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Kirschbaumにいくのかな?
僕は、桜を見に行くよ
[そう言って北西の通りを離れたのは、風の人が離れて少し後だったろうか。]
―→西/桜―
[薄紅色が、ひろがる、ひろがる。
あぁ。暖かな陽気が、花を咲かせたのだろう。
綺麗な花の様子に、苗床はふわり 口元に優しく微笑みを浮かべる。]
……今年も、綺麗だね。今年も、君は綺麗。
[繰り返すように言の葉をなぞる。
それから、その下にいる水の精に、ようやく気づいた。]
桜、咲いてきたね。
綺麗だ。
[ふわり、飛び立つ、三ツ花。
隠すつもりもないのだろう。それが枝に留まるのも、今の苗床には何も言わず。]
やぁ、こんばんわ。
綺麗、だよね。
幾ら見ても飽きないくらいに。
[ほぅ、と溜息を漏らした後、唇に人差し指を当て、記憶を探る。どこで感じた気配だったか……。]
もしかして、Kirschbaumのお客さん、かな?
うん、とても綺麗だから、僕はいつも見に来てしまうんだ。
咲いてゆくところも、とても綺麗だった。
[いつも、というのがどういうことかは、口にはせずに。]
ああ、うん。
あそこはとても、居心地がいいから。
泊まらせてもらっているんだ。
君は、Kirschbaumでは、泊まってないんだね。
[ユリアンにぽふぽふされた頭を両手で押さえ、そこにいた人たちがいなくなるのを見ていたが、自分も空腹である事に気がついて宿泊先へ戻る事にする。
ふわりふわりと、足取りも軽く裏通りを歩く。]
→Kirschbaumへ
[ひとしきり笑ったのち、さてと呟くと]
憎むべき陽光も沈んだのだから、こんなところに籠もっていても仕方ない
監視ついでの月光浴と洒落込むとしますか
[そう呟くと、昨夜同様漆黒の外套を身に纏うと、*教会をあとにする*]
―Kirschburm・庭―
[そのまま庭へと足を運び]
星、星。何が起こるの?
[リズムをつけて呟きながら暫く空を見上ていたが]
……やっぱり上手に読めないの。
馬鹿にされちゃうかな?
[溜息をついて淡い紅色の花の樹の下へと移動する]
あれ、誰かいる?
[そこには横たわっている人が一人。
そっと近づいてみた]
-Kirschburm-
[カラン、と音を鳴らして扉をくぐった。
いい臭いと、人の話し声がする。
いつもの隅のやや暗めの席に座り、「今日のお勧め」を店主に頼んだ。]
─Kirschbaum・庭─
[はらはらと、紅のこぼれる庭の桜。
何故か、それに寄りかかるようにぐったりと。
少しぼんやりしている様は、さながら、二日酔いかなにかのように見えるやも]
[入ってきた娘の姿に視線を向ける]
おや、こんばんは、イレーネさん。お加減はいかがですか?
[彼女の頭痛のことなど、誰にも聞いていないはずだったが]
咲いていくところも、かぁ……。
見たかったなぁ……。
ま、いつかの春にまたここに来ればいいかな?
[にこりと笑いつ、一瞬逡巡。"あぁ、なるほど"などと思いながら。]
君は、よくここに来るの?
僕もあそこに泊まりたかったんだけどね。
なんだか悪くない場所だったし。
マスターも、そしてあそこにいた人達も。
[残念そうに軽く肩を竦めた。]
[座ってまもなく、すぐ近くの席にいたクレメンスに話しかけられ、そちらに顔を向ける。]
…もう、大丈夫。
えぇと…貴方も、薬を?
[不思議そうに少しだけ首を傾ける。]
[傍まで行くと覗き込むように目の前でしゃがんで]
オトフリートさんだ。
お疲れなの?
[ぼんやりしている顔の前で手を振った]
[未だにカウンターでぐだぐだとブラックコーヒーを飲んでいる。]
……そろそろ帰っても大丈夫そうだとは思うんだが、どうだろうな。
拙いか?
[既に15杯目。]
うん。蕾だけだった時もとても綺麗だったよ。
だんだんとほころんでいくんだ。
花が開く瞬間は、僕は見逃してしまったけれど。
そうだね。
来年に、来年の春に来ればきっと見れるんじゃないかな。
[小さく口元で笑んで。]
僕はここが好きなんだ。この樹がとても好きなんだ。
いつも、きているよ。
ああ、もういっぱいだったのかな。
そうだね、あそこはとても良い場所だから。
とてもすごしやすいんだよね。
きっと大変だろうけど。
[くすくすと笑いながら、桜のはなびらを見上げ。]
ーKirschbaum・店内ー
[微笑む]
いえいえ、ただ、お加減が悪いようだと聞いたまでです。先日も少し元気が無い様に見受けましたし。
良くなられたのなら、幸いです。
ん……。
[呼びかけに、うっすらと目を開いて]
ああ……君ですか。
いや、疲れたのではなくて……ちょっと。
体質にあわないものを、とってしまいまして……。
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