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ソーヤ…
[俯いた顔がどんな表情を乗せているかは、掠れた声を聞けば、容易に想像がついてしまって、思い切り眉が下がる]
うん…いつも、言ってたよね、ソーヤ…何も出来ないのは嫌だ、苦しいなら言って欲しいって…
ソーヤは絶対に本当の気持ちしか言わないって、僕はちゃんと知ってたのに…
[そっぽを向いた彼に、より近く在ろうと、ベッドから足を降ろし、立ち上がろうとする]
わ…と…!
[長い眠りに萎えた足は、まだ少しふらついていて、結局ベッドか、ソーヤ自信に半分縋り付く形になったろうか]
ソーヤ、僕はずっと、君が羨ましくて…眩しくて、眩し過ぎて目を逸らしたいくらいで…でも、大事だった。本当に一番大事な友達だって、思ってた…ううん、思って、る。
これからは、苦しい時は、ちゃんと言う。だから、ソーヤが困った時も、僕に教えて?
僕に出来る事なら、なんでもする。出来る事が見つかるように、探す。
もう、何も出来ないなんて、言わないから。
[まっすぐに、ソーヤの顔を見て、自分の頬に届いたその拳に触れようと、手を伸ばした]
僕は、君にもみんなにも、ほんとにひどいことをしてしまったけど。
[その言葉を口にする時は、さすがに顔が歪むのを抑えきれず]
……それでも……この先もずっとソーヤと友達で…居たい。……いてくれる?
[ずっと傍に、『魔』に対して、そう望みを口にした『祈り子』と、それは、最後に重なった想いだった*]
頼れとは言ったが、丸投げろとは言っとらんぞ。
俺に解ることならいいが、そうでなければ助けてはやれん。
[瞬き返された言葉>>405に返すのは、自分の不器用さを自覚しているからだ。
勉強の出来る賢さと、人に必要な賢さは違うから]
「そんなことで遠慮していたのかい?」
「バカねぇ、どこまでなんて考えなくて良いのよ。
我侭だと思ったら叱るもの、好きに甘えていらっしゃいな」
[困ったように微笑む彼女へと父と母が向ける言葉に、笑み。
男は父母に遠く及ばないと思いながら、交わされるそれらを見つめて。
こちらに向いた紫紺を受け止め、真っ直ぐに返す。
そして告げられた心情に、目を瞠り、微かに頭を振って]
留守を任せるというつもりも無かった。
ただ、家族だから大丈夫だと、思っていたんだ。
[彼女が家に来た時、「今日から一緒に住む」と告げられて。
彼女が両親を慕ってくれているのが解ったあの時から、ずっと。
離れても、どこに居ても。家族だから。そう思い続けてきた]
一人で何でもできるヤツなどおらん。
そもそも俺は、医者としては出来の悪い方だ。
だから、出来る限りの努力をしないと務まらん。
[医者として、患者に合わせて接することも仕事の内だが。
相手に合わせて態度を変えることは、嘘をつくようでできなくて。
一人ひとりと向き合う時間が取れるこの村だから務まっているようなもので、父のような医者の足元にもきっと及ばない。
機微を察するのも鈍いから、知識と経験を重ねる事で信頼してもらえる医者になろう、その為に費やす時間を惜しまぬようにしよう、その一心でやってきて]
一人だったら、そもそも俺は医者になれていない。
皆が俺の迷いを払ってくれたから、俺はこうして進んでこれたんだ。
[真っ直ぐに進んで来られたのだって、自分の居場所が此処にあると思い続けてきたから。
包み込んだ左手、指先撫でられる温もりに目を伏せて]
…今度遠慮したら、承知せんぞ。
無理やりにでも引っ張って、聞きだすからな。
[微か、意地悪に見える笑い顔を見せて返し。
間の開いた後の言葉に、瞬きを繰り返した後]
言っている意味が解らんのだが。
お前以上に特別なヤツなど居らんのに、とっておいてどうする。
[首を傾げるのを心底不思議な顔で見つめた**]
/*
ところで、このこ、祈り子ちゃんとシンクロした後、もしかして寿命が延びたかもしれません。
祈り子ちゃん、もともと癒し手の力持ってると思うんだよねえ。
[ぶつけた言葉は、飾らぬ本音。
良くも悪くも真っ直ぐに育てられた青年は、思う事を真っ直ぐに向ける以外の方法を知らないから]
……そーだよ。
言ってくれなきゃ、なんもわかんねぇんだよ。
[ほんの少し拗ねたような口調で言って。
その時はまだ視線を逸らしていたから、クレムが立ち上がろうとするのにすぐに気づけなくて]
って、ばっか、お前まだ、立てるほど回復してねーだろっ!
