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―広間―
ん…。
[カルメンが首を傾げたのには曖昧な声だけを返す]
ダーヴさんお疲れ様。
そう、落ち着いたんだ。
良かった。
[ダーヴィッドとハインリヒの話に、ほぅと息を吐く]
よろしく、ハイン。
[交代しに上がるハインリヒを見送って暫くすると葦笛の音が止まり、少しして辿るようなカルメンのオカリナが響く]
難しいんだ。
ユーリに教われたりすればいいのにね。
[手を振るダーヴィッドに、少しだけ速度が速まる。
近くまで来てから、ユリアンを見上げた]
ユーリにぃ、元気ないですか?
[声が掛かって、ロミルダは口を開いた]
そういう風に言われっと、ちっと照れるけどな。
[そう言いながら表情は変わらない]
だな、礼については俺もそう思うぜ。
元気になったのを見ればみんなも安心するだろうし。
直接教えるのは恥ずかしいとか言われたら、ロートスに歌ってもらうとか。難しいんだと、それも大変そうかな。
[リズムを指が追いかける。音階は紡げない]
後悔がないならいっか。
[恥ずかしげにいうブリジットにあっさりという]
まあ、ハインリヒさんは交代で来たみたいだが、俺は単に気になって…本当に眺めに着ただけかもしれない。惚気話が始まったらハインリヒさんに押し付けて俺逃げる気満々だしな
[礼については、流民だからかふむふむとそんなものなのかと思いながら聞く]
なるべくと来たか…頼らせ甲斐のない奴め。
[す、と睨むような眼差しは、その曖昧な笑みにか、言葉にか]
いーじゃんよ、少しくらい。
おまえの顔見てると、それこそ昔を思い出すから、変わんないよーにもなるってもんさ。
[聞こえた音が誰のものかはすぐにわかって。
ほんの少し、複雑そうなものが過ぎるが、それは一瞬の事。
ロミルダの直球の問いかけに、えーと、と困ったような声を上げる頃には、それは失せていて]
元気げんき、ったら、嘘になるけど。
どーしよーもなく元気じゃない、って程じゃないから、大丈夫だよ。
[返す言葉には、多少の空元気を織り込んだ]
─広間─
[クロエの言葉に一度オカリナから口を離して]
なんど、も、れんしゅう、しなきゃ。
すぐ、には、ふけるように、なれない。
おしえ、て、くれる、かなぁ?
[人前では吹かないと言うユリアン。
彼から教えてもらうことは難しそうと思うせいか、遠慮がちに言葉は紡がれる。
それからまたオカリナから音を紡ぎ始めた]
頼らせ甲斐、って何だよそれ?
[睨むような視線に、僅か、視線を移ろわせつつ、言って]
ま、全然違う方に変わられるのもやだけどさぁ。
……その理屈で行くと、俺が全然成長してない、って事にもならん?
んじゃまあ、二人に最低限の礼を言ったところで、これから、「片っ端から会う人会う人に礼を言いまくるツアー」を開催いたします。
二人には、運営委員として、私の手下として一緒に行動することを許します。にはは。
[冗談交じりにそう言い、立ち上がるとまだ足がふらつくのを感じた。
眩暈もまだ完全に治まっているわけではない。普段から白い肌なので見分けにくいかも知れないが、顔色は普段よりも更に白い]
ん……。
[額に手を当てて一瞬だけ目をつぶったが、すぐに]
さ。移動しますか。
いつまでも寝っぱなしは体に良くないしね。
[と、笑った]
[オカリナの音色に霞んで、歌は消えた]
言葉は嘘を簡単に紡げる。
でも。
[続きはないまま、部屋を出た。すっかり静かになった廊下を歩む]
本当ですか?
[すぐには信用しなかったようで、ロミルダはなおもじぃっと見上げている。
少し空元気が含まれていたのに、気がついたのかも知れない]
無理しちゃだめですよ。
ダーヴさんも心配してたです。
ロートスだって。
[ねぇ、と傍らの鸚鵡に視線を移して]
へぁー…客。物好きな
……いや、ゲルダと知り合いなのが物好きとかじゃないぞ
[ハインリヒの言葉には短く。ただ増えたのかぁ。と情報を頭に納めるようにいれつつ
なんだか誤解を呼びそうな表現に訂正を加え]
って、おいおい。どういう委員なんだか。
…顔出したら喜ぶだろう。けれどそこで倒れたら元の木阿弥どころかただのアホウだ。それがわかってるなら…いいぞ
[ブリジットの様子を見ながら努めて淡々といいつつ、席を立つ]
運営委員、って言うより従者って感じがするけどな。
…大丈夫か。
[ふらつく様子に手を差し出して]
途中で転ぶと色々拙いからな。
[だけど無理には繋がずにブリジットの意志に任せる]
―広間―
練習か。それもそうだね。
後で頼むだけ頼んでみる?
[リズムに合わせて指が動く。布の上では音は鳴らない]
駄目だって言われたら。
ここにいる間、聞ける機会に耳で覚えちゃう、とか。
[邪魔しない程度に小さく笑う]
[なおもじぃっと向けられる視線。
困ったように軽く、頬を掻く]
別に、無理とかしてないよ。
だから、心配すんなっ。
[それから、できるだけ明るい口調で言うものの]
「ユーリィは、おばかだからー。
いつも、しんぱいー」
[鸚鵡から、さくっと追い討ちが来た]
じぶんのあたまでかんがえなっさい。
聞いてばっかりだと阿呆になんぞー?
[まるで教師の説教にも似て、されど押し付ける気はないのか、声は軽い]
唐変木なとこは、成長してないなぁ。
仕事してる姿でも見れば、印象は変わるかもだが。
[ふと笑い、流す眼差しは白の蓮]
――集会所1階・広間――
どうも。
演奏会ですか?
[微かな笑みを携えて広間に入る。
オカリナを吹くカルメンを見やって]
躍りはないんでしょうか、残念。
[ぐるりと視線を巡らせた]
─広間─
[一回で覚えられる音には限りがあり、上手く音が連なっても途中で止まってしまう]
んー……たのんで、みよう、かな。
なんども、きけるなら、きいて、おぼえるんだけ、ど。
[クロエに返しながら、これ以上は無理だと言うようにオカリナから手を離した。
首からぶら下がる形になったオカリナは胸元で揺れる]
ゲルダさん。
[先程の遣り取りを思い出し、少し躊躇いがちに見る]
そっか、僕もそっちを練習してみれば良かったかな。
後でローザさんに直してもらうとしても。
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