ほら、誰彼構わずそういうこと教えてたら、ロミちゃんが危なくなるじゃん?
相手にバレない方法なら良いけどさ。
バレかねないなら、もうばらしちゃった俺やブリジットさんが良いかなって。
ん?
見ちゃダメだよ。
[横にあった布をばさりと広げる]
ありがとう。
見た目以上に力あるよね、ユーリ。
…あのさ。
[桶を運んでくれたことに感謝して。
少し躊躇いながら、続ける]
エーリッヒさんが起きれば、聞けるかもしれないけど。
『神の威光に逆らいし闇の住人、
我らが威信に掛けて打ち滅ぼさん』
覚えておいて。そういう言葉もあるのだということを。
[まだ倒れたままだというエーリッヒの側にゆっくり近づく]
オレが見たときの様子じゃ、頭とか打ってる感じじゃなかったんだが…
他に何か原因があるのかね。
オレが運んでもいいが、もし動かしちゃ拙い状態だと困るしな…
[見つめているのは彼の肩]
……、大分綺麗になりましたね。
ありがとうございます。
フォーサイスさん、ローザさん。
[暗い話題を振り切ろうとするように、ローザに笑みかける]
そういえば、ローザさんって、旅の方……なんですか?
なんか、全然知らないままになっちゃって。
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