[ふらつく様子に慌てて手を伸ばしたものの支えきる事はできず、結局、縋られるような態勢になった。
慌てて対比していた相棒が、テーブルの上に舞い降りて、案ずるようにキョキョ、と鳴く]
……って、羨ましい、って、なんだよ、それ。
[告げられた言葉は思わぬもので、思わずきょとん、と瞬くものの。
続いた言葉に、へにゃり、と眉が下がった]
……ん。
そっちに言わせて、自分言わねぇのは、相子になんないから、な。
[ため込む前に、大抵は吐き出してしまうけれど。
ひとつ、ふたつ、沈めているものがあるのも事実だから。
頷く表情は、少しだけ、困ったような色を帯びていたけれど──それは、短い時間で飲み込んで]
……居てくれるって、なんだよ、ったく。
そも、俺がそれやめる理由があるなら言ってみろってーの。
[向けられた願いに、返す言葉はいつもの青年の口調。
伸ばされた手は、ずっと握っていた拳を開いてしっかりと受け止めて]
変わんねぇよ、今までも、これからも。
だから、んな情けねぇ声だすなってーの!
[にぱ、と笑うのに重ねるように、キョキョ、と楽しげな響きの鳴き声が上がった。*]
ほら、クレーも笑ってるし。
も少し、しゃきっとしろってば。
/*
と、いうか。
昼間色々と動かんとならんのだし、さすがに寝ないとヤバい……!
というわけで墜落するのだよ。
みんな、無理するにゃー!
[くろねこ、ぱったり。**]
……きいて分からないことは一緒に考えばいいんでしょ。
クレイグのところに行ったら沢山ある本の中に答えがあるかもしれない。
[一番に頼るのがヒューゴだというだけ。
丸投げにしてもそのままにしておく気はないと考えを口にする。
恩人である医師の両親の言葉>>418には途惑うように眸を揺らした。
バカ、と口にするあたりは親子であるがゆえか
本当に自分がそうだからかは悩ましいところ。
叱られる、というのを新鮮に思うのは
本当の両親にはそうされたことがなかったから]
叱ってもらえるなら安心して甘えられるね。
……ふたりとも、大好きだよ。
[まだ気恥ずかしくて呼び方は変えられぬままだけれど
好意を言葉として伝えて、笑み返した]
……ヒューゴも迷うこと、あるんだ。
[アルビーネの目にはそうは映っていなかったから
少しだけ意外そうに瞬いて呟く。
皆が迷いを払って前に進んでゆくヒューゴと
己の中で迷いを抱えたままにするアルビーネと
話していても違いは明らかで新鮮にも思う。
伏せられた眸が、常とは違う笑みを形作れば]
癖になってるかもしれないから
多少は大目にみて欲しいなぁ、なんて。
眠り続けようとした理由も、話すよ。
家族には、隠したまま、なんて、出来ないから。
[覚悟を決めるようにそれだけ告げてはみるけれど
何処から話せばよいかはまだ定まらない]
/*
クレムの(友達で)いてくれる?ってところが可愛いと思いました。
けどソーヤの反応もわかるしらしくていいなぁ。
ソーヤもヒューゴもおやすみなさいー。
